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令和5年度「ギャンブル障害及びギャンブル関連問題実態調査」の報告書(速報) (7 ページ)

公開元URL https://www.ncasa-japan.jp/pdf/document97.pdf
出典情報 令和5年度「ギャンブル障害及びギャンブル関連問題実態調査」の報告書(速報)を公表します(8/30)《厚生労働省》
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全体とのまとめと考察
【国民の娯楽と健康に関するアンケート:調査(A)】


本調査で用いたスクリーニングテストであるPGSIは、簡便にギャンブル問題を検出できるため、一般住民を対象とした疫学調査におい
て世界的に用いられている。SOGSは、PGSIと同様にギャンブル障害に関する国内外の疫学調査で数多く採用されてきたが、近年の調査
では使用されない傾向にある。SOGSはPGSIに比べて、借金について尋ねる質問が多く全体項目数が多いこと、偽陽性※1が多いなどの欠
点が指摘されている。今回は全体の質問項目数も多く、調査対象者の負担軽減のため、SOGSをスクリーニングテストの項目として採用し
なかった。


SOGSとPGSIでは、ギャンブル等依存の疑いの判定にかかる尺度が異なっており、その数字を単純に比較することはできない点に留意が必要。



なお、本調査で用いたスクリーニングテストであるPGSIによる、ギャンブル等依存が疑われる者の推計は、あくまでも問題を有する可
能性がある者を検出するものである。スクリーニングテストで検出された者が、実際にギャンブル障害の診断基準に該当するかどうかに
ついては医師の診察および診断が必要である。したがって、スクリーニングテストによる数値の解釈は慎重に行うことが望ましい。
PGSI8点以上でギャンブル等依存が疑われるのは、男性の2.8%(95%信頼区間:2.3~3.3%)、女性の0.5%(95%信頼区間:0.3~
0.7%)、全体の1.7%(95%信頼区間:1.4~1.9%)であった。なお、令和2年度「ギャンブル障害およびギャンブル関連問題の実態調
査」報告書(34ページ)におけるギャンブル等依存が疑われる者の割合は1.6%(95%信頼区間:1.4~1.9%)であり、95%信頼区間は同
値となっている。そのため、令和2年度時点における推計値と、令和5年度の推計値との間に統計的に有意な差(統計的に意味のある違
い)があるとは認められない。



ギャンブル等依存が疑われる者のギャンブル行動として、過去1年に最もお金を使ったギャンブルの種類は全体(男女合計)で、パチン
コ(46.5%)、パチスロ(23.3%)、競馬(9.3%)の順で多かった。



年代ごとの「ギャンブル等依存が疑われる者」の割合については40代が最も多く、次いで30代が多かった。



公営競技などでは、全体としてインターネットを使用している割合が高いことが窺えた。



ロト7・ロト6、ミニロト、ナンバーズ4・ナンバーズ3、ビンゴ5、着せかえクーちゃん、クイックワンの経験者(過去1年間)の割合は、
PGSI8点以上の者の方がPGSI8点未満の者の割合よりも統計的に有意に高く、これらの宝くじは、ギャンブル等依存症が疑われる者に比
較的好まれやすいことが推測される。一方で、ジャンボ宝くじ、普通くじ、スクラッチでは、両者間に統計的に有意な差は確認されな
かった。また、「選択可能性」(購入時に任意の番号等を選択する形態)、「結果の即時性」、「オンライン購入」のうち、最低2つが
該当する宝くじは、すべてPGSI8点以上の者と、8点未満の者とで経験人数の割合に統計的に有意な差があったことから、一部の宝くじと
ギャンブル問題との間に一定の関連があることが考察される。

【依存の問題で相談機関を利用された方へのアンケート」:調査(B)】
➢ 公的な相談機関を利用したギャンブル等依存の問題を抱えている当事者およびその家族が、ギャンブル問題に気が付いてから初めて病
院や相談機関を利用するまでの期間は、それぞれ平均2.9年、3.5年※2であった。
※1
※2

SOGSは偽陽性が多いことから、PGSIによる割合よりもSOGSによるギャンブル等疑いの者の割合の方が高く出る傾向がある。
令和2年度調査では、本項目については調査していないため比較はできない。