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2022年度 介護医療院の経営状況について (4 ページ)
出典
公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/231110_No006.pdf |
出典情報 | 2022年度 介護医療院の経営状況について(11/10)《福祉医療機構》 |
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2023-006
ついては、81.9%が「病院の持ち出し」と回答し
赤字施設割合も 42.9%ともっとも高かった。
一方で、2020 年度以前の早期に開設した施設
ていた。併設病院の経営状況によっても当該加
算への取り組みは異なると考えられる。
は、事業利益率がプラス値であり、赤字施設割
今次改定で創設された加算のなかでも科学的
合も低い傾向にあった。この一因として、移行
介護推進体制加算(Ⅱ)の算定率は、2021 年度
当初の過渡期において、移行定着支援加算の算
と比較して 13.0 ポイント上昇していた。また、
定により収益を確保でき、その間に運営体制の
移行定着支援加算が廃止され、療養病床の長期
整備に取り組むことができたことが考えられる。
入院患者の受入を評価するために新設された長
また、サンプル数が少ないため推測の域を出な
期療養生活移行加算については、2022 年度の算
いが、元々の経営状況が移行時期に影響を及ぼ
定率が 17.0%と他の新設加算と比較して低かっ
している可能性があるかもしれない。
た。厚生労働省の調査研究事業3によると、当該
(図表 3)開設年度別
加算の新設により対象となった利用者の受入に
介護医療院の経営状況
事業利益率
対する意識変化について、83.1%が「変化なし」
2022
(n=5)
と回答していた。くわえて、意識の変化がない
理由として、半数の施設が「療養病床から入所
2021
(n=7)
者を受け入れてはいるが、
「1 年以上入院してい
た者」の要件を満たす入所者があまりいない」
40.0%
0.0%
△ 0.6%
2020
(n=37)
ことを挙げており、算定要件のハードルが高い
赤字施設割合
42.9%
4.6%
ことがうかがえる。
2019
(n=36)
1.7%
1.3
2018
(n=21)
2.3%
開設年度別の経営状況
2020 年度を境目として、直近に開設した施設
の経営状況が悪い傾向
2
35.1%
41.7%
33.3%
施設類型別比較
入所利用率の低下によりⅠ型・Ⅱ型ともに
2021 年度より事業利益率が低下
昨年度のレポート4にも記載があるが、今次改
定で廃止された移行定着支援加算は、介護医療
院の経営状況に影響を与えていたものと推察さ
次に、施設類型別の経営状況の推移について、
れる。そのため、今次改定以前と以降に開設し
2021 年度・2022 年度の 2 か年度でデータの揃
た介護医療院では、経営状況に違いがあること
っている同一施設をみていきたい(図表 4)。
も考えられる。そこで、2022 年度の分析対象施
Ⅰ型では、2021 年度から入所利用率および利
設を開設年度別に区分してみたところ、2020 年
用者単価がともに低下した。一方で、従事者 1 人
度を境目として、直近に開設した施設の経営状
当たり人件費が上昇したことで人件費率は 2.0
況が悪い傾向がみられた(図表 3)。とくに、2021
ポイント上昇し、経費率も 1.1 ポイント上昇し
年度に開設した施設の事業利益率は△0.6%と、
た。事業費用の増加に対して、事業収益は入所
直近 5 か年度の開設で唯一のマイナス値であり、 利用率の低下により減少しており、これが事業
3 厚生労働省「令和 3 年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和 3 年度調査)
」
https://www/mhlw.go.jp/content/12300000/000914498.pdf
4 福祉医療機構「2021 年度(令和 3 年度)介護医療院の経営状況について」
https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/220928_No004.pdf
Copyright ⓒ 2023Welfare And Medical Service Agency (WAM). All rights reserved.
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ついては、81.9%が「病院の持ち出し」と回答し
赤字施設割合も 42.9%ともっとも高かった。
一方で、2020 年度以前の早期に開設した施設
ていた。併設病院の経営状況によっても当該加
算への取り組みは異なると考えられる。
は、事業利益率がプラス値であり、赤字施設割
今次改定で創設された加算のなかでも科学的
合も低い傾向にあった。この一因として、移行
介護推進体制加算(Ⅱ)の算定率は、2021 年度
当初の過渡期において、移行定着支援加算の算
と比較して 13.0 ポイント上昇していた。また、
定により収益を確保でき、その間に運営体制の
移行定着支援加算が廃止され、療養病床の長期
整備に取り組むことができたことが考えられる。
入院患者の受入を評価するために新設された長
また、サンプル数が少ないため推測の域を出な
期療養生活移行加算については、2022 年度の算
いが、元々の経営状況が移行時期に影響を及ぼ
定率が 17.0%と他の新設加算と比較して低かっ
している可能性があるかもしれない。
た。厚生労働省の調査研究事業3によると、当該
(図表 3)開設年度別
加算の新設により対象となった利用者の受入に
介護医療院の経営状況
事業利益率
対する意識変化について、83.1%が「変化なし」
2022
(n=5)
と回答していた。くわえて、意識の変化がない
理由として、半数の施設が「療養病床から入所
2021
(n=7)
者を受け入れてはいるが、
「1 年以上入院してい
た者」の要件を満たす入所者があまりいない」
40.0%
0.0%
△ 0.6%
2020
(n=37)
ことを挙げており、算定要件のハードルが高い
赤字施設割合
42.9%
4.6%
ことがうかがえる。
2019
(n=36)
1.7%
1.3
2018
(n=21)
2.3%
開設年度別の経営状況
2020 年度を境目として、直近に開設した施設
の経営状況が悪い傾向
2
35.1%
41.7%
33.3%
施設類型別比較
入所利用率の低下によりⅠ型・Ⅱ型ともに
2021 年度より事業利益率が低下
昨年度のレポート4にも記載があるが、今次改
定で廃止された移行定着支援加算は、介護医療
院の経営状況に影響を与えていたものと推察さ
次に、施設類型別の経営状況の推移について、
れる。そのため、今次改定以前と以降に開設し
2021 年度・2022 年度の 2 か年度でデータの揃
た介護医療院では、経営状況に違いがあること
っている同一施設をみていきたい(図表 4)。
も考えられる。そこで、2022 年度の分析対象施
Ⅰ型では、2021 年度から入所利用率および利
設を開設年度別に区分してみたところ、2020 年
用者単価がともに低下した。一方で、従事者 1 人
度を境目として、直近に開設した施設の経営状
当たり人件費が上昇したことで人件費率は 2.0
況が悪い傾向がみられた(図表 3)。とくに、2021
ポイント上昇し、経費率も 1.1 ポイント上昇し
年度に開設した施設の事業利益率は△0.6%と、
た。事業費用の増加に対して、事業収益は入所
直近 5 か年度の開設で唯一のマイナス値であり、 利用率の低下により減少しており、これが事業
3 厚生労働省「令和 3 年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和 3 年度調査)
」
https://www/mhlw.go.jp/content/12300000/000914498.pdf
4 福祉医療機構「2021 年度(令和 3 年度)介護医療院の経営状況について」
https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/220928_No004.pdf
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