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参考資料6-2 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を推進するための各医療関係職種の専門性を踏まえた対応の在り方等について (14 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27521.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症の対応を踏まえたワクチン接種・検体採取の担い手を確保するための対応の在り方等に関する検討会(第1回 8/23)《厚生労働省》 |
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歯科医師によるワクチン接種の実施に係る違法性の阻却について
新型コロナウイルス感染症のワクチン接種については、医業の範疇であり、医師法上、そのための注射を歯科医師が行うこと
はできないが、一方で、歯科医師は、筋肉内注射に関する基本的な教育を受けており、また、口腔外科や歯科麻酔の領域では
実際に筋肉内注射を行うことがあることを踏まえれば、筋肉内注射という行為のみに着目すれば、歯科医師も技術的には一定
の安全性を持って実施することが可能と考えられる。
違法性阻却の可否は個別具体的に判断されるものであるが、上記を前提に、違法性阻却の考え方を踏まえると、下記(1)~
(3)の条件の下であれば、歯科医師によるワクチン接種のための注射について、違法性が阻却されると考えられる。
(1) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止し、住民の生命・健康を守るために迅速にワクチン接種を進める必要
がある中で、必要な医師・看護師等の確保ができないために、歯科医師の協力なしには特設会場での集団接種が実施
できない状況であること。
※ 上記については、予防接種の実施主体である自治体の長が、看護師等の確保に取り組んだ上で、それでも必要な看護師等の
確保が困難と判断し、地域医師会等の関係者とも合意の上で、地域歯科医師会に協力を要請する。
※ 歯科医師がワクチン接種を行うのは、集団接種のための特設会場に限る。(予診やアナフィラキシー等の症状が発生した場
合の対応は、特設会場にいる医師が行う。)
(2) 協力に応じる歯科医師が筋肉内注射の経験を有している又は新型コロナウイルス感染症のワクチン接種のための筋
肉内注射について必要な研修を受けていること
(3)
歯科医師による接種について患者の同意を得ること
※違法性阻却の5条件との関係
① 目的の正当性
⇒ 集団接種のための特設会場において、必要な看護師等が確保できない場合に歯科医師がワクチン接種を行うのは、住民の生命・健康を
守るために迅速にワクチン接種を進めるためであり、客観的な価値を担っているものといえるのではないか。
② 手段の相当性
⇒ 歯科医師は筋肉内注射に関する基本的な教育を受けており、また、口腔外科等の領域で実際に筋肉内注射を行うことがあることを踏ま
えれば、必要な研修を受けた歯科医師等が、医師の医学的管理の下で、患者の同意を得た上でワクチン接種を行うことは、手段として
相当といえるのではないか。
③ 法益衡量
⇒ 歯科医師の協力により希望者に対してワクチン接種を迅速に進めることができるという利益と、④のとおり相対的に軽微と考えられる
法益侵害と比較すると、利益の方が法益侵害よりも大きいといえるのではないか。
④ 法益侵害の相対的軽微性
⇒ 集団接種のための特設会場という限定した場において、予診やアナフィラキシー等の症状が発生した場合の対応は医師が行うことを前
提に、安全性を確保しながら、必要な研修を受けた歯科医師等が患者の同意も得た上で筋肉内注射を行うものであり、法益侵害は相対
的に軽微といえるのではないか。
⑤ 必要性・緊急性
⇒ コロナ対応により医療提供体制がひっ迫する地域もある中で、地域によっては、接種を行う看護師等を確保することが困難となる場合
も想定され、そのような場合には歯科医師がワクチン接種を行う必要性はあるといえるのではないか。また、接種が進まないことによ
り、感染による重症化等を防止できないリスクを考慮すれば、歯科医師がワクチン接種を行う緊急性もあるといえるのではないか。
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新型コロナウイルス感染症のワクチン接種については、医業の範疇であり、医師法上、そのための注射を歯科医師が行うこと
はできないが、一方で、歯科医師は、筋肉内注射に関する基本的な教育を受けており、また、口腔外科や歯科麻酔の領域では
実際に筋肉内注射を行うことがあることを踏まえれば、筋肉内注射という行為のみに着目すれば、歯科医師も技術的には一定
の安全性を持って実施することが可能と考えられる。
違法性阻却の可否は個別具体的に判断されるものであるが、上記を前提に、違法性阻却の考え方を踏まえると、下記(1)~
(3)の条件の下であれば、歯科医師によるワクチン接種のための注射について、違法性が阻却されると考えられる。
(1) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止し、住民の生命・健康を守るために迅速にワクチン接種を進める必要
がある中で、必要な医師・看護師等の確保ができないために、歯科医師の協力なしには特設会場での集団接種が実施
できない状況であること。
※ 上記については、予防接種の実施主体である自治体の長が、看護師等の確保に取り組んだ上で、それでも必要な看護師等の
確保が困難と判断し、地域医師会等の関係者とも合意の上で、地域歯科医師会に協力を要請する。
※ 歯科医師がワクチン接種を行うのは、集団接種のための特設会場に限る。(予診やアナフィラキシー等の症状が発生した場
合の対応は、特設会場にいる医師が行う。)
(2) 協力に応じる歯科医師が筋肉内注射の経験を有している又は新型コロナウイルス感染症のワクチン接種のための筋
肉内注射について必要な研修を受けていること
(3)
歯科医師による接種について患者の同意を得ること
※違法性阻却の5条件との関係
① 目的の正当性
⇒ 集団接種のための特設会場において、必要な看護師等が確保できない場合に歯科医師がワクチン接種を行うのは、住民の生命・健康を
守るために迅速にワクチン接種を進めるためであり、客観的な価値を担っているものといえるのではないか。
② 手段の相当性
⇒ 歯科医師は筋肉内注射に関する基本的な教育を受けており、また、口腔外科等の領域で実際に筋肉内注射を行うことがあることを踏ま
えれば、必要な研修を受けた歯科医師等が、医師の医学的管理の下で、患者の同意を得た上でワクチン接種を行うことは、手段として
相当といえるのではないか。
③ 法益衡量
⇒ 歯科医師の協力により希望者に対してワクチン接種を迅速に進めることができるという利益と、④のとおり相対的に軽微と考えられる
法益侵害と比較すると、利益の方が法益侵害よりも大きいといえるのではないか。
④ 法益侵害の相対的軽微性
⇒ 集団接種のための特設会場という限定した場において、予診やアナフィラキシー等の症状が発生した場合の対応は医師が行うことを前
提に、安全性を確保しながら、必要な研修を受けた歯科医師等が患者の同意も得た上で筋肉内注射を行うものであり、法益侵害は相対
的に軽微といえるのではないか。
⑤ 必要性・緊急性
⇒ コロナ対応により医療提供体制がひっ迫する地域もある中で、地域によっては、接種を行う看護師等を確保することが困難となる場合
も想定され、そのような場合には歯科医師がワクチン接種を行う必要性はあるといえるのではないか。また、接種が進まないことによ
り、感染による重症化等を防止できないリスクを考慮すれば、歯科医師がワクチン接種を行う緊急性もあるといえるのではないか。
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