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2017年11月15日(水)

注目の記事 [改定速報] 訪問看護の24時間対応体制、評価一本化へ 中医協・総会1

中央社会保険医療協議会 総会(第370回 11/15)《厚生労働省》
発信元:厚生労働省 保険局 医療課   カテゴリ: 30年度同時改定 診療報酬 医療制度改革
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今回のポイント

●中央社会保険医療協議会・総会は11月15日、訪問看護について議論し、厚生労働省が示した【24時間連絡体制加算】を【24時間対応体制加算】に一本化する案を了承
○不適切な算定事例があることが明らかになった、看護補助者が同行する場合の【複数名訪問看護加算】は、算定回数を制限する方向に
○理学療法士による訪問看護への看護職の関与の必須化、病院併設訪問看護ステーションの評価、専門看護師による同行訪問の対象にストーマ造設利用者を追加、訪問看護利用者の入院時の医療機関への情報提供の評価-なども提案されたが、意見が割れた


 中央社会保険医療協議会・総会は11月15日、訪問看護について議論し、厚生労働省が示した【24時間連絡体制加算】を【24時間対応体制加算】に一本化する案を了承した。不適切な算定事例があることが明らかになった、看護補助者が同行する場合の【複数名訪問看護加算】は、算定回数を制限する方向となった。
 
 訪問看護ステーションの24時間対応体制の評価には、【24時間対応体制加算】と【24時間連絡体制加算】がある。両点数とも患者や家族からの電話相談に常時対応できることが要件だが、【対応体制加算】はさらに、必要に応じて緊急時訪問看護を提供できる体制が整っていることが求められる(参照)。両点数の届出比率は2016年実績で、【対応体制加算】91.7%、【連絡体制加算】8.3%。利用者ベースの実績を比較した場合でも、【対応体制加算】の利用者数のほうが圧倒的に多いことなどから、厚労省は24時間対応の評価を【対応体制加算】に一本化することを提案した(参照)(参照)
 
 看護職員に看護補助者が同行訪問して【複数名訪問看護加算】を算定する際、対象が末期の悪性腫瘍患者や在宅気管切開患者指導管理を受けている場合、特別訪問看護指示書が交付されている場合などは、訪問回数に制限がない(参照)(参照)。看護補助者との訪問看護の算定回数は1レセプト当たり10回以内が7~8割を占めるが、月400回以上の不適切事例もあり、厚労省は是正策として算定回数制限を設ける方針を打ち出した(参照)(参照)
 
 
◆PTの訪問看護への看護職関与の必須化を提案
 
 このほか理学療法士(PT)による訪問看護や、病院併設の訪問看護ステーションの評価、医療機関との連携、専門看護師による同行訪問の対象拡大-などが議題に上った。
 
 訪問看護に従事するPTは増加傾向にあり、2016年度改定の結果検証調査によると、訪問看護でリハビリテーションを受けた利用者のうち、PT主体でケア提供された利用者割合は4割を超える。しかしながら、看護職とPTとの協働は十分とは言い難いのが実情で、主たるケア提供者がPTなどのリハビリ職で、看護職が訪問看護を行う日がない利用者は全体の23.5%に達する(参照)。このため厚労省は、PTのみが訪問する利用者についても、訪問看護の計画や評価などに看護職員が関与するなど、看護職員の参画を必須とすることを論点に位置づけた(参照)
 
 病院併設の訪問看護ステーションについては、平均利用者数や平均訪問回数、緊急訪問の実施、重症利用者の受け入れが、非併設型のステーションに比べて多いことなどから、利用拡大を視野に入れた検討を要請(参照)。医療機関との連携では、訪問看護利用者が入院する際などに訪問看護ステーションから医療機関に行う情報提供の診療報酬上の評価、専門看護師の同行訪問では、人工肛門・人工膀胱(ストーマ)を造設している利用者への対象拡大がそれぞれ提案された(参照)(参照)
 
  厚労省の提案のうち、24時間対応体制に関する評価の一本化と、【複数名訪問看護加算】(看護補助者の場合)の算定回数制限については支払・診療側委員とも賛成し、了承されたが、そのほかの提案では意見が割れた。
 
 
◆ストーマ造設者への専門看護師の同行訪問などを要望 日看協
 
 PTによる訪問看護への看護職の関与について松本純一委員(日本医師会常任理事)は、「あくまで訪問看護の一環として実施すべきであり、訪問看護計画への関与だけでなく、月1回は看護師が同行訪問するようにすべきだ」と指摘。専門看護師の訪問対象拡大や病院併設の訪問看護ステーションの評価については、診療報酬で手当てすべき課題ではないとの認識を示した。
 これに対して菊池令子専門委員(日本看護協会副会長)は、QOL向上の観点からも重要として、ストーマ造設利用者への専門看護師の同行訪問拡大を要請。病院併設の訪問看護ステーションの評価については、「訪問看護ステーション数は増加しているが、地域格差があり、医療資源が限られた地域では病院併設の訪問看護ステーションや病院・医療機関が行う訪問看護が特に必要」と説明し、理解を求めた。

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