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参考資料1 変異株リスク評価 (4 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード (第111回 12/21)《厚生労働省》 |
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国立感染症研究所. 感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株について (第 23 報)
スのみ 11 月中旬以降再度増加傾向にある。また、フランスを含めいずれの国も死亡者数の増加は
見られない(ECDC, 2022b、Our World in Data, 2022)。日本では、12 月 7 日時点で BQ.1 系統が検
疫で 37 件、国内で 680 件検出されており(GISAID, 2022)、民間検査機関の検体に基づくゲノムサ
ーベイランスでも、第 43 週(10 月 24 日~30 日)には 1.4%であったが、第 46 週(11 月 14 日~20
日)には 6.3%と割合が上昇しており(国立感染症研究所, 2022b、国立感染症研究所, 2022c)、第 50
週(12 月 5 日~11 日)においては 34%を占めると推定されている(国立感染症研究所, 2022d)。
BQ.1 系統は BA.5 系統から、スパイクタンパク質に K444T、N460K 変異を獲得しており、中和抗
体からの逃避能が上昇する可能性が示唆されている。また、実験的にも中和抗体からの逃避能が高
いことが示唆されている(Cao Y. et al., 2022b) 。一方で、ハムスターを用いた動物実験では、
BQ.1.1 系統の病原性は BA.5 系統と同等またはより低かった(Ito J. et al., 2022)。ただし、いずれも
査読を受けていないプレプリント論文であることに注意が必要である。感染者数増加の優位性も
BA.5 系統などと比較して高い可能性があるものの、ヒトにおける重症度の上昇を示唆する疫学的
な所見はない (WHO, 2022c)。従来株、オミクロン対応 2 価の両ワクチンの感染予防効果が低下す
る可能性が示唆されている(Kurhade C. et al.,2022)。一方で、オミクロン対応 2 価ワクチンは従来
株ワクチンよりも BQ.1 系統に対する免疫原性が高い可能性が示唆されている(Zou J. et al.,
2022)。また、ワクチンの重症化予防効果には影響がないと予測されている (WHO, 2022c)。ただ
し、治療薬やワクチンの有効性について、疫学的な評価はされていない。今後の国内外での検出状
況、感染者数や重症者数の推移を注視する必要がある。
XBB 系統について
2022 年 9 月にシンガポールや米国から BJ.1 系統(BA.2.10 系統の亜系統)と BM.1.1.1 系統
(BA.2.75.3 系統の亜系統)の組換え体である XBB 系統が報告され、その後遡ってインドから 8 月に
検出された検体の登録がされている。12 月 1 日時点で、GISAID に 66 か国から 9,875 件が登録さ
れており、インド、バングラデシュ、シンガポールなどアジア各国のほか、米国、英国、オースト
ラリアなどから多く登録されている(covSPECTRUM, 2022)。2022 年第 46 週時点で、XBB 系統と
その亜系統(以下 XBB 系統)は全世界で検出された株の 5.0%を占め、前週から割合が上昇している
(WHO, 2022a)。シンガポールにおいては、9 月末から XBB 系統の占める割合が上昇したが、10 月
中旬以降下降し、同時期より BQ.1 系統の占める割合が上昇傾向にある(outbreak. info, 2022)。感
染者数、入院者数は 10 月に増加した一方で、重症者数は横ばいであり、10 月後半以降シンガポー
ルの感染者数は減少傾向にある。インドとバングラデシュでは XBB 系統が主流となっているが、
感染者数の増加は見られていない(outbreak. info, 2022、Our World in Data, 2022)。日本では 12 月
7 日時点で XBB 系統が検疫で 27 件、国内で 94 件検出されており(GISAID, 2022)、民間検査機関
の検体に基づくゲノムサーベイランスでは、第 43 週(10 月 24 日~30 日)は 0.25%、第 46 週(11 月
14 日~20 日)は 0.39%とおおむね横ばいで推移しており(国立感染症研究所, 2022b、国立感染症研
究所, 2022c)、第 50 週(12 月 5 日~11 日)においては 2%を占めると推定されている(国立感染症研
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スのみ 11 月中旬以降再度増加傾向にある。また、フランスを含めいずれの国も死亡者数の増加は
見られない(ECDC, 2022b、Our World in Data, 2022)。日本では、12 月 7 日時点で BQ.1 系統が検
疫で 37 件、国内で 680 件検出されており(GISAID, 2022)、民間検査機関の検体に基づくゲノムサ
ーベイランスでも、第 43 週(10 月 24 日~30 日)には 1.4%であったが、第 46 週(11 月 14 日~20
日)には 6.3%と割合が上昇しており(国立感染症研究所, 2022b、国立感染症研究所, 2022c)、第 50
週(12 月 5 日~11 日)においては 34%を占めると推定されている(国立感染症研究所, 2022d)。
BQ.1 系統は BA.5 系統から、スパイクタンパク質に K444T、N460K 変異を獲得しており、中和抗
体からの逃避能が上昇する可能性が示唆されている。また、実験的にも中和抗体からの逃避能が高
いことが示唆されている(Cao Y. et al., 2022b) 。一方で、ハムスターを用いた動物実験では、
BQ.1.1 系統の病原性は BA.5 系統と同等またはより低かった(Ito J. et al., 2022)。ただし、いずれも
査読を受けていないプレプリント論文であることに注意が必要である。感染者数増加の優位性も
BA.5 系統などと比較して高い可能性があるものの、ヒトにおける重症度の上昇を示唆する疫学的
な所見はない (WHO, 2022c)。従来株、オミクロン対応 2 価の両ワクチンの感染予防効果が低下す
る可能性が示唆されている(Kurhade C. et al.,2022)。一方で、オミクロン対応 2 価ワクチンは従来
株ワクチンよりも BQ.1 系統に対する免疫原性が高い可能性が示唆されている(Zou J. et al.,
2022)。また、ワクチンの重症化予防効果には影響がないと予測されている (WHO, 2022c)。ただ
し、治療薬やワクチンの有効性について、疫学的な評価はされていない。今後の国内外での検出状
況、感染者数や重症者数の推移を注視する必要がある。
XBB 系統について
2022 年 9 月にシンガポールや米国から BJ.1 系統(BA.2.10 系統の亜系統)と BM.1.1.1 系統
(BA.2.75.3 系統の亜系統)の組換え体である XBB 系統が報告され、その後遡ってインドから 8 月に
検出された検体の登録がされている。12 月 1 日時点で、GISAID に 66 か国から 9,875 件が登録さ
れており、インド、バングラデシュ、シンガポールなどアジア各国のほか、米国、英国、オースト
ラリアなどから多く登録されている(covSPECTRUM, 2022)。2022 年第 46 週時点で、XBB 系統と
その亜系統(以下 XBB 系統)は全世界で検出された株の 5.0%を占め、前週から割合が上昇している
(WHO, 2022a)。シンガポールにおいては、9 月末から XBB 系統の占める割合が上昇したが、10 月
中旬以降下降し、同時期より BQ.1 系統の占める割合が上昇傾向にある(outbreak. info, 2022)。感
染者数、入院者数は 10 月に増加した一方で、重症者数は横ばいであり、10 月後半以降シンガポー
ルの感染者数は減少傾向にある。インドとバングラデシュでは XBB 系統が主流となっているが、
感染者数の増加は見られていない(outbreak. info, 2022、Our World in Data, 2022)。日本では 12 月
7 日時点で XBB 系統が検疫で 27 件、国内で 94 件検出されており(GISAID, 2022)、民間検査機関
の検体に基づくゲノムサーベイランスでは、第 43 週(10 月 24 日~30 日)は 0.25%、第 46 週(11 月
14 日~20 日)は 0.39%とおおむね横ばいで推移しており(国立感染症研究所, 2022b、国立感染症研
究所, 2022c)、第 50 週(12 月 5 日~11 日)においては 2%を占めると推定されている(国立感染症研
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