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ライフサイエンスDBの在り方について (4 ページ)

公開元URL https://www.lifescience.mext.go.jp/2024/02/112060221.html
出典情報 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会 (第112回 2/16)《文部科学省》
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ライフサイエンスDBの在り方について③ ー課題ー
2.ライフサイエンスDBにおける課題
事業開始から10年が経過し、ライフサイエンスDBの現状を改めて振り返ると、以下の課題がある。

(1) DBの安定的な維持・管理
大学等による組織的な支援が確立されていない現状において、JSTのNBDC事業推進部のファンディングが途絶える
と、国際的な地位を確立している多くのDBを財源不足等により運営できなくなる可能性が高く、安定的に運営できる
DB整備からは程遠い現状。特に長期的に実績のあるDBを維持・管理できなくなると、日本の国際的なプレゼンス低下
にも繋がる可能性があり、研究基盤として維持・管理できる体制や方策が必要。一方で新しい分野のDBの開発は、研
究コミュニティのニーズに応じて発展するものなので、競争的な支援が望ましいと考えられる。

(2)DBの統合化
多様な関連データを整理し統合するためにRDF化を推進してきたが、開発段階の途上にあり、いくつかの課題が存
在している。特に、複雑に繋がったデータを利用するインターフェースにはまだ課題が残っており、ライフサイエン
ス研究者では活用しにくい現状を改善する必要がある。
急速に発展するAI技術や大規模言語モデルを活用するなど、新たなデータ統合検索技術を開発し、ライフサイエン
ス研究者がより統合的にデータを活用できる仕組みを構築することが急務。また、RDF化されたデータをどのように
利活用していくかの視点も重要。
今後のライフサイエンスの研究動向を考慮すると、核酸、タンパク質、代謝、細胞、組織、疾患等の各階層データ
を整理・関連付けて(統合的に)検索・解析できるツールが益々重要。

(3)人材育成
研究基盤としてDBの活用が必須の中で、アカデミアにおけるキャリアパスの未確立や任期付き雇用等により、民間
企業へ人材が流出しており、DBの開発・維持・管理やキュレーションを担う研究者の人材が不足。
DBを利活用・発展させ、ライフサイエンス研究における国際競争力を維持するためには、生命科学と情報科学の両
分野における知識が必要なバイオインフォマティクス研究者の人材育成が急務。
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