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ライフサイエンスDBの在り方について (7 ページ)
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公開元URL | https://www.lifescience.mext.go.jp/2024/02/112060221.html |
出典情報 | 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会 (第112回 2/16)《文部科学省》 |
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統合化推進プログラムの成果例
PDBj
•
•
参考
ChIP-Atlas
PDBjは、米国や欧州の研究機関と連携し、タンパク質立体
構造の世界標準データレポジトリ(PDB)を運営している。
そして、PDBjはアジアオセアニア地区の担当として、世界全体
で約20万件あるデータのうち、24%を登録・公開してきた。
製薬企業が、PDBjに登録されたタンパク質の構造情報を
用いて、新型コロナウイルス感染症の新規経口治療薬を創
製することに成功し、厚生労働省に承認された。
<研究開発のポイント>
酵素は、タンパク質の立体構造に特異的な化合物等が結合することで活性が
変化する。 Structure-Based Drug Design(SBDD)は、タンパク質立体
構造情報を活用し、タンパク質の不活性化に必要な特異的化合物を設計する
技術、新たな医薬品の候補となる化合物を効率的にスクリーニングできる。
PDBにはSBDDに必須の正確なタンパク質立体構造情報が膨大に登録され
ており、創薬研究への活用が劇的に進んでいる。
製薬企業において、新型コロナウイルスが自己複製する際に重要となる、酵素
の活性部位に結合する化合物の創製を行う前段階として、SBDDによるスクリー
ニングを実施し、早期の新規化合物創製に成功した。
•
ChIP-Atlasは、ヒト・マウス・ラット・ハエ・線虫・酵母の公開さ
れているほぼ全てのエピゲノミクスデータ(※1)を再解析し、
比較解析可能な形で公開しているデータベース。
※1 エピゲノムとは、遺伝子に付加されたメチル化等の情報を指し、エピゲノミ
クスとは、遺伝子配列を変えることなくエピゲノムにより遺伝子の働きを制御す
る仕組みを研究することをいう。
•
•
ChIP-Atlasを使ってヒト疾患や生体機能に関係する遺伝
子の発現制御メカニズムの解明が可能になり、様々な研究
へ貢献している。
京都大学と理研は、ChIP-Atlasのデータを使って解析し、心
房細動に強く関与していると思われる因子(ESRRG)を発
見した。この仮説に基づき、iPS細胞から作製した心筋細胞を
使って検証実験を行い、心筋細胞においてその因子が心房細
動の発症に決定的に関与していることを証明した。
<研究開発のポイント>
GWASデータ(※2)とChIP-Atlas解析により疾患の発症メカニズムを予測
し、その仮説を検証実験で証明した。
※2 特定の疾患や体質などと関連する遺伝的な特徴を見つけ出すために行われる手
法。多数の人々のゲノム情報を集めて網羅的に解析することで、一塩基多型(SNP)
という遺伝情報のわずかな違いを探し出し、疾患や体質に関連する因子を特定できる。
PDBを活用して新たに創製した、新型コロナ
ウイルスの経口治療薬:化合物S-217622
新型コロナウイルスの
タンパク質複合体
Yamamoto, S.,Yamane, J.,Tachibana, Y. (2021) doi: 10.2210/pdb7vu6/pdb
Unoh,Y et al. (2022) J Med Chem. 65(9):6499-6512 doi: 10.1021/acs.jmedchem.2c00117.
Oki, S., Ohta, T. (2015): ChIP-Atlas. https://chip-atlas.org
Miyazawa, K. et al. (2023) Nat Genet. 55(2):187-197. doi: 10.1038/s41588-022-01284-9.
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PDBj
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参考
ChIP-Atlas
PDBjは、米国や欧州の研究機関と連携し、タンパク質立体
構造の世界標準データレポジトリ(PDB)を運営している。
そして、PDBjはアジアオセアニア地区の担当として、世界全体
で約20万件あるデータのうち、24%を登録・公開してきた。
製薬企業が、PDBjに登録されたタンパク質の構造情報を
用いて、新型コロナウイルス感染症の新規経口治療薬を創
製することに成功し、厚生労働省に承認された。
<研究開発のポイント>
酵素は、タンパク質の立体構造に特異的な化合物等が結合することで活性が
変化する。 Structure-Based Drug Design(SBDD)は、タンパク質立体
構造情報を活用し、タンパク質の不活性化に必要な特異的化合物を設計する
技術、新たな医薬品の候補となる化合物を効率的にスクリーニングできる。
PDBにはSBDDに必須の正確なタンパク質立体構造情報が膨大に登録され
ており、創薬研究への活用が劇的に進んでいる。
製薬企業において、新型コロナウイルスが自己複製する際に重要となる、酵素
の活性部位に結合する化合物の創製を行う前段階として、SBDDによるスクリー
ニングを実施し、早期の新規化合物創製に成功した。
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ChIP-Atlasは、ヒト・マウス・ラット・ハエ・線虫・酵母の公開さ
れているほぼ全てのエピゲノミクスデータ(※1)を再解析し、
比較解析可能な形で公開しているデータベース。
※1 エピゲノムとは、遺伝子に付加されたメチル化等の情報を指し、エピゲノミ
クスとは、遺伝子配列を変えることなくエピゲノムにより遺伝子の働きを制御す
る仕組みを研究することをいう。
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ChIP-Atlasを使ってヒト疾患や生体機能に関係する遺伝
子の発現制御メカニズムの解明が可能になり、様々な研究
へ貢献している。
京都大学と理研は、ChIP-Atlasのデータを使って解析し、心
房細動に強く関与していると思われる因子(ESRRG)を発
見した。この仮説に基づき、iPS細胞から作製した心筋細胞を
使って検証実験を行い、心筋細胞においてその因子が心房細
動の発症に決定的に関与していることを証明した。
<研究開発のポイント>
GWASデータ(※2)とChIP-Atlas解析により疾患の発症メカニズムを予測
し、その仮説を検証実験で証明した。
※2 特定の疾患や体質などと関連する遺伝的な特徴を見つけ出すために行われる手
法。多数の人々のゲノム情報を集めて網羅的に解析することで、一塩基多型(SNP)
という遺伝情報のわずかな違いを探し出し、疾患や体質に関連する因子を特定できる。
PDBを活用して新たに創製した、新型コロナ
ウイルスの経口治療薬:化合物S-217622
新型コロナウイルスの
タンパク質複合体
Yamamoto, S.,Yamane, J.,Tachibana, Y. (2021) doi: 10.2210/pdb7vu6/pdb
Unoh,Y et al. (2022) J Med Chem. 65(9):6499-6512 doi: 10.1021/acs.jmedchem.2c00117.
Oki, S., Ohta, T. (2015): ChIP-Atlas. https://chip-atlas.org
Miyazawa, K. et al. (2023) Nat Genet. 55(2):187-197. doi: 10.1038/s41588-022-01284-9.
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