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参考資料1-4 浜口班の議論における参考資料(令和3年12月21日開催) (9 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24719.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会安全技術調査会(令和3年度第6回 3/29)《厚生労働省》 |
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20211221
日本赤十字社 血液事業本部
加えて、当該ワクチン接種後のワクチン誘発性免疫性血栓性血小板減少症(Vaccine
induced immune thrombocytopenia and thrombosis: VITT)の発症症例に関する英国から
の報告[New England Journal of Medicine (NEJM)]によれば、接種後6週間までに(き
わめて稀ではあるが、接種後6週間以降 48 日目までに症状が顕在化する症例もある)
、
血栓塞栓症の存在を示唆する自覚症状(重度で持続する頭痛、視覚異常、下肢痛、下肢膨
張、腹痛、点状出血等)が生じると考えられるが、そのような健康状態で献血会場に来場
する可能性は少なく、仮に来場したとしても、問診時の確認により、採血対象者から除外
される。
さらに、血液製剤の安全性への影響については、VITT を発症した人が献血し、献血血
液(血液製剤)中に抗血小板第 4 因子(platelet factor 4: PF4)抗体が含まれ、強い活性
を有している場合、受血者に対して血小板、単球、血管内皮などの活性化やそれに伴う血
小板減少や血栓塞栓症を引き起こす可能性は、理論的に完全には否定できない。
特に、
「VITT を起こしているが気づいていない人(無症候患者など)
」については、献
血協力時に自覚症状がないことから、問診時の確認によって採血対象者から除外するこ
とは困難であり、当該献血者の持つ抗 PF4 抗体の血小板活性化能は、献血者において症
状が顕在化するに至るほど強くないと推定されるものの、献血者の血中に存在する抗 PF
4抗体の血小板活性化能が、受血者の健康(血液製剤の安全性)に影響を与える可能性は
完全には否定できない。
VITT の病因となる抗 PF4 抗体の血小板活性化能については、当該ワクチン接種後4
日目から強くなり、2~3週間でピークを迎え(したがって、ワクチン接種後4日から 3
週間程度が VITT の好発時期となる)
、その後減退し、約 12 週間後には消失すると推定
される。VITT の発症は接種後 30 日程度までの報告が多く、その頃までは患者の持つ抗
PF4 抗体の血小板活性化能は、患者に症状が顕在化し得るほどの強さを持続しているも
のと考えられる。よって、VITT 発症に係る免疫学的機序、無症候者に対する問診の限界
及びそれらに基づく受血者の健康(血液製剤の安全性)への影響等を総合的に勘案し、よ
り献血者ならびに血液製剤の安全性を重視した場合、当該ワクチンの接種者については、
接種後6週間程度は採血制限期間を設ける必要があると考える。
なお、抗 PF4 抗体を生成する B-cell は健常時から各人が有しており、ワクチン接種や
炎症等により免疫寛容が解除され、ワクチン接種者のある一定頻度(数%)に抗 PF4 抗
体が生成されてしまうことから、スクリーニング検査に実効性はないとの指摘がある。
留意項目
具体的な留意事項
判断材料
血液製剤
血液製剤中の抗 PF4抗体が受血
当該ワクチン接種後6週間程度以上経過
の安全性
者に引き起こす血小板減少や血
していない場合、献血者が持つ抗 PF4抗
栓塞栓症
体の血小板活性化能が一定の活性を有し
ている可能性は完全には否定できない(た
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日本赤十字社 血液事業本部
加えて、当該ワクチン接種後のワクチン誘発性免疫性血栓性血小板減少症(Vaccine
induced immune thrombocytopenia and thrombosis: VITT)の発症症例に関する英国から
の報告[New England Journal of Medicine (NEJM)]によれば、接種後6週間までに(き
わめて稀ではあるが、接種後6週間以降 48 日目までに症状が顕在化する症例もある)
、
血栓塞栓症の存在を示唆する自覚症状(重度で持続する頭痛、視覚異常、下肢痛、下肢膨
張、腹痛、点状出血等)が生じると考えられるが、そのような健康状態で献血会場に来場
する可能性は少なく、仮に来場したとしても、問診時の確認により、採血対象者から除外
される。
さらに、血液製剤の安全性への影響については、VITT を発症した人が献血し、献血血
液(血液製剤)中に抗血小板第 4 因子(platelet factor 4: PF4)抗体が含まれ、強い活性
を有している場合、受血者に対して血小板、単球、血管内皮などの活性化やそれに伴う血
小板減少や血栓塞栓症を引き起こす可能性は、理論的に完全には否定できない。
特に、
「VITT を起こしているが気づいていない人(無症候患者など)
」については、献
血協力時に自覚症状がないことから、問診時の確認によって採血対象者から除外するこ
とは困難であり、当該献血者の持つ抗 PF4 抗体の血小板活性化能は、献血者において症
状が顕在化するに至るほど強くないと推定されるものの、献血者の血中に存在する抗 PF
4抗体の血小板活性化能が、受血者の健康(血液製剤の安全性)に影響を与える可能性は
完全には否定できない。
VITT の病因となる抗 PF4 抗体の血小板活性化能については、当該ワクチン接種後4
日目から強くなり、2~3週間でピークを迎え(したがって、ワクチン接種後4日から 3
週間程度が VITT の好発時期となる)
、その後減退し、約 12 週間後には消失すると推定
される。VITT の発症は接種後 30 日程度までの報告が多く、その頃までは患者の持つ抗
PF4 抗体の血小板活性化能は、患者に症状が顕在化し得るほどの強さを持続しているも
のと考えられる。よって、VITT 発症に係る免疫学的機序、無症候者に対する問診の限界
及びそれらに基づく受血者の健康(血液製剤の安全性)への影響等を総合的に勘案し、よ
り献血者ならびに血液製剤の安全性を重視した場合、当該ワクチンの接種者については、
接種後6週間程度は採血制限期間を設ける必要があると考える。
なお、抗 PF4 抗体を生成する B-cell は健常時から各人が有しており、ワクチン接種や
炎症等により免疫寛容が解除され、ワクチン接種者のある一定頻度(数%)に抗 PF4 抗
体が生成されてしまうことから、スクリーニング検査に実効性はないとの指摘がある。
留意項目
具体的な留意事項
判断材料
血液製剤
血液製剤中の抗 PF4抗体が受血
当該ワクチン接種後6週間程度以上経過
の安全性
者に引き起こす血小板減少や血
していない場合、献血者が持つ抗 PF4抗
栓塞栓症
体の血小板活性化能が一定の活性を有し
ている可能性は完全には否定できない(た
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