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資料3-2 アトモキセチン製剤におけるN-ニトロソアトモキセチンの検出及び発がんリスクに関する評価報告書[935KB] (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42464.html
出典情報 薬事審議会 医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和6年度第5回 8/28)《厚生労働省》
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アプローチ)を用いて 1 日許容摂取量(AI)が 100ng/day と算出されております。
当該ガイダンスは令和3年 1 0 月8日付通知「医薬品におけるニトロソアミン類の混入
リスクに関する自主点検について」でも参考情報として紹介されており、国際的にも認め
られたガイドラインであることから、当該許容摂取量については十分に科学的に妥当な方
法にて算出されていると考えております。
4-2. N-ニトロソアトモキセチンの許容濃度と実質的な発がんリスク
アトモキセチン製剤の 1 日最大投与量はアトモキセチンとして 120mg/day となってお
りますが、原薬であるアトモキセチン塩酸塩として換算すると 137.16mg/day であるた
め、原薬に対する許容濃度は以下の通り算出いたしました。
100/137.16×1000=729ppb
※1 日許容摂取量(AI)/1 日最大投与量(mg)×1000=許容濃度(ppb)
原薬アトモキセチン塩酸塩中の N-ニトロソアトモキセチンとアトモキセチン製剤中の
N-ニトロソアトモキセチンが同一であるという仮定の元、この許容濃度を基準とし、検出
された N-ニトロソアトモキセチンの平均値を用いたアトモキセチン製剤の 1 日最大投与
量である 120 mg を一生涯 70 年間毎日服用したときの理論上の発がんリスクは、およそ 1
3.9 万人に 1 人が過剰にがんを発症する程度のリスクに相当すると評価されます。
なお、N-ニトロソアトモキセチンの検出値にロット間のばらつきがありましたが、様々
な値のロットの製品を服用されることを踏まえ、算出には平均値を用いております。
523 ppb÷729 ppb×10-5=0.72×10-5(10 万人当たり 0.72 人、およそ 139,000 人に 1
人)
また、許容限度値を上回る N-ニトロソアトモキセチンが検出された原薬を使用した出荷
済みの製剤ロットにつきましては、2024 年 7 月 17 日より自主回収を行っております。
4-3. 有害事象の状況
弊社製造販売のアトモキセチン製剤における現在までの発がんに関する副作用報告の状
況について、弊社安全管理情報システムにて確認いたしました。その結果、2024 年 7 月 2
3 日時点にて、当社で収集した市販後における副作用報告において、発がんリスクを示唆
するものは認められませんでした。一方、アトモキセチン製剤に関する文献報告等の収集
状況について確認した結果、製造販売業者名は不明であるもののアトモキセチン製剤によ
る褐色細胞腫クリーゼ発現の症例を 1 件収集しております。本剤の注意事項等情報の「禁
忌」の項に「褐色細胞腫又はパラガングリオーマ若しくはその既往歴のある患者」がすで

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