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【資料5-1~2】ツロブテロール[1.9MB] (12 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41758.html
出典情報 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(第28回 7/26)《厚生労働省》
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単回経皮投与時の薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL)

Tmax(hr)

AUC0~28(ng・hr/mL)

1.33±0.21

14.0±2.0

27.06±4.24

対象

(平均±標準誤差)

成人

16.3 分布
16.3.1 組織内分布
成熟及び幼若ラットに14C-ツロブテロールテープ10mg/kgを24時間経皮投与
したとき、肝臓、腎臓、消化管等の大部分の組織で血液よりも高い放射能分
布が認められた。また、標的部位と考えられる気管及び肺への移行が確認さ

小児

疾患名

改善率(%)
中等度改善以上

軽度改善以上

急性気管支炎

63.0(29/46例)

91.3(42/46例)

慢性気管支炎

44.8(26/58例)

79.3(46/58例)

肺気腫

44.4(36/81例)

67.9(55/81例)

急性気管支炎

77.1(64/83例)

89.2(74/83例)

18. 薬効薬理
18.1 作用機序
気管支平滑筋のβ2受容体に作用し、β2受容体と密接に関係のある酵素adenyl

れた。各組織からの消失は血液中濃度推移と同様であった。さらに、組織内

cyclaseを賦活化する。それにより細胞内のATPがcyclic AMPに変化し、気

濃度推移は成熟及び幼若でほぼ同様であった5,6)。

管支拡張作用を示す。

16.3.2 血清蛋白結合率

18.2 肺機能改善作用

ヒト血清での血清蛋白結合率は28.1%であった7)(in vitro )。

18.2.1 成人

16.4 代謝

気管支喘息患者(成人)に本剤2mgを就寝前に4週間経皮投与した試験におい

健康成人にツロブテロールテープ(4mg)を24時間単回経皮投与したとき、

て、起床時及び就寝前のPEF値は使用前に比べ有意な上昇を示し、肺機能改

尿中にはツロブテロール、3-hydroxy体、4-hydroxy体及び5-hydroxy体とそ
れらの抱合体及び4-hydroxy-5-methoxy体の抱合体が主に排泄された。この
中でツロブテロールの排泄率が最も大きかった8)。

善効果が認められた10)。
18.2.2 小児
気管支喘息小児患者(年齢6ヵ月~15歳)に本剤0.5mg、1mg又は2mgを就寝

注)本剤の承認された成人の1回用量は2mgである。

前に2週間経皮投与した試験において、起床時及び就寝前のPEF値は使用前

16.5 排泄
健康成人に本剤2mgを24時間単回経皮投与したときの尿中排泄率は使用後3日
間まででツロブテロールが5.39%であった1,9)。

に比べ有意な上昇を示し、肺機能改善効果が認められた12)。
18.3 気管支拡張作用
イヌ及びモルモットに本剤を経皮投与するとヒスタミンによる気道狭窄が持

17. 臨床成績

続的に抑制された17)。

17.1 有効性及び安全性に関する試験

18.4 気管筋に対する作用選択性

〈気管支喘息〉

イヌに本剤を経皮投与すると心拍数に影響することなく気道狭窄抑制作用を

17.1.1 国内後期第Ⅱ相試験

示した。また、ツロブテロールは気管筋弛緩作用及び心房興奮作用を示すが、

(1)成人

その気管筋に対する作用選択性(β2受容体に対する選択性)はイソプロテレ

気管支喘息患者189例を対象とした本剤2mg/日貼付群、3mg/日貼付群及びツ

ノール、サルブタモール、プロカテロール、フェノテロールに比し高いこと

ロブテロール錠(2mg/日)服用群の3群による二重盲検比較試験における投
与4週後の最終全般改善度について、
「中等度改善」以上を示した有効率はそ
れぞれ55.1%、51.9%、33.3%であり、
「軽度改善」以上を示した有効率はそ

が認められた17)(in vitro )。
18.5 気管繊毛運動促進作用及び鎮咳作用
ツロブテロール塩酸塩は気管繊毛運動促進作用(ハト)及び鎮咳作用(イヌ)

れぞれ83.7%、78.8%、66.7%であった。
副作用発現率は、2mg/日貼付群16.1%(10/62例)、3mg/日貼付群20.0%(13/65
例)、ツロブテロール錠(2mg/日)服用群19.7%(12/61例)であった。本剤
貼付群で発現した事象は、2mg/日貼付群で振戦4.8%(3/62例)、頭痛、しび
れ感がそれぞれ1.6%(1/62例)、かぶれ4.8%(3/62例)、そう痒感3.2%(2/62
例)、3mg/日貼付群で動悸、振戦がそれぞれ4.6%(3/65例)、頭痛、こむら返り、
倦怠感、不眠、吐き気、下痢、発疹はそれぞれ1.5%(1/65例)、そう痒感7.7%
(5/65例)、かぶれ4.6%(3/65例)、発赤1.5%(1/65例)であった10)。

を示した18)。
19. 有効成分に関する理化学的知見
一般的名称:ツロブテロール(Tulobuterol)
化学名:(1RS )-1-(2-Chlorophenyl)-2-(1,1-dimethylethyl)
aminoethanol
分子式:C12H18ClNO
分子量:227.73
性状:白色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノールに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)又は酢酸(100)に溶

注)本剤の承認された成人の1回用量は2mgである。

けやすく、水にほとんど溶けない。

17.1.2 国内第Ⅲ相比較試験

0.1mol/L塩酸試液に溶ける。

(1)成人

40℃で徐々に昇華する。

気管支喘息患者171例を対象とした本剤2mg/日貼付群並びにプロカテロール
塩酸塩水和物製剤(50μg/回、1日2回)服用群の2群による二重盲検比較試
験における投与4週後の最終全般改善度について、「中等度改善」以上を示し

メタノール溶液(1→20)は旋光性を示さない。
化学構造式:

た有効率はそれぞれ52.1%、32.5%であり、
「軽度改善」以上を示した有効率
はそれぞれ69.9%、66.2%であった。
副作用発現率は、本剤貼付群で9.6%(8/83例)であった。発現した事象は、動悸、
振戦がそれぞれ2.4%(2/83例)、倦怠感、悪心、吐き気がそれぞれ1.2%(1/83
例)、そう痒感、かぶれがそれぞれ2.4%(2/83例)であった11)。

融点:90~93℃

(2)小児
小児気管支喘息患者165例を対象とした本剤0.5mg、1mg若しくは2mg/日貼
付群並びにツロブテロール塩酸塩ドライシロップ製剤(0.25mg、0.5mg若し
くは1.0mg/回、1日2回)服用群の2群による二重盲検比較試験における投与
2週後の最終全般改善度について、「中等度改善」以上を示した有効率は本剤
貼付群72.9%、ツロブテロール塩酸塩ドライシロップ製剤投与群69.1%であ
り、
「軽度改善」以上を示した有効率は本剤貼付群90.0%、ツロブテロール塩

22. 包装
〈ホクナリンテープ0.5mg〉
70枚(1枚×70)、350枚(1枚×350)
〈ホクナリンテープ1mg〉
70枚(1枚×70)、350枚(1枚×350)
〈ホクナリンテープ2mg〉
70枚(1枚×70)、350枚(1枚×350)

酸塩ドライシロップ製剤投与群88.2%であった。
副作用発現率は、本剤貼付群で7.5%(6/80例)であった。発現した事象は、そ
う痒感5.0%(4/80例)
、発赤、かぶれがそれぞれ2.5%(2/80例)であった12)。
注)本剤の承認された小児の1回用量は0.5~3才未満には0.5mg、3~9才未満
には1mg、9才以上には2mgである。

23. 主要文献
1) Uematsu T,et al.:Eur J Clin Pharmacol. 1993;44:361-364
2) 社内資料:経皮吸収型気管支拡張剤HN-078の貼付部位に関する検討試験
(承認年月日:1998.9.30)

〈急性気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫〉

3) 社内資料:経皮吸収型気管支拡張剤HN-078の臨床第I相試験(血中濃度)
(承

17.1.3 国内一般臨床試験
承認時における有効性評価の臨床成績は以下のとおりであった13~16)。

認年月日:1998.9.30)
4) 飯倉洋治ほか:医療. 1994;48(3):190-195
5) 村田光夫ほか:薬物動態. 1996;11(6):634-641
6) 村田光夫ほか:薬物動態. 1996;11(6):614-626
7) 社内資料:ヒトにおける蛋白結合率(承認年月日:1998.9.30、申請資料

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概要IX.6)