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議題3 参考資料5(先-5) (5 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42187.html |
出典情報 | 先進医療会議(第134回 8/8)《厚生労働省》 |
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先進医療会議事前評価構成員からの指摘事項に対する回答1
先進医療技術名:子宮内膜受容能検査(ERA)
令和4年2月1日
所属・氏名:京野アートクリニック高輪
京野 廣一
以下の点について検討し,必要に応じて関連書類についても修正してください.
1. ①届出書の p10 に「今回の研究では、ERA を実施し、Receptive 群と Non-Receptive
群とで分けて、比較検討する。」とあります。治療については、p8 に「Receptive の場合に
は、着床の時期は最適であることになるため、P+5 の時期に良好胚を移植する、Non
Receptive と出た場合は、最適な移植時期を検査結果から算出し、黄体ホルモンの開始
時期を調整し、最適なタイミングで良好胚を移植します。」と記載されているため、ERA の
結果が、Receptive の場合でも Non Receptive の場合でも、最適なタイミングで良好胚を
移植する治療が行われると理解できます。この場合 Receptive 群と Non Receptive 群で
妊娠率等を比較しても差がでないのではないかと思うのですが、そうではないのでしょう
か。
【回答】
体外受精を実施する症例の中には、良好胚を移植しても繰返し、妊娠反応が得られな
い症例が存在します。その 25%には、着床の時期が一般とは異なり、前後にずれるとい
う「着床の窓」のズレがあることが報告されています。
この着床の窓を調べる検査が ERA であり、これまで発表されている論文では、例え
ば Simon C らが 2020 年に報告した例があります(SimonC,RBM online,2020, 41:402415.)。
この研究では、初めて胚盤胞移植を行う 458 名の 37 歳以下の患者に対して、
①ERA を実施して着床ウィンドウを調整してから凍結胚移植を実施したグループ
②ERA を実施せずに凍結胚移植を実施したグループ
③ERA を実施せずに新鮮胚移植を実施したグループ
に分けて、治療を実施し解析したところ、妊娠率は
① 72.5%(58/80)、②54.3%(50/92)、③58.5%(55/94)となり、
ERA を実施したグループで良好な結果が得られました。出産率についても、
① 56.2%(45/80)、②42.4%(39/92)、③45.7%(43/94)と
ERA を実施したグループで良好な結果が得られたと報告されています。
今後の保険適用に向けては、国内でのエビデンス創出に向けた前向き研究を行い、
ERA の有用性を確認する必要があると考え、本試験では ERA 検査の結果に基づいて行っ
た直近の胚移植の成績を評価する、という研究計画を立てております。
検査結果に関わらず、移植時期を調整しなければ、Receptive 群の方が、NonReceptive 群に比べて胚移植あたりの妊娠率が高くなることが予想されますが、NonReceptive 群の黄体ホルモン投与タイミングや胚移植のタイミングを調整することで
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先進医療技術名:子宮内膜受容能検査(ERA)
令和4年2月1日
所属・氏名:京野アートクリニック高輪
京野 廣一
以下の点について検討し,必要に応じて関連書類についても修正してください.
1. ①届出書の p10 に「今回の研究では、ERA を実施し、Receptive 群と Non-Receptive
群とで分けて、比較検討する。」とあります。治療については、p8 に「Receptive の場合に
は、着床の時期は最適であることになるため、P+5 の時期に良好胚を移植する、Non
Receptive と出た場合は、最適な移植時期を検査結果から算出し、黄体ホルモンの開始
時期を調整し、最適なタイミングで良好胚を移植します。」と記載されているため、ERA の
結果が、Receptive の場合でも Non Receptive の場合でも、最適なタイミングで良好胚を
移植する治療が行われると理解できます。この場合 Receptive 群と Non Receptive 群で
妊娠率等を比較しても差がでないのではないかと思うのですが、そうではないのでしょう
か。
【回答】
体外受精を実施する症例の中には、良好胚を移植しても繰返し、妊娠反応が得られな
い症例が存在します。その 25%には、着床の時期が一般とは異なり、前後にずれるとい
う「着床の窓」のズレがあることが報告されています。
この着床の窓を調べる検査が ERA であり、これまで発表されている論文では、例え
ば Simon C らが 2020 年に報告した例があります(SimonC,RBM online,2020, 41:402415.)。
この研究では、初めて胚盤胞移植を行う 458 名の 37 歳以下の患者に対して、
①ERA を実施して着床ウィンドウを調整してから凍結胚移植を実施したグループ
②ERA を実施せずに凍結胚移植を実施したグループ
③ERA を実施せずに新鮮胚移植を実施したグループ
に分けて、治療を実施し解析したところ、妊娠率は
① 72.5%(58/80)、②54.3%(50/92)、③58.5%(55/94)となり、
ERA を実施したグループで良好な結果が得られました。出産率についても、
① 56.2%(45/80)、②42.4%(39/92)、③45.7%(43/94)と
ERA を実施したグループで良好な結果が得られたと報告されています。
今後の保険適用に向けては、国内でのエビデンス創出に向けた前向き研究を行い、
ERA の有用性を確認する必要があると考え、本試験では ERA 検査の結果に基づいて行っ
た直近の胚移植の成績を評価する、という研究計画を立てております。
検査結果に関わらず、移植時期を調整しなければ、Receptive 群の方が、NonReceptive 群に比べて胚移植あたりの妊娠率が高くなることが予想されますが、NonReceptive 群の黄体ホルモン投与タイミングや胚移植のタイミングを調整することで
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