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資料3-1 アトモキセチン塩酸塩製剤におけるニトロソアミン類の検出への対応について[217KB] (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42464.html
出典情報 薬事審議会 医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和6年度第5回 8/28)《厚生労働省》
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○ 本邦でアトモキセチン塩酸塩が製造販売承認を受けた時点(2009年4月)か
ら2024年7月26日までの間に、本剤で発がんに関連する研究報告※6はない。
※6:医薬品医療機器等法第68条の10に基づく研究報告

7.今後の対応
(1)N-ニトロソアトモキセチンの限度値について
○ 日医工株式会社から提案された限度値100ng/dayは、ICH M7ガイドラ
インの考え方に沿った対応となっており、科学的にも妥当性の認められた最
新のリスク管理を行うことができるものと考える。
○ 日本イーライリリー株式会社から提案された限度値4400ng/day及び
1500ng/dayは、以下の点からICH M7ガイドラインの考え方に沿った対
応とはいえず、課題があると考える。


N-ニトロソアトモキセチンは、警告構造(変異原性に関連する化学構造
群または分子(部分)構造)を有し、Ames試験陽性(資料3-3 28ページ)、
in vivo遺伝子突然変異試験陽性(資料3-3 1ページ)であることを踏
まえると、クラス2の変異原性不純物質※に該当し、1500ng/day以上の限
度値の設定は困難であること。
※発がん性が不明の既知の変異原性物質(細菌を用いる変異原性試験やin vivo遺伝
子突然変異試験で陽性であり、齧歯類の発がん性データがない場合):許容限度値(適
切なTTC(毒性学的概念の閾値))以下で管理することが推奨されている。



ICH M7ガイドラインのQ&Aの No.7.2の回答では、「変異原性不
純物が毒性学的懸念の閾値(又は一生涯よりも短い期間に応じた限度値)
に管理できない場合、適切なin vivo 試験の結果は、ケースバイケースで
より高い限度値を支持するための、証拠の重み付けに基づく評価に利用可
能なデータを補完しうる。しかしながら、in vivo 遺伝子突然変異試験の
エンドポイントは突然変異であって発がん性ではない(すなわちハザード
の同定に用いられる)ことから、現在のところ、これらの試験のみで直接
的に発がんリスクを評価できるかは検証されていない。」とされているこ
と。



ICH M7ガイドラインの7.5において、N-ニトロソ構造を有する変
異原性物質は、極めて強い発がん性を示す可能性があるcohort of
concernに該当し、限度値は1500 ng/dayよりも著しく低い値となること
が見込まれ、類似構造を持つ物質の発がん性データを用いて個別に設定
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