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資料3-8 今村先生提出資料 (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第117回 2/22)《厚生労働省》
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○また、高齢者の身体機能低下に伴う死亡については、その原因が十分に精査され
ていないことも多く、老衰として説明されていることもある。特に在宅や介護施設にお
ける看取りにおいては、新型コロナウイルスの感染との因果関係を明らかにすること
は難しく、医療者の判断にも相違が生じやすくなっている。
(2)積極的疫学調査で把握されていない死亡例の存在
○新型コロナウイルスの陽性者としての保健所からの健康観察期間後の死亡の場
合や直接死因との関連性が低い場合等で、保健所の積極的疫学調査により死亡が
把握されていない可能性がある。感染症法においては、医師による死亡の届け出の
義務は課されていないことや、病院での治療退院後にかかりつけ医や施設で死亡が
確認された場合は保健所が追跡できない場合もある。
(3)検査されていない新型コロナ関連死亡例の存在
○特に医療機関以外での、施設や自宅における高齢者の死亡例については、新型コ
ロナウイルスの検査が行われていない例も多く存在していることが予想される。新型
コロナウイルス感染症は呼吸器合併症だけでなく虚血性心疾患などの心疾患や脳梗
塞などの脳血管障害を惹起しやすいことが今日までに明らかになってきた。感染に伴
う急性症状や上気道症状などが軽症で見過ごされても、持病の心疾患あるいは脳血
管疾患が悪化しやすい状況にある。このような死亡も、超過死亡における死亡者数
と、報告されている死亡者数との乖離の原因となっていると考えられる。
6.全体的考察と今後の課題について
○これまで、多くの国々と比較しても、日本における人口あたりの累積感染者数・死
亡者数他の先進国に比べて低く抑えられてきた。これらの国々に比べて自然感染に
より免疫を獲得している人の割合が低いことも、死亡者の増加に関与している可能性
がある。例えばイングランドの献血者では自然感染を示すと考えられる、N 抗体の陽
性率が 80%を超えていることが示されているが、国内の献血者の N 抗体陽性率は
昨年 11 月の段階で 26.5%であった。当初感染者・死亡者が低く抑えられていたオー
ストラリア・香港・台湾などでも 2023 年に入ってからの死亡者が増加していることが
報告されている。
○現時点で、ウイルス変異による重症度が悪化しているという報告はなく、それ以外
に死亡者数が多くなっている原因については、上記のような複数の理由が考えられ

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