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参考資料1 変異株リスク評価 (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード (第111回 12/21)《厚生労働省》
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国立感染症研究所. 感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株について (第 23 報)



これらの亜系統が有するスパイクタンパク質における変異は R346、K444、V445、G446、N450、
L452、N460、F486、F490、R493 といった共通の部位に集中する傾向がみられており、ウイルス
の収斂進化が起きているとの指摘がある(Cao Y, 2022b)。BA.5 系統に比較して、BQ1.1 系統、
BM.1.1.1 系統などは中和抗体からの逃避能が高く、特に比較された中では XBB 系統が最も逃避能
が高いことが示唆されている(Cao. Y, 2022b)。ただし、査読を受けていないプレプリント論文であ
ることに注意が必要である。また、これらの亜系統に関して重症度の上昇など、逃避能以外の形質
が大きく変化しているという知見はない。スパイクタンパク質の主要箇所の変異が多いほど感染者
数増加の優位性が高まるとの指摘もあり、BQ.1.1 系統と XBB 系統は特に感染者数増加の優位性が
高い系統と指摘する専門家もいる(Wensleers T, 2022)が、世界の人口の免疫状態や、介入施策も多
様になる中で、変異株の性質が流行の動態に直接的に寄与する割合は低下していることが考えられ
る。



これらの系統について、WHO は BA.2.3.20、BA.4.6、BA.2.75、BJ.1、XBB の各系統および、
BA.5 系統に N450D 変異もしくは R346/K444/V445/N460 のいずれかの箇所に変異を有するもの
を「Omicron subvariants under monitoring」に指定している。欧州疾病予防対策センター(ECDC)
は、 BA.2.75 系統、BQ.1 系統、XBB 系統を「Variants of interest」
、BA.2.3.20 系統、BF.7 系統を
「Variants under monitoring」に指定している。英国健康安全保障庁(UKHSA)は、BA.2.12.1 系
統、BA.2.75 系統、BA.4.6 系統、XE 系統、BQ.1 系統、XBB 系統を「Variants」
、BA.2.75.2 系統、
BQ.1.1 系統、BA.5.2.35 系統、BN.1 系統、BA.2.3.20 系統を「Signals in monitoring」に指定して
いる(ECDC, 2022a、WHO, 2022b、UKHSA, 2022)。



また、オミクロンとデルタの組換え体である、XBC 系統についても、ECDC は「Variants under
monitoring」
、UKHSA は「Signals in monitoring」に指定している(ECDC, 2022a、UKHSA,
2022)。

BQ.1 系統について


2022 年 9 月に BA.5.3 系統の亜系統である BQ.1 系統がナイジェリアから報告され、また BQ.1 系
統に R346T 変異が追加された BQ.1.1 系統など BQ.1 系統の亜系統も報告されている(Covlineages.org, 2022)。 BQ.1 系統とその亜系統(以下 BQ.1 系統)は 12 月 1 日時点で、GISAID に欧
米を中心に 85 か国から 74,590 件が登録されている(covSPECTRUM, 2022)。2022 年第 46 週時点
で、BQ.1 系統は全世界で検出された株の 36.2%を占め、割合は上昇傾向が続いている(WHO,
2022a)。米国では 8 月以降 BQ.1 系統の占める割合が上昇し 2022 年 46 週(11 月 13 日~19 日)には
43%を占め、今後も BQ.1 系統が占める割合が上昇することが見込まれている。一方で、感染者数
は 8 月以降減少し、10 月以降おおむね横ばいで経過している(CDC, 2022a)。欧州では 9 月末頃か
ら一部の国で BQ.1 系統の占める割合が上昇し、スペイン、アイルランド、ポルトガル、フラン
ス、ルクセンブルク、アイスランド、ベルギーでは 2022 年 45 週頃には BQ.1 系統が主流となって
いる。一方で、いずれの国も感染者数は 9 月から 10 月頃を境に減少に転じており、その後フラン

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