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2023年度 介護医療院の経営状況について (2 ページ)
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公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r6/ |
出典情報 | 2023年度 介護医療院の経営状況について(12/13)《福祉医療機構》 |
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2024-006
福祉医療機構(以下「機構」という。)では、
2023 年度は、2022 年度と比べてその範囲に分
毎年度、貸付先の介護医療院から事業実績を報
布する施設の割合が減少し、0.0%未満や 4.0%
告いただいている。本稿では主に 2023 年度決
を超える施設の割合が増加するなど、二極化が
算に係る経営状況について分析した。
進行していた。施設ごとの経営状況の差が拡大
なお、いずれの年度においてもサンプル数が
したために、平均の経常利益率が上昇した一方、
少ないことから、必ずしも本分析の結果が全国
赤字施設割合が増加するという相反するような
の介護医療院の状況を反映しているとは限らな
結果となった。
なお、2023 年度 112 施設のうち、34 施設は
い可能性があることにご留意いただきたい。
2022 年度の分析対象に含まれていない施設で
1
経営状況の経年比較
1.1
ある。前頁下図については、サンプルの入れ替
2022 年度・2023 年度の経営状況
わりの影響を受けている点にもご留意いただき
全施設で比較すると、事業利益率・経常利益
率とも微増したが、赤字施設割合はわずかに
拡大
たい。
1.2
同一施設での経年比較
2 か年分のデータが揃う同一施設で比較する
と、利用率の低下により減収減益の傾向
2023 年度の事業収益対事業利益率(以下「事
業利益率」
という。)は 0.7 ポイント上昇し、3.3%
となった(前頁下図)。経常収益対経常利益率(以
前節では介護医療院全体の経営状況に触れた
下「経常利益率」という。)も 0.8 ポイント上昇
が、本節ではⅠ型、Ⅱ型の類型別に確認したい。
し 4.8%1となっている。経営状況が好転したよ
なお、類型別に分けることで、分析対象施設の
うにみえるが、赤字施設割合2は 0.7 ポイント上
入れ替わりの影響がより大きくなることを避け
昇し 38.4%となっている。
るため、同一施設で 2 か年分の経年比較が出来
るデータに絞って分析を行った(図表 1)
。
図表には掲載していないが、経常利益率と赤
字施設割合の関係を確認するため、分布を確認
2023 年度のⅠ型の事業利益率は、2022 年度
してみた。まず、経常利益率の中央値は、3.0%
と比較し 0.6 ポイント低下し、3.6%となった。
と平均値よりも 1.8 ポイント低い結果となった。
経常利益率も同様に微減しており、赤字施設割
中央値が平均値よりも低いということは、利益
合は 5.7 ポイント拡大し 37.7%となった。
率が平均値を下回る施設が多く存在することを
その要因について、収益面に関する指標から
示す。実際に、経常利益率が平均値の 4.8%より
確認したい。1 施設当たり事業収益は 4,711 千
も低い施設は 67 施設、高い施設は 45 施設だっ
円減少しており、そもそも収益が減っているこ
た。半数以上の施設は平均より低く、良好な施
とがわかる。減収の理由だが、まず、入所利用率
設が平均を引き上げており、利益率が高い施設
が 1.3 ポイント低下したことが挙げられる。介
と低い施設の差が拡大している。
護医療院への入所経路は、本稿で後に確認する
これは分布からみても明らかだ。2022 年度・
ように病院がもっとも多いが、コロナ禍以降、
2023 年度ともに経常利益率は 0.0%から 4.0%
病院においても病床利用率が低下傾向になって
に分布する施設がもっとも多かった。しかし、
おり、その影響を受けたものと考えられる。
1 事業利益率や経常利益率などは、全施設の分子(利益等)を合計し、全施設の分母(収益等)で除す加重平均で算出しているため、
中央値からから乖離した数値に引っ張られる形で平均値が上昇または低下することがある
2 経常利益が 0 円未満を赤字とした
Copyright ⓒ 2024Welfare And Medical Service Agency (WAM). All rights reserved.
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福祉医療機構(以下「機構」という。)では、
2023 年度は、2022 年度と比べてその範囲に分
毎年度、貸付先の介護医療院から事業実績を報
布する施設の割合が減少し、0.0%未満や 4.0%
告いただいている。本稿では主に 2023 年度決
を超える施設の割合が増加するなど、二極化が
算に係る経営状況について分析した。
進行していた。施設ごとの経営状況の差が拡大
なお、いずれの年度においてもサンプル数が
したために、平均の経常利益率が上昇した一方、
少ないことから、必ずしも本分析の結果が全国
赤字施設割合が増加するという相反するような
の介護医療院の状況を反映しているとは限らな
結果となった。
なお、2023 年度 112 施設のうち、34 施設は
い可能性があることにご留意いただきたい。
2022 年度の分析対象に含まれていない施設で
1
経営状況の経年比較
1.1
ある。前頁下図については、サンプルの入れ替
2022 年度・2023 年度の経営状況
わりの影響を受けている点にもご留意いただき
全施設で比較すると、事業利益率・経常利益
率とも微増したが、赤字施設割合はわずかに
拡大
たい。
1.2
同一施設での経年比較
2 か年分のデータが揃う同一施設で比較する
と、利用率の低下により減収減益の傾向
2023 年度の事業収益対事業利益率(以下「事
業利益率」
という。)は 0.7 ポイント上昇し、3.3%
となった(前頁下図)。経常収益対経常利益率(以
前節では介護医療院全体の経営状況に触れた
下「経常利益率」という。)も 0.8 ポイント上昇
が、本節ではⅠ型、Ⅱ型の類型別に確認したい。
し 4.8%1となっている。経営状況が好転したよ
なお、類型別に分けることで、分析対象施設の
うにみえるが、赤字施設割合2は 0.7 ポイント上
入れ替わりの影響がより大きくなることを避け
昇し 38.4%となっている。
るため、同一施設で 2 か年分の経年比較が出来
るデータに絞って分析を行った(図表 1)
。
図表には掲載していないが、経常利益率と赤
字施設割合の関係を確認するため、分布を確認
2023 年度のⅠ型の事業利益率は、2022 年度
してみた。まず、経常利益率の中央値は、3.0%
と比較し 0.6 ポイント低下し、3.6%となった。
と平均値よりも 1.8 ポイント低い結果となった。
経常利益率も同様に微減しており、赤字施設割
中央値が平均値よりも低いということは、利益
合は 5.7 ポイント拡大し 37.7%となった。
率が平均値を下回る施設が多く存在することを
その要因について、収益面に関する指標から
示す。実際に、経常利益率が平均値の 4.8%より
確認したい。1 施設当たり事業収益は 4,711 千
も低い施設は 67 施設、高い施設は 45 施設だっ
円減少しており、そもそも収益が減っているこ
た。半数以上の施設は平均より低く、良好な施
とがわかる。減収の理由だが、まず、入所利用率
設が平均を引き上げており、利益率が高い施設
が 1.3 ポイント低下したことが挙げられる。介
と低い施設の差が拡大している。
護医療院への入所経路は、本稿で後に確認する
これは分布からみても明らかだ。2022 年度・
ように病院がもっとも多いが、コロナ禍以降、
2023 年度ともに経常利益率は 0.0%から 4.0%
病院においても病床利用率が低下傾向になって
に分布する施設がもっとも多かった。しかし、
おり、その影響を受けたものと考えられる。
1 事業利益率や経常利益率などは、全施設の分子(利益等)を合計し、全施設の分母(収益等)で除す加重平均で算出しているため、
中央値からから乖離した数値に引っ張られる形で平均値が上昇または低下することがある
2 経常利益が 0 円未満を赤字とした
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