[改定速報] 7対1の基準値は30%で決着、実質1.6ポイントの引き上げ
今回のポイント
●中央社会保険医療協議会・総会は1月26日開かれ、急性期病棟の新入院料【急性期一般入院料1】(7対1)の「重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)」の該当患者割合の基準値の「25%以上」から「30%以上」への引き下げを決定。ただし、2018年度診療報酬改定で予定されている看護必要度の見直し後の定義で算出した数字のため、現行定義で算出した場合の「26.6%」に相当し、実質1.6ポイントの引き上げに○【10対1一般病棟入院基本料】に該当する新報酬の【急性期一般入院料4~7】の該当患者割合の基準値と評価の見直しについては、「7対1一般病棟の円滑かつ弾力的な対応を進めることが本旨であることを考えれば、今回改定では見直す必要性は乏しい」との判断
○7対1と新設の中間的評価の基準値は、▽急性期一般入院料1(7対1):30%▽同2(中間的評価):29%▽同3(中間的評価):28%-に決定。入院料4の基準値は現在の【看護必要度加算1】の24%と同水準の27%とし、入院料5、6についても、今後、同加算2、3の18%、12%と同水準の推計値で設定。なお新基準値の30%は、現行の定義で算出した場合の26.6%、選択制で導入される診療実績データ(DPCデータのEF統合ファイル)で算定した場合の25.6%にそれぞれ該当
中央社会保険医療協議会・総会は1月26日開かれ、急性期病棟の新入院料【急性期一般入院料1】(7対1)の「重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)」の該当患者割合の基準値を、現在の「25%以上」から「30%以上」に引き上げることを決めた。ただし、新基準値は、2018年度診療報酬改定で予定されている看護必要度の見直し後の定義で算出した数字。現在の定義で算出した場合の「26.6%」に相当し、実質1.6ポイントの引き上げになる(参照)(参照)。
前回1月24日の総会では、支払側・診療側とも互いの主張を譲らなかったために意見集約には至らず、田辺国昭会長(東京大学大学院法学政治学研究科教授)の指示で、厚生労働省がきょう26日の総会に対応案を提示することになっていた。
だが審議の冒頭、厚労省は「両側の主張には相当な隔たりがあり、事務局が調整案を策定するのは難しいと判断した」と対応案作成を断念したことを報告。引き続いて行われた議論で診療側の松本純一委員(日本医師会常任理事)は、人件費が高騰する中で病院が最も苦慮しているのは看護師の確保であり、経営を維持するため、【7対1一般病棟入院基本料】算定病院は、ぎりぎりの努力で25%以上の基準値を死守していると主張。今回、従来の【10対1一般病棟入院基本料】との収入差のギャップを埋める中間的評価が新設されることで、「基準値の引き上げを行わなくとも、これまで7対1から降りるに降りられなかった病院の背中を押すことになる。基準値を上げて突き落とすようなことは止めていただきたい」などと述べ、改めて基準値の据え置きを要請した。
これを支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「7対1病棟を真に急性期の患者のための病棟にするには、看護必要度の引き上げが必要。支払側の意見に変わりはなく、30%とすることが妥当と考える」と突っぱね、議論を続けても意見集約は困難とみられたことから、田辺会長の提案で公益委員が調整案をまとめることになった。
◆入院料4~6は、【看護必要度加算】の基準値で実質据え置き
休憩を挟んで報告されたまとめ案で公益委員は、【急性期一般入院料1】の該当患者割合の基準値について、「現行の25%(見直し後の定義で約28%)で維持したままでは、7対1一般病棟の医療ニーズに応じた円滑かつ弾力的な対応は進まない恐れがある」とし、「基準値は現行の25%よりも引き上げることが妥当」との見解を表明。一方で【10対1一般病棟入院基本料】に該当する新報酬の【急性期一般入院料4~7】の該当患者割合の基準値と評価の見直しについては、「7対1一般病棟の円滑かつ弾力的な対応を進めることが本旨であることを考えれば、今回改定では見直す必要性は乏しい」との判断を示した(参照)。
その上で7対1と新設の中間的評価の基準値は見直し後の定義で、▽急性期一般入院料1(7対1):30%▽同2(中間的評価):29%▽同3(中間的評価):28%-とすることを提案。各側もこれを了承した。入院料4の基準値は現在の【看護必要度加算1】の24%と同水準の27%とし、入院料5、6についても今後、同加算2、3の18%、12%と同水準の推計値で設定する(参照)。
なお、新基準値の30%は、現行の定義で算出した場合の26.6%、選択制で導入される診療実績データ(DPCデータのEF統合ファイル)で算定した場合の25.6%にそれぞれ該当する(参照)。
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