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2022年度 特別養護老人ホームの経営状況について (9 ページ)

公開元URL https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r5/
出典情報 2022年度 特別養護老人ホームの経営状況について(2/7)《福祉医療機構》
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2023-010

中・小規模特養の赤字施設においては、収益

利用率の低下にくわえて、昨今の物価高騰を

を増やすこと、費用を削減・抑制することが重

受けて水道光熱費が増加し、経営面で大きな影

要となる。当機構では、経営が良好な地域密着

響を与えた。また、定員規模の小さい施設ほど

型特養に対して、経営を安定化させるためにど

経営状況は厳しく、赤字施設割合が高いことが

のような取組みを行っているのかをヒアリング

確認できた。赤字施設が黒字転換するためには、

し、レポートとして取りまとめているので、ぜ

当然ではあるが、収益増加や費用削減が必要不

ひ参照されたい2。

可欠である。収益を増やすためには、利用率や

経営良好先の取組み内容を一部紹介すると、

利用者単価の上昇を目指すことが重要となって

ある施設においては、収益を増やすために利用

くる。近年では、サービス付き高齢者向け住宅

率の向上や維持を目指していた。その際、自施

や有料老人ホームなど、競合施設が増加しつつ

設の入所者に入所理由を調査し、ニーズを把握

ある。そのような中、どのように他施設との差

したうえで他施設との違いをアピールするなど

別化を図っていくかが、利用率や利用者単価の

の取組みが挙げられた。

上昇へとつなげるカギになるだろう。

また、別の施設においては、費用を削減・抑制

2024 年度の介護報酬改定は+1.59%となる

するために委託業務の契約切り替えや価格の見

ことが決定し3、さらに、医療と介護の連携を推

直しを行っていた。さらに、毎月の運営状況を

進する観点から配置医師緊急時対応加算の見直

把握し数値で管理することで、問題の「見える

しが図られるなど、特養を取り巻く環境は変化

化」を図り、経営改善につなげていた。

している。そのため、今後の政策動向や施設の
経営状況には引き続き注視していく必要がある

おわりに

といえるだろう。

2022 年度の特養の経営状況は、2021 年度よ

本稿がこれからの施設運営をお考えいただく

りサービス活動増減差額比率が低下し、赤字施

うえで、参考となれば幸いである。また、多忙の

設割合が拡大した。とくに従来型は全体の半数

なか、2022 年度決算に係る事業報告書の提出

近くが赤字となっており、経営状況がかなり厳

にご協力いただいた皆さまに感謝を申し上げる。

しいことがうかがえる。

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独立行政法人福祉医療機構

経営サポートセンター

リサーチグループ

TEL:03-3438-9932

2 福祉医療機構「地域密着型特別養護老人ホームの経営良好先の取組み事例」

https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/221031_No005.pdf
3 厚生労働省「第 237 回社会保障審議会介護給付費分科会」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001184569.pdf

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