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2022年度 医療法人の経営状況について (6 ページ)
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| 出典情報 | 2022年度 医療法人の経営状況について（1／24）《福祉医療機構》 |
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2023-009
看護職員と介護職員の採用状況
大きな変化はみられない。しかし、看護職員の
離職者数が採用者数を上回っており、退職の
抑制に関する取組みが急務か
新卒採用をしていない医療法人は、2020 年度が
2.2
67.5％であるのに対し、2022 年度は 69.1%にや
や上昇している。その要因として、看護職員の
医療法人全体としては、採用率が離職率を上
離職超過による影響が考えられる。2020 年度は
回っていることが確認できた。それでは、職種
採用者数合計と離職者数合計が、いずれも 12.9
別にはどうなっているのであろうか。前節と同
人で均衡していたが、2021 年度、2022 年度は
様に 3 か年度でデータが揃っている同一法人の
ともに離職者数合計が採用者数合計を上回って
データを用いて、職員数が多い看護職員5と介護
いる。そのため、即戦力として中途採用を求め、
職員6に絞って確認する(図表 5)。
新卒採用をしないという判断をした医療法人が
まず、看護職員は、2022 年度は平均して 13.0
若干増えた可能性がある。
人採用されており、そのうち新卒は 2.6 人、中
次に、介護職員は、2022 年度の新卒採用は 0.5
途は 10.4 人であった。この傾向は、3 か年度で
人に対して、中途は 6.2 人と、看護職員以上に
新卒よりも中途で採用する人数が多い職種であ
（図表 5）医療法人の看護職員・介護職員の採
ることがうかがえる。新卒採用なしの割合も
用者数・離職者数（3 か年度同一法人）
84.0％と高く、介護職員を自法人内で最初から
区分
2020
年度
2021
年度
育てるのは、採用者数からしてもややハードル
2022
年度
が高いものと見受けられる。また、介護職員も
2021 年度、2022 年度ともに離職者数が採用者
n=1,706
12.9
13.0
数を上回っていることが、新卒採用なしの割合
2.6
2.6
10.3
10.4
がやや上昇している要因の１つであると考えら
12.9
看護職員
採用者数合計
人
うち新卒
人
2.6
うち中途
人
10.4
新卒採用なし
％
67.5
67.5
69.1
離職者数合計
れる。
介護職員
人
12.9
13.5
13.5
さらに、看護職員と介護職員の勤続年数別の
うち就職後 1 年未満 人
3.3
3.3
3.2
うち就職後 1 年以上
人
3 年未満
離職者をみると、看護職員は就職後 3 年以上 10
3.3
3.3
3.3
年未満の離職者がもっとも多い。一方、介護職
うち就職後 3 年以上
人
10 年未満
4.2
4.6
4.7
採用者数合計
人
7.3
6.8
6.7
うち新卒
人
0.5
0.5
0.5
すると、介護職員は相対的に就職後 1 年未満の
うち中途
人
6.7
6.2
6.2
離職者の比率が高いといえるだろう。医療法人
新卒採用なし
％
82.0
81.9
84.0
離職者数合計
人
7.1
7.1
7.0
が運営する介護事業所に就職する介護職員は中
うち就職後 1 年未満 人
2.4
2.2
2.0
うち就職後 1 年以上
人
3 年未満
1.7
1.7
1.7
うち就職後 3 年以上
人
10 年未満
2.0
2.1
2.1
員は、就職後 1 年未満と就職後 3 年以上 10 年
未満の離職者が均衡している。看護職員と比較
途採用が多いことから、以前勤めていた職場と
の文化の違いに戸惑うことが多いのかもしれな
い。また、病院や診療所と比べると、通所介護や
訪問介護といった介護事業の事業所数は増加し
ており、介護職員の活躍の場はますます広がっ
ている。そのため、早く見切りをつけて次の職
5 看護師、准看護師、看護補助者、保健師、助産師
6 介護保険の指定介護事業所で働き直接介護を行う者
Copyright ⓒ 2024Welfare And Medical Service Agency (WAM). All rights reserved.
6
看護職員と介護職員の採用状況
大きな変化はみられない。しかし、看護職員の
離職者数が採用者数を上回っており、退職の
抑制に関する取組みが急務か
新卒採用をしていない医療法人は、2020 年度が
2.2
67.5％であるのに対し、2022 年度は 69.1%にや
や上昇している。その要因として、看護職員の
医療法人全体としては、採用率が離職率を上
離職超過による影響が考えられる。2020 年度は
回っていることが確認できた。それでは、職種
採用者数合計と離職者数合計が、いずれも 12.9
別にはどうなっているのであろうか。前節と同
人で均衡していたが、2021 年度、2022 年度は
様に 3 か年度でデータが揃っている同一法人の
ともに離職者数合計が採用者数合計を上回って
データを用いて、職員数が多い看護職員5と介護
いる。そのため、即戦力として中途採用を求め、
職員6に絞って確認する(図表 5)。
新卒採用をしないという判断をした医療法人が
まず、看護職員は、2022 年度は平均して 13.0
若干増えた可能性がある。
人採用されており、そのうち新卒は 2.6 人、中
次に、介護職員は、2022 年度の新卒採用は 0.5
途は 10.4 人であった。この傾向は、3 か年度で
人に対して、中途は 6.2 人と、看護職員以上に
新卒よりも中途で採用する人数が多い職種であ
（図表 5）医療法人の看護職員・介護職員の採
ることがうかがえる。新卒採用なしの割合も
用者数・離職者数（3 か年度同一法人）
84.0％と高く、介護職員を自法人内で最初から
区分
2020
年度
2021
年度
育てるのは、採用者数からしてもややハードル
2022
年度
が高いものと見受けられる。また、介護職員も
2021 年度、2022 年度ともに離職者数が採用者
n=1,706
12.9
13.0
数を上回っていることが、新卒採用なしの割合
2.6
2.6
10.3
10.4
がやや上昇している要因の１つであると考えら
12.9
看護職員
採用者数合計
人
うち新卒
人
2.6
うち中途
人
10.4
新卒採用なし
％
67.5
67.5
69.1
離職者数合計
れる。
介護職員
人
12.9
13.5
13.5
さらに、看護職員と介護職員の勤続年数別の
うち就職後 1 年未満 人
3.3
3.3
3.2
うち就職後 1 年以上
人
3 年未満
離職者をみると、看護職員は就職後 3 年以上 10
3.3
3.3
3.3
年未満の離職者がもっとも多い。一方、介護職
うち就職後 3 年以上
人
10 年未満
4.2
4.6
4.7
採用者数合計
人
7.3
6.8
6.7
うち新卒
人
0.5
0.5
0.5
すると、介護職員は相対的に就職後 1 年未満の
うち中途
人
6.7
6.2
6.2
離職者の比率が高いといえるだろう。医療法人
新卒採用なし
％
82.0
81.9
84.0
離職者数合計
人
7.1
7.1
7.0
が運営する介護事業所に就職する介護職員は中
うち就職後 1 年未満 人
2.4
2.2
2.0
うち就職後 1 年以上
人
3 年未満
1.7
1.7
1.7
うち就職後 3 年以上
人
10 年未満
2.0
2.1
2.1
員は、就職後 1 年未満と就職後 3 年以上 10 年
未満の離職者が均衡している。看護職員と比較
途採用が多いことから、以前勤めていた職場と
の文化の違いに戸惑うことが多いのかもしれな
い。また、病院や診療所と比べると、通所介護や
訪問介護といった介護事業の事業所数は増加し
ており、介護職員の活躍の場はますます広がっ
ている。そのため、早く見切りをつけて次の職
5 看護師、准看護師、看護補助者、保健師、助産師
6 介護保険の指定介護事業所で働き直接介護を行う者
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