[診療報酬] 2016年度入院医療調査の速報値を報告 診療報酬調査専門組織
今回のポイント
●厚生労働省は6月7日の診療報酬調査専門組織・入院医療等の調査・評価分科会に、2016年度の「入院医療等における実態調査結果(速報)」を報告○それによると、2016年度改定前から【7対1一般病棟入院基本料】を算定していた施設の98%が改定後も同点数を算定
○病棟転換の転換先として最も多かったのは【地域包括ケア病棟入院基本料1】
厚生労働省は6月7日の診療報酬調査専門組織・入院医療等の調査・評価分科会に、「平成28年度(2016年度)入院医療等における実態調査結果(速報)」を報告した。それによると、調査対象のうち、2016年度の改定前から【7対1一般病棟入院基本料】を算定していた施設の9割以上が改定後も7対1を維持。病棟を転換した場合の転換先として最も多かったのは、【地域包括ケア病棟入院基本料1】算定病棟だった。また、療養病棟の一部が2018年3月末で廃止予定の【療養病棟入院基本料2】を依然算定しているのは、上位区分である【療養病棟入院基本料1】の要件である医療区分2・3の患者割合を満たせないためであることが明らかになった。
2016年度に実施したのは、(1)一般病棟入院基本料・特定集中治療室管理料における「重症度、医療・看護必要度」等の施設基準の見直しの影響、(2)地域包括ケア病棟入院基本料の包括範囲の見直しの影響、(3)療養病棟入院基本料等の慢性期入院医療における評価の見直しの影響、(4)退院支援における医療機関の連携や在宅復帰率の評価のあり方―に関する4つの調査(参照)。
◆7対1からの転換理由は重症度、医療・看護必要度基準を満たせないが最多
一般病棟入院基本料の影響調査の結果を見ると、2016年度診療報酬改定前に【7対1一般病棟入院基本料】を届け出ていた施設の98.0%は、2016年11月1日時点でも【7対1入院基本料】を算定。7対1を維持している理由では、「7対1相当の看護配置が必要な入院患者が多いため」、「施設基準を満たしており、特に転換する必要性を認めないため」が上位を占めた。一方、7対1からの転換先で最も多かったのは、【地域包括ケア病棟入院基本料1】、次いで【10対1一般病棟入院基本料】。転換理由では、「重症度、医療・看護必要度の基準を満たせないため」が最も多く、「他の入院料と7対1入院料を組み合わせることで、より患者の状態に即した医療が提供できるため」との回答も目立った(参照)(参照)。
2016年度改定では7対1病棟における「重症度、医療・看護必要度」の基準該当入院患者の割合が従来の15%から25%に引き上げられており、今回の調査では、この要件厳格化が7対1の維持を困難にしていることが浮き彫りになった。基準該当患者割合を改定前後で比較すると、7対1病棟は平均19.2%→28.8%、10対1病棟は平均14.4%→19.1%と、いずれも上昇。7対1に絞って見ると、25~30%の施設が7割を占めるが、30%を超える施設も3割弱存在していた(参照)。
調査対象施設のうち、病棟群単位の届出をしていたのは、わずか8施設(1.2%)。届出をしていない施設に今後の意向を聞いたところ、「7対1から10対1への変更を予定していないので今後も届出はしない」との回答が96%に達した(参照)(参照)
◆25対1療養病棟、「医療区分2・3の該当患者を集められない」
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