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資料3-2―② 鈴木先生提出資料 (6 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード (第110回 12/14)《厚生労働省》 |
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オミクロン対応 2 価ワクチン接種後 14 日以降(亜系統不問)
71 (52-83)
オミクロン対応 2 価ワクチン接種後 14 日以降(BA.1)
73 (49-85)
オミクロン対応 2 価ワクチン接種後 14 日以降(BA.4-5)
69 (32-86)
考察
本報告では BA.5 流行期におけるオミクロン対応 2 価ワクチンの有効性を検討し、発症予防効果
は高程度であることがわかった。オミクロン対応 2 価ワクチン(BA.1)とオミクロン対応 2 価
ワクチン(BA.4-5)とで有効率に大きな差は認めなかった。相対的な有効率としても、1 価ワク
チン接種から 6 ヶ月以降の者においては中程度であり、特に半年以上経過した者におけるワク
チンの有効性が示唆された。オミクロン対応 2 価ワクチンの有効性に関する疫学的なデータと
しては非常に限られているが、米国で行われた観察研究では、未接種と比較した BA.4-5 対応 2
価ワクチン(それまでの 1 価ワクチン接種回数を問わない)の絶対有効率は 18-49 歳で 43%
(95%CI 39-46)、50-64 歳で 28% (95%CI 22-33)、65 歳以上で 22% (95%CI 15-29)であった 12。ま
た、この研究では、相対有効率は、前回 1 価ワクチン接種から 2-3 ヶ月経過した者と比較して、
18-49 歳で 30% (95%CI 22-37)、50-64 歳で 31% (95%CI 24-38)、65 歳以上で 28% (95%CI 19-35)で
ある一方、前回 1 価ワクチン接種から 8 ヶ月以上経過した者と比較すると、18-49 歳で 56%
(95%CI 53-58)、50-64 歳で 48% (95%CI 45-51)、65 歳以上で 43% (95%CI 39-46)であった 16。今回
の調査結果では、オミクロン対応 2 価ワクチンと未接種を比較した絶対有効率が米国のデータ
より高い値であったが、これは既感染者の割合や感染対策(マスク着用等)
、リスク行動の違い
等が影響している可能性がある(特に本報告では交絡因子となりうる複数の因子で調整してい
る)。相対有効率については、米国と類似の結果であった。本報告におけるオミクロン対応 2 価
ワクチンの絶対有効率は、1 価ワクチン(従来株ワクチン)の従来株やアルファ株、デルタ株に
対する有効性 4-5(約 85-95%)よりも低い値であったが、これはサンプルサイズの制限や残存す
るバイアス・交絡の可能性の他、従来株に対する免疫の刷り込み(immune imprinting)の影響も
あるかもしれない 13-14。ただし、本報告からは、オミクロン対応 2 価ワクチンの高程度の発症予
防効果が示唆されており、接種を検討することが重要である。ただし、有効率は 100%ではない
ため、接種後も、場面や流行状況、医療逼迫の程度等に応じた適切な感染対策を継続すること
も重要となる。
本調査は迅速な情報提供を目的としている暫定的な解析であり、今後も解析を適宜行い、経時
的に評価していくことが重要である。
制限
本調査および報告においては少なくとも以下の制限がある。まず、1 つ目に交絡因子、思い出し
バイアス、誤分類等の観察研究の通常のバイアスの影響を否定できない。特に、ワクチンの接
種が進むにつれて、ワクチン接種者とワクチン未接種がワクチン接種歴以外の部分で異なる可
能性が高くなるが、これによって起こりうる交絡として、過去の感染やマスクの着用状況、感
染のリスク因子と考えられる行動の有無についても変数として解析に組み込んだ。2 つ目の制限
として、接種された時期や対象(特に 4 回目接種の接種対象は限られていた)が異なるため、1
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オミクロン対応 2 価ワクチン接種後 14 日以降(BA.1)
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考察
本報告では BA.5 流行期におけるオミクロン対応 2 価ワクチンの有効性を検討し、発症予防効果
は高程度であることがわかった。オミクロン対応 2 価ワクチン(BA.1)とオミクロン対応 2 価
ワクチン(BA.4-5)とで有効率に大きな差は認めなかった。相対的な有効率としても、1 価ワク
チン接種から 6 ヶ月以降の者においては中程度であり、特に半年以上経過した者におけるワク
チンの有効性が示唆された。オミクロン対応 2 価ワクチンの有効性に関する疫学的なデータと
しては非常に限られているが、米国で行われた観察研究では、未接種と比較した BA.4-5 対応 2
価ワクチン(それまでの 1 価ワクチン接種回数を問わない)の絶対有効率は 18-49 歳で 43%
(95%CI 39-46)、50-64 歳で 28% (95%CI 22-33)、65 歳以上で 22% (95%CI 15-29)であった 12。ま
た、この研究では、相対有効率は、前回 1 価ワクチン接種から 2-3 ヶ月経過した者と比較して、
18-49 歳で 30% (95%CI 22-37)、50-64 歳で 31% (95%CI 24-38)、65 歳以上で 28% (95%CI 19-35)で
ある一方、前回 1 価ワクチン接種から 8 ヶ月以上経過した者と比較すると、18-49 歳で 56%
(95%CI 53-58)、50-64 歳で 48% (95%CI 45-51)、65 歳以上で 43% (95%CI 39-46)であった 16。今回
の調査結果では、オミクロン対応 2 価ワクチンと未接種を比較した絶対有効率が米国のデータ
より高い値であったが、これは既感染者の割合や感染対策(マスク着用等)
、リスク行動の違い
等が影響している可能性がある(特に本報告では交絡因子となりうる複数の因子で調整してい
る)。相対有効率については、米国と類似の結果であった。本報告におけるオミクロン対応 2 価
ワクチンの絶対有効率は、1 価ワクチン(従来株ワクチン)の従来株やアルファ株、デルタ株に
対する有効性 4-5(約 85-95%)よりも低い値であったが、これはサンプルサイズの制限や残存す
るバイアス・交絡の可能性の他、従来株に対する免疫の刷り込み(immune imprinting)の影響も
あるかもしれない 13-14。ただし、本報告からは、オミクロン対応 2 価ワクチンの高程度の発症予
防効果が示唆されており、接種を検討することが重要である。ただし、有効率は 100%ではない
ため、接種後も、場面や流行状況、医療逼迫の程度等に応じた適切な感染対策を継続すること
も重要となる。
本調査は迅速な情報提供を目的としている暫定的な解析であり、今後も解析を適宜行い、経時
的に評価していくことが重要である。
制限
本調査および報告においては少なくとも以下の制限がある。まず、1 つ目に交絡因子、思い出し
バイアス、誤分類等の観察研究の通常のバイアスの影響を否定できない。特に、ワクチンの接
種が進むにつれて、ワクチン接種者とワクチン未接種がワクチン接種歴以外の部分で異なる可
能性が高くなるが、これによって起こりうる交絡として、過去の感染やマスクの着用状況、感
染のリスク因子と考えられる行動の有無についても変数として解析に組み込んだ。2 つ目の制限
として、接種された時期や対象(特に 4 回目接種の接種対象は限られていた)が異なるため、1
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