よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料3-8 今村先生提出資料 (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第117回 2/22)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

○たとえば、誤嚥性肺炎は加齢にともなう嚥下機能の低下によって起こりやすくなる。
新型コロナウイルスに感染することで衰弱すると、さらに嚥下機能の悪化をもたらす。
その結果、口腔内常在菌を誤嚥するようになるため、嚥下性肺炎を起こして死亡する
高齢者が増加しているものと考えられる。また、基礎疾患に慢性心不全があれば、感
染を契機に心機能が低下することで重症化しやすくなる。
○さらに、新型コロナウイルス感染の病態として、血栓症など心血管系の合併症との
関連が指摘されており 3)、診療の手引き 4)においても、ハイリスク者への抗凝固療
法が推奨されている。心筋梗塞、脳梗塞、あるいは肺塞栓症のような血栓に関連した
死亡は、新型コロナウイルス感染による死亡として報告されないことも起こりえる。ま
た、第8波が冬期の流行となったことで、心血管系や脳血管系の合併症を含めた死
亡に影響を与えた可能性があることなど、今後さらなる評価分析も必要とされる。
1)第 114 回(令和 5 年 1 月 17 日)
新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 藤井先生 提出資料
2)https://doi.org/10.1017/S0950268822001686
3)https://www.nature.com/articles/s41591-022-01689-3
4)新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/000936655.pdf
(2)感染者数の増加にともなう施設等における高齢者の感染
○オミクロン株の高い伝播性による流行レベルの上昇にともなって、施設等における
スタッフや高齢者の感染も増加する。高齢者施設は、身体的活動度が低下した高齢
者が多く利用している。このため施設での感染拡大は、死亡者数の増加につながり
やすい。
(3)ワクチンや感染によって獲得した免疫の低下
○これまでワクチンを接種している場合や、第6波よりも前に感染して免疫を獲得して
いた場合においても、その後の時間経過に伴って獲得された免疫は低下してきてい
る可能性がある。それにより高齢者の感染が増えていることも、死亡者数の増える要
因となっている可能性がある。今後も免疫逃避能の高いウイルス株の出現により、高
齢者の感染が増加し、それとともに死亡も増えることが懸念される。

4