よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


参考資料1 変異株リスク評価 (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード (第111回 12/21)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

国立感染症研究所. 感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株について (第 23 報)

BA.5 系統について


BA.1 系統、BA.2 系統、BA.3 系統に加え、2022 年 1 月に BA.4 系統が、2 月に BA.5 系統がいずれ
も南アフリカ共和国で検出された。以降 BA.5 系統は世界的に検出数が増加し、2022 年 42 週(10
月 17 日~23 日)時点で BA.5 系統とその亜系統が全世界で登録された株の 74.5%を占め、主流とな
っている (WHO, 2022a)。



国内では 2022 年 6 月以降、BA.2 系統から BA.5 系統への置き換わりが進行した。BA.5 系統は
2022 年第 17 週(4 月 18 日~24 日)に日本から初めて GISAID に登録され、第 27 週(7 月 4 日~10
日)に 50%を、第 28 週(7 月 11 日~17 日)に 75%を、30 週(7 月 25 日~31 日)に 90%を超えた
(covSPECTRUM, 2022)。国内民間検査機関 2 社に集められた週 800 検体のゲノム解析結果を用い
たゲノムサーベイランスでも、2022 年 22 週(5 月 23 日~29 日)に初めて検出されたのち、第 27 週
に 50%を、第 28 週に 75%を、30 週に 90%を超えた(国立感染症研究所, 2022a)。

BA.2.75 系統、BA.4.6 系統について


12 月 1 日時点で GISAID に、BA.2.75 系統が 82 か国から 40,320 件(BA.2.75 系統の亜系統を含
む)、BA.4.6 系統が 92 か国から 55,058 件(BA.4.6 系統の亜系統を含む)登録されている
(covSPECTRUM, 2022)。日本では、12 月 7 日時点で、BA.2.75 系統が検疫で 169 件、国内で 769
件、BA.4.6 系統が検疫で 16 件、国内で 198 件登録されている (GISAID, 2022)。BA.2.75 系統は
BA.2 系統と比較して中和抗体からの逃避能が上昇しているとの報告もある(Cao Y. et al., 2022a) 。
一方で、ワクチン接種による中和抗体からの逃避能は、BA.2 系統と比較して同等、BA.4/BA.5 系
統に比して低いという報告もある (Shen X. et al., 2022)。BA.4.6 系統は BA.4 系統と比較して、中
和抗体からの逃避能が上昇しているとの報告がある(Jian F et al., 2022)。BA.2.75 系統はインド、
BA.4.6 系統は米国での検出状況から BA.2 系統、BA.5 系統に対する感染者数増加の優位性が示唆
されたが、いずれの国においても 9 月以降、XBB 系統や BQ.1 系統への置き換わりが進んでいる
(covSPECTRUM, 2022)。

オミクロンの新規亜系統の世界的な発生状況について


世界各地で BA.2 系統や BA.5 系統を起源とする亜系統が多数発生し、それらの有するスパイクタ
ンパク質の変異から、中和抗体からの逃避能の上昇が懸念されている。米国や欧州では BQ.1 系統
や、CH.1.1 系統(BA.2.75.3 系統の亜系統)が、アジアでは BQ.1 系統や XBB 系統、オセアニアでは
BQ.1.1 系統、CH.1.1 系統が、これまでに各地で主流となっている系統に比較して、感染者数増加
の優位性を見せている(covSPECTRUM, 2022)。一方で、これらの系統の割合の上昇傾向は地域に
よって異なっており、オミクロンの中で特定の亜系統が世界的に優位となる傾向は現在みられな
い。

2