よむ、つかう、まなぶ。
資料4 全世代型社会保障の基本的考え方(清家座長提出資料) (3 ページ)
出典
公開元URL | https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/zensedai_hosyo/dai10/gijisidai.html |
出典情報 | 全世代型社会保障構築会議(第10回 12/7)《内閣官房》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
2.全世代型社会保障の基本理念
○
日本の社会保障は、戦後 70 年以上の歴史の中で、国民生活の安定や経済社会の発展
に大きく貢献してきた。一方で、これまで、時々の情勢に応じて制度改正を重ねてきた結果
として、各制度は複雑化・専門特化し、制度ごとの縦割りや制度間の不整合といった問題も
指摘されている状況にある。
○
こうした中で、社会保障の全体像をいま一度俯瞰し、その再構築を図ることが、「全世代型
社会保障」に求められていることである。その基本理念は、「1.目指すべき社会の将来方向」
を踏まえ、以下の5点に集約することができる。これらの基本理念に基づいた社会保障の構
築は、国民一人ひとりが互いにリスクに備え合う個人として、それぞれの生き方を自ら選択す
ることができ、その生き方が尊重される社会を創る上での不可欠な条件と言える。
「将来世代」の安心を保障する
「全世代型社会保障」とは、全ての世代にとって安心できる社会保障である。この「全世代」
は、若年期、壮中年期及び高齢期はもとより、これから生まれる「将来世代」も含むものとして
考える必要がある。
将来にわたって社会保障制度を持続させ、将来世代が安心して暮らしていけるようにする
ためには、負担を将来世代へ先送りせず、同時に、社会保障給付の不断の見直しを図る必
要がある。そして、社会保障を含む経済社会の「支え手」を増やしながら、今の世代で制度
を支えていくことを基本理念に置かなければならない。このことは、現在の現役世代の安心
を確保することにもつながるものである。
能力に応じて、全世代が支え合う
「全世代型社会保障」は、年齢に関わりなく、全ての国民が、その能力に応じて負担し支
え合うことによって、それぞれの人生のステージに応じて、必要な保障がバランスよく提供さ
れることを目指すものである。
超高齢社会にあっては、社会保障は世代を超えた全ての人々が連帯し、困難を分かち
合い、未来の社会に向けて協力し合うためにあるという認識を、世代間対立に陥ることなく、
全ての世代にわたって広く共有していかなければならない。すなわち、「全世代型社会保障」
の要諦は、「社会保障を支えるのは若い世代であり、高齢者は支えられる世代である」という
固定観念を払しょくし、「全世代で社会保障を支え、また社会保障は全世代を支える」という
ことにある。
個人の幸福とともに、社会全体を幸福にする
社会保障は、元来、社会全体での支え合いによって、個人の幸福増進を図るために存在
するものである。例えば、少子化対策はこどもを生み育てたい個人の希望を実現するための
ものであり、医療保険は健康な生活を送るため、年金は個人の老後の生活を守るためのも
のである。しかし、それらは同時に、少子化・人口減少の流れを変え、健康寿命を伸ばし、
3
○
日本の社会保障は、戦後 70 年以上の歴史の中で、国民生活の安定や経済社会の発展
に大きく貢献してきた。一方で、これまで、時々の情勢に応じて制度改正を重ねてきた結果
として、各制度は複雑化・専門特化し、制度ごとの縦割りや制度間の不整合といった問題も
指摘されている状況にある。
○
こうした中で、社会保障の全体像をいま一度俯瞰し、その再構築を図ることが、「全世代型
社会保障」に求められていることである。その基本理念は、「1.目指すべき社会の将来方向」
を踏まえ、以下の5点に集約することができる。これらの基本理念に基づいた社会保障の構
築は、国民一人ひとりが互いにリスクに備え合う個人として、それぞれの生き方を自ら選択す
ることができ、その生き方が尊重される社会を創る上での不可欠な条件と言える。
「将来世代」の安心を保障する
「全世代型社会保障」とは、全ての世代にとって安心できる社会保障である。この「全世代」
は、若年期、壮中年期及び高齢期はもとより、これから生まれる「将来世代」も含むものとして
考える必要がある。
将来にわたって社会保障制度を持続させ、将来世代が安心して暮らしていけるようにする
ためには、負担を将来世代へ先送りせず、同時に、社会保障給付の不断の見直しを図る必
要がある。そして、社会保障を含む経済社会の「支え手」を増やしながら、今の世代で制度
を支えていくことを基本理念に置かなければならない。このことは、現在の現役世代の安心
を確保することにもつながるものである。
能力に応じて、全世代が支え合う
「全世代型社会保障」は、年齢に関わりなく、全ての国民が、その能力に応じて負担し支
え合うことによって、それぞれの人生のステージに応じて、必要な保障がバランスよく提供さ
れることを目指すものである。
超高齢社会にあっては、社会保障は世代を超えた全ての人々が連帯し、困難を分かち
合い、未来の社会に向けて協力し合うためにあるという認識を、世代間対立に陥ることなく、
全ての世代にわたって広く共有していかなければならない。すなわち、「全世代型社会保障」
の要諦は、「社会保障を支えるのは若い世代であり、高齢者は支えられる世代である」という
固定観念を払しょくし、「全世代で社会保障を支え、また社会保障は全世代を支える」という
ことにある。
個人の幸福とともに、社会全体を幸福にする
社会保障は、元来、社会全体での支え合いによって、個人の幸福増進を図るために存在
するものである。例えば、少子化対策はこどもを生み育てたい個人の希望を実現するための
ものであり、医療保険は健康な生活を送るため、年金は個人の老後の生活を守るためのも
のである。しかし、それらは同時に、少子化・人口減少の流れを変え、健康寿命を伸ばし、
3