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06 参考資料2 おたふくかぜワクチン接種後の副反応に関する全国調査報告 (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37506.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第23回 1/24)《厚生労働省 |
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EDAIN WING 4.0 佐藤
2024.01.10 11.23.40
Page 2(1)
KyorinWPS/70573−8983/sho01−15/ky389353898310061948
日本小児科学会雑誌
128巻 1 号
92〜104(2024年)
日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会報告
おたふくかぜワクチン接種後の副反応に関する全国調査報告
日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会1),日本医療研究開発機構(AMED)研究班(AMED鈴木班(新興・再興感染症
に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 研究開発課題名:ワクチンで予防可能な疾病のサーベイランス及びワクチン効
果の評価に関する研究)2),AMED菅班(新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 研究開発課題名:ワク
チンの実地使用下における基礎的・臨床的研究及びワクチンの評価・開発に資する研究)3)),国立感染症研究所感染症疫学セ
ンター4),西藤小児科こどもの呼吸器・アレルギークリニック5),川崎医科大学小児科6),国立病院機構三重病院小児科7),JA
静岡厚生連静岡厚生病院小児科8),ゆたかこどもクリニック9),国立感染症研究所品質保証・管理部10),福岡看護大学基礎・基
礎看護部門11),大阪市立総合医療センター小児救急・感染症内科12),沖縄県立中部病院小児科13),千葉大学真菌医学研究セン
ター14),国立成育医療研究センター感染症科15),聖マリアンナ医科大学小児科16),金沢市福祉健康局金沢市保健所17),たかのこ
どもクリニック18),札幌医科大学小児科19),江南厚生病院こども医療センター20),大阪母子医療センター新生児科21),帝京大学
ちば総合医療センター小児科22),産業医科大学小児科23),福島県立医科大学小児科24),国立病院機構高知病院小児科25),福岡市
立こども病院感染症科26),小児科内科三好医院27),藤田医科大学小児科28),金沢大学小児科29),国立がん研究センター中央病院
感染症部30),川崎医療福祉大学31),埼玉医科大学総合医療センター小児科32),長崎大学小児科33),福岡市社会福祉事業団34),
浜松医科大学小児科35),日本大学小児科36),岡山大学小児科37),新潟大学小児科38),神奈川県衛生研究所39)
神谷
元1)2)3)4)
田中 敏博2)8)
木所
稔2)10)
大宜見 力1)15)
富樫 篤生1)19)
細矢 光亮1)24)
和田 泰三1)29)
森内 浩幸1)33)
西藤
中村
岡田
勝田
西村
前田
岩田
宮﨑
成雄2)5)
中野 貴司1)2)3)6)
菅
秀1)2)3)7)
豊2)9)
森野紗衣子2)4)
高梨さやか2)4)
賢司1)2)3)11)
天羽 清子1)12)
荒木かほる1)13)
友博1)16)
越田 理恵1)17)
高野 智子1)18)
直子1)20)
野崎 昌俊1)21)
菱木はるか1)22)
明彦1)25)
水野 由美1)26)
宮崎 雅仁1)27)
敏1)30)
尾内 一信1)31)
是松 聖悟1)32)
千明1)34)
宮入
烈1)35)
森岡 一朗1)36)
齋藤 昭彦1)38)
多屋 馨子1)2)39)
要
奥山
舞2)4)
新井
智2)4)
石和田稔彦1)14)
津川
毅1)19)
保科 隆之1)23)
吉川 哲史1)28)
清水 直樹1)16)
塚原 宏一1)37)
旨
おたふくかぜワクチン接種 8 週間後までの副反応が疑われる症状に関して,原則として,接種医
師を対象に Web にて情報収集を行った.ワクチンの接種期間は,2020 年 1 月 1 日から 2023 年 3
月 31 日までとし,接種の対象は 1 歳以上就学前の小児とした.前向きに 8 週間フォローできた
44,708 例のうち,無菌性髄膜炎発生例は 6 例
(疑い例 2 例を含む)で,頻度は 10 万接種あたり 13.4
であった.頻度は低いものの,急性脳炎,けいれん重積を認めた症例もあった.症状出現時の検体
を収集できた無菌性髄膜炎(疑い例 1 例を含む)3 例について病原体診断を実施したところ,2
例からおたふくかぜワクチン株遺伝子が検出され,うち 1 例からワクチン株ウイルスが分離され
た.頻度の解釈には十分留意する必要があるが,ムンプス罹患後の無菌性髄膜炎の発生頻度に比べ
ると低いものの,1 回目接種後には,頭痛,嘔吐などの髄膜炎を疑う症状が一定の頻度で発生して
いたこと,無菌性髄膜炎 6 例(疑いを含む)のうち 5 例が 1 回接種後に発生していたことから,特
に 1 回目接種を実施する際は,注意が必要である.
背
景
学審議会予防接種・ワクチン分科会の審議過程におい
て「より安全性が期待できるワクチンの承認」が前提
乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン(以下,おたふく
とされてきた.加えて,他のワクチンも含めた接種ス
かぜワクチン)は,多くの海外諸国で子どもたちへの
ケジュールの便宜性(複数の疾患に対する効率的な免
接種が推奨され,わが国でも定期接種化が検討されて
疫の付与)や海外での使用状況を踏まえて,混合ワク
いる.ただし,かつて MMR(乾燥弱毒生麻しんおたふ
チンでの接種が望ましいとされ,新たな MMR ワクチ
くかぜ風しん混合)ワクチン接種後に副反応として無
ンの開発が望まれてきた.しかし,MMR ワクチンの国
菌性髄膜炎が多発したという懸念事項があり,厚生科
内開発には時間を要している.
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日本小児科学会雑誌
128巻 1 号
92〜104(2024年)
日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会報告
おたふくかぜワクチン接種後の副反応に関する全国調査報告
日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会1),日本医療研究開発機構(AMED)研究班(AMED鈴木班(新興・再興感染症
に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 研究開発課題名:ワクチンで予防可能な疾病のサーベイランス及びワクチン効
果の評価に関する研究)2),AMED菅班(新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 研究開発課題名:ワク
チンの実地使用下における基礎的・臨床的研究及びワクチンの評価・開発に資する研究)3)),国立感染症研究所感染症疫学セ
ンター4),西藤小児科こどもの呼吸器・アレルギークリニック5),川崎医科大学小児科6),国立病院機構三重病院小児科7),JA
静岡厚生連静岡厚生病院小児科8),ゆたかこどもクリニック9),国立感染症研究所品質保証・管理部10),福岡看護大学基礎・基
礎看護部門11),大阪市立総合医療センター小児救急・感染症内科12),沖縄県立中部病院小児科13),千葉大学真菌医学研究セン
ター14),国立成育医療研究センター感染症科15),聖マリアンナ医科大学小児科16),金沢市福祉健康局金沢市保健所17),たかのこ
どもクリニック18),札幌医科大学小児科19),江南厚生病院こども医療センター20),大阪母子医療センター新生児科21),帝京大学
ちば総合医療センター小児科22),産業医科大学小児科23),福島県立医科大学小児科24),国立病院機構高知病院小児科25),福岡市
立こども病院感染症科26),小児科内科三好医院27),藤田医科大学小児科28),金沢大学小児科29),国立がん研究センター中央病院
感染症部30),川崎医療福祉大学31),埼玉医科大学総合医療センター小児科32),長崎大学小児科33),福岡市社会福祉事業団34),
浜松医科大学小児科35),日本大学小児科36),岡山大学小児科37),新潟大学小児科38),神奈川県衛生研究所39)
神谷
元1)2)3)4)
田中 敏博2)8)
木所
稔2)10)
大宜見 力1)15)
富樫 篤生1)19)
細矢 光亮1)24)
和田 泰三1)29)
森内 浩幸1)33)
西藤
中村
岡田
勝田
西村
前田
岩田
宮﨑
成雄2)5)
中野 貴司1)2)3)6)
菅
秀1)2)3)7)
豊2)9)
森野紗衣子2)4)
高梨さやか2)4)
賢司1)2)3)11)
天羽 清子1)12)
荒木かほる1)13)
友博1)16)
越田 理恵1)17)
高野 智子1)18)
直子1)20)
野崎 昌俊1)21)
菱木はるか1)22)
明彦1)25)
水野 由美1)26)
宮崎 雅仁1)27)
敏1)30)
尾内 一信1)31)
是松 聖悟1)32)
千明1)34)
宮入
烈1)35)
森岡 一朗1)36)
齋藤 昭彦1)38)
多屋 馨子1)2)39)
要
奥山
舞2)4)
新井
智2)4)
石和田稔彦1)14)
津川
毅1)19)
保科 隆之1)23)
吉川 哲史1)28)
清水 直樹1)16)
塚原 宏一1)37)
旨
おたふくかぜワクチン接種 8 週間後までの副反応が疑われる症状に関して,原則として,接種医
師を対象に Web にて情報収集を行った.ワクチンの接種期間は,2020 年 1 月 1 日から 2023 年 3
月 31 日までとし,接種の対象は 1 歳以上就学前の小児とした.前向きに 8 週間フォローできた
44,708 例のうち,無菌性髄膜炎発生例は 6 例
(疑い例 2 例を含む)で,頻度は 10 万接種あたり 13.4
であった.頻度は低いものの,急性脳炎,けいれん重積を認めた症例もあった.症状出現時の検体
を収集できた無菌性髄膜炎(疑い例 1 例を含む)3 例について病原体診断を実施したところ,2
例からおたふくかぜワクチン株遺伝子が検出され,うち 1 例からワクチン株ウイルスが分離され
た.頻度の解釈には十分留意する必要があるが,ムンプス罹患後の無菌性髄膜炎の発生頻度に比べ
ると低いものの,1 回目接種後には,頭痛,嘔吐などの髄膜炎を疑う症状が一定の頻度で発生して
いたこと,無菌性髄膜炎 6 例(疑いを含む)のうち 5 例が 1 回接種後に発生していたことから,特
に 1 回目接種を実施する際は,注意が必要である.
背
景
学審議会予防接種・ワクチン分科会の審議過程におい
て「より安全性が期待できるワクチンの承認」が前提
乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン(以下,おたふく
とされてきた.加えて,他のワクチンも含めた接種ス
かぜワクチン)は,多くの海外諸国で子どもたちへの
ケジュールの便宜性(複数の疾患に対する効率的な免
接種が推奨され,わが国でも定期接種化が検討されて
疫の付与)や海外での使用状況を踏まえて,混合ワク
いる.ただし,かつて MMR(乾燥弱毒生麻しんおたふ
チンでの接種が望ましいとされ,新たな MMR ワクチ
くかぜ風しん混合)ワクチン接種後に副反応として無
ンの開発が望まれてきた.しかし,MMR ワクチンの国
菌性髄膜炎が多発したという懸念事項があり,厚生科
内開発には時間を要している.