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医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版(システム運用編)(令和5年5月) (52 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275_00006.html
出典情報 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版(5/31)《厚生労働省》
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16.紙媒体等で作成した医療情報の電子化

[Ⅰ~Ⅳ]

【遵守事項】


医療に関する業務等に支障が生じることのないよう、スキャンによる情報量の低下を防ぎ、保

存義務を満たす情報として必要な情報量を確保するため、光学解像度、センサ等の一定の規格・
基準を満たすスキャナを用いること。また、スキャンによる電子化で情報が欠落することがない
よう、スキャン等を行う前に対象書類に他の書類が重なって貼り付けられていたり、スキャナ等
が電子化可能な範囲外に情報が存在しないか確認すること。


運用の利便性のためにスキャナ等で電子化を行うが、紙等の媒体もそのまま保管を行う場合、

緊急に閲覧が必要になったときに迅速に対応できるよう、保管している紙媒体等の検索性も必要
に応じて維持すること。

16.1 保存義務がある書面等に関する紙媒体等の電子化における技術的な対応
システム運用担当者は、紙媒体等を電子化する際に、医療に関する業務等に支障が生じることのな
いよう、スキャンによる情報量の低下を防ぎ、保存義務を満たす情報として必要な情報量を確保する
等の措置を講じることが求められる。
なお、スキャナ等で電子化した場合、どのように精密な技術を用いても、元の紙等の媒体の記録と
同等にはならない。また、スキャニングにより、保存できない有用な情報などがある場合もある。し
たがって、一旦紙等の媒体で運用された情報をスキャナ等で電子化することは慎重に行う必要がある。
電子情報と紙等の情報が混在することで、運用上著しく障害がある場合等に限定すべきである。その
一方で、電子化した上で、元の媒体も保存することは真正性・保存性の確保の観点から極めて有効で
あり、可能であれば外部への保存も含めて検討されるべきである。
16.2 運用の利便性のためにスキャナ等で電子化を行う場合における技術的な対応
紙等の媒体で扱うことが著しく利便性を欠くためにスキャナ等で電子化するが、紙等の媒体の保存
は継続して行う場合、電子化した情報はあくまでも参照情報であり、保存義務等の要件は課せられな
い。しかしながら、個人情報保護上の配慮は同等に行う必要があり、またスキャナ等による電子化の
際に医療に関する業務等に差し支えない精度の確保も必要である。
システム運用担当者は、このような観点から、運用の利便性のために電子化をスキャナ等で行う場
合に、スキャナや電子化されたファイルに対して、技術的な対応を行うことが求められる。

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