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資料3-2 アトモキセチン製剤におけるN-ニトロソアトモキセチンの検出及び発がんリスクに関する評価報告書[935KB] (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42464.html
出典情報 薬事審議会 医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和6年度第5回 8/28)《厚生労働省》
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しかしながら、原薬製造所での製造工程及び設備において、ニトロソ化剤が混入する箇
所はありませんでした。
原薬製造所では原薬の測定結果を受け、中間体についても N-ニトロソアトモキセチンの
実測を行いました。その結果、中間体での N-ニトロソアトモキセチンの量は少なく、精製
工程を経て増加、粉砕工程を経て大きく増加することが分かりました。
中間体 106 ppb → 精製後 762ppb →粉砕後 3444 ppb
粉砕時の増加原因を検証するため、実験室で 2ppm の NOx 雰囲気下でメノウ乳鉢・乳
棒(ピンミルを用いた粉砕を想定)ですり潰す操作を実施しました。結果として N-ニトロ
ソアトモキセチン量は初期値の約 100 倍となり、NOx 雰囲気下での粉砕操作では N-ニト
ロソアトモキセチンが顕著に増加することが確認されました。
初期値:54 ppb → NOx 雰囲気下 粉砕後:5247 ppb
粉砕場所について、2021 年 1 月までとそれ以降では作業場所が異なっており、旧粉砕場
所では周囲をフォークリフト等が往来しております。また、作業室の空調用エア取り込み
口付近にフォークリフトの通常停車位置があることから、排気ガスが流入する可能性が高
いと考えられました。
上記推定に基づき、実際に排気ガスが混入した場合を想定した旧粉砕場所での環境測定
では作業室内の NOx 濃度は 8.4ppm 以上となり、通常状態の検出限界未満(0.03ppm 未
満)の 280 倍以上の濃度となりました。2ppm の NOx 雰囲気下での粉砕では容易に N-ニ
トロソアトモキセチンが生成するため、排気ガスによる環境が影響して N-ニトロソアトモ
キセチンが劇的に生成したものと判断しております。
なお、新粉砕場所に移行した後にも高濃度の N-ニトロソアトモキセチンが検出されたロ
ットはございますが、いずれも 2021 年 6 月頃までに製造されたロットであり、周辺の建
屋が現在と異なる状況であることや、慣れない設備環境、工事関係の車両往来などの要因
により、偶発的に NOx 濃度が高まったことが原因と推察しております。一方で、現時点
におきましては、新粉砕場所の NOx 濃度は検出限界未満(0.03ppm 未満)であることを
確認しております。
4. N-ニトロソアトモキセチンの発がんリスク
4-1. N-ニトロソアトモキセチンの 1 日許容摂取量(AI)の根拠
N-ニトロソアトモキセチンはげっ歯類を用いたがん原性試験データが無いことから、E
MA(European Medicines Agency)の最新のガイダンスでは NNK(4-(methylnitrosoami
no)-1-(3-pyridyl)-1-butanone))の TD50 を出発点とした構造活性相関(リードアクロス

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