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資料2-3 重篤副作用疾患別対応マニュアル 抗がん剤による口内炎(案) (9 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00004.html |
出典情報 | 重篤副作用総合対策検討会(第14回 9/15)《厚生労働省》 |
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B.医療関係者の皆様へ
1.早期発見と早期対応のポイント
(1)早期に認められる症状
自覚症状は口腔内の疼痛・違和感・出血・冷温水痛、口腔乾燥、口腔粘膜
の発赤・腫脹、開口障害、咀嚼障害、嚥下障害、味覚障害などが挙げられる。
また、口腔粘膜の紅斑、びらん、アフタなどの症状もみられる。これらの症
状がみられた場合は、すみやかに歯科口腔外科などの専門医師・歯科医師に
紹介する。
(2)副作用の好発時期
口内炎は抗がん剤の投与後、数日~10 日目ごろに発生しやすい。
(3)患者側のリスク因子
下記のような状態では口内炎の危険性が高い。
①口腔衛生状態不良
う歯、歯周病、舌苔が多い、義歯不適合
歯磨きや含嗽ができない(できていない)
②免疫能の低下
高齢者、ステロイド剤の使用、糖尿病など
③栄養状態の不良
④放射線治療の併用
口腔をはじめとした頭頸部悪性腫瘍の治療のために放射線治療を併用
した場合、放射線による直接的な粘膜障害、または唾液分泌の抑制によ
る口腔乾燥が出現し、口内炎を悪化させる。多数歯に歯科金属を用いた
処置が施されている場合も、口内炎を悪化させることがある。
⑤喫煙 1)
ニコチンは口腔粘膜血管の収縮をきたすと考えられている(口腔粘膜
の血流量低下)。また、生体の免疫機構に影響を及ぼし、特に白血球、マ
クロファージの機能低下を引き起こす(免疫能低下)
。さらに喫煙によっ
て歯石の形成が促進され、嫌気性菌の増加をきたす環境を作り出すと考
えられている(口腔細菌叢の変化)。
⑥口腔乾燥
口腔乾燥は、がんの治療中によくみられる症状のひとつである。治療
に用いる薬物の副作用や、前述の放射線治療によって、唾液の分泌が低
下すると口腔粘膜が傷つけられ口内炎の発症につながる。口腔乾燥を認
める場合には、充分な水分の補給に加えて、市販の口腔保湿剤などの使
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1.早期発見と早期対応のポイント
(1)早期に認められる症状
自覚症状は口腔内の疼痛・違和感・出血・冷温水痛、口腔乾燥、口腔粘膜
の発赤・腫脹、開口障害、咀嚼障害、嚥下障害、味覚障害などが挙げられる。
また、口腔粘膜の紅斑、びらん、アフタなどの症状もみられる。これらの症
状がみられた場合は、すみやかに歯科口腔外科などの専門医師・歯科医師に
紹介する。
(2)副作用の好発時期
口内炎は抗がん剤の投与後、数日~10 日目ごろに発生しやすい。
(3)患者側のリスク因子
下記のような状態では口内炎の危険性が高い。
①口腔衛生状態不良
う歯、歯周病、舌苔が多い、義歯不適合
歯磨きや含嗽ができない(できていない)
②免疫能の低下
高齢者、ステロイド剤の使用、糖尿病など
③栄養状態の不良
④放射線治療の併用
口腔をはじめとした頭頸部悪性腫瘍の治療のために放射線治療を併用
した場合、放射線による直接的な粘膜障害、または唾液分泌の抑制によ
る口腔乾燥が出現し、口内炎を悪化させる。多数歯に歯科金属を用いた
処置が施されている場合も、口内炎を悪化させることがある。
⑤喫煙 1)
ニコチンは口腔粘膜血管の収縮をきたすと考えられている(口腔粘膜
の血流量低下)。また、生体の免疫機構に影響を及ぼし、特に白血球、マ
クロファージの機能低下を引き起こす(免疫能低下)
。さらに喫煙によっ
て歯石の形成が促進され、嫌気性菌の増加をきたす環境を作り出すと考
えられている(口腔細菌叢の変化)。
⑥口腔乾燥
口腔乾燥は、がんの治療中によくみられる症状のひとつである。治療
に用いる薬物の副作用や、前述の放射線治療によって、唾液の分泌が低
下すると口腔粘膜が傷つけられ口内炎の発症につながる。口腔乾燥を認
める場合には、充分な水分の補給に加えて、市販の口腔保湿剤などの使
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