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世界最大の胃がんゲノム解析により日本人胃がんの治療標的を同定 飲酒との関連もゲノム解析から初めて発見し新たな予防法の開発が期待 (8 ページ)

公開元URL https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2023/0314_1/index.html
出典情報 プレスリリース(2022年度)世界最大の胃がんゲノム解析により日本人胃がんの治療標的を同定(3/14)《国立がん研究センター》
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(注 3)びまん型胃がん
がん細胞同士の接着が乏しく、バラバラになりながら浸潤するタイプの胃がん。間質の線維化が強い症
例はスキルス胃がんとして知られる。低分化で予後不良である。
(注 4)免疫治療
がん細胞を攻撃する免疫細胞を活性化するがん治療法。がん細胞が免疫細胞の機能を弱めるために
使っている分子(免疫チェックポイント分子)を標的として、免疫チェックポイント阻害剤が胃がんでは臨床
で使われている。
(注 5)米国 TCGA (The Cancer Genome Atlas)
米国で行われた大規模ながんゲノム解析プロジェクト。胃がんを含む 33 種類のがんについて、ゲノム・
RNA・エピゲノム・プロテオームといったオミックス解析を行い、そのデータを広く公開している。
(注 6)変異シグネチャー
がん細胞のゲノムに発生する様々な変異には、その要因によって異なったパターンを示すことが知られ
ており、そうしたパターンを変異シグネチャーと呼ぶ。これまでヒトのがんにおいては 50 種類以上のパタ
ーンがあることが知られており、そのうち 3 分の 1 はゲノム修復の異常、3 分の 1 は環境要因によるも
のであることが判明しているが、残り 3 分の 1 は未だ原因不明である。
(注 7)アルコール分解能が弱いゲノム多型
1B 型アルコール脱水素酵素 (ADH1B)とは、エタノールをアセトアルデヒドに酸化する酵素の一つで、
アルデヒドデヒドロゲナーゼ 2(ALDH2)は、このアセトアルデヒドを酸化して代謝する酵素です。これらは
遺伝子の点突然変異により働きの弱い酵素と強い酵素があります。
(注 8)RNA スプライシング異常
タンパク質はメッセンジャーRNA(mRNA)の情報を元に作られる。RNA スプライシングとは、mRNA の
前駆体である pre-mRNA から intron と呼ばれる部分を除去して mRNA を生成する過程である。がん
細胞では、ゲノム異常やスプライシングに関わる分子の異常などの様々な要因によって、スプライシング
の異常が起こり、異常なタンパク質が作られることが知られており、こうしたスプライシング異常を標的と
した治療開発が進められている。
(注 9)ドミナントネガティブ(優性阻害)
遺伝子の変異産物が正常産物に対してドミナント(優位)に働いて,正常産物の作用を阻害する(ネガテ
ィブな効果)作用のこと。例えば CDH1 のように二量体を形成して機能する場合,不活性型の変異体が
正常体と複合体を形成することにより正常体の作用を阻害することで癌抑制遺伝子としての機能を示
す。

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