よむ、つかう、まなぶ。
医薬品・医療機器等安全性情報395号 (3 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/iyaku/index.html |
出典情報 | 医薬品・医療機器等安全性情報395号(9/27)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
1
リオシグアトとHIVプロテアーゼ阻害剤の
併用に関する「使用上の注意」の改訂について
1.はじめに
リオシグアトは,
「外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症,
肺動脈性肺高血圧症」を効能・効果として本邦で製造販売承認されており,ヒト免疫不全ウイルス(以
下「HIV」という。
)プロテアーゼ阻害剤(リトナビル,ロピナビル・リトナビル,アタザナビル硫酸塩)
との併用が禁忌とされていました。
今般,令和4年8月30日に開催された令和4年度第10回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安
全対策部会安全対策調査会(以下「安全対策調査会」という。
)における審議を踏まえ,リオシグアト
とHIVプロテアーゼ阻害剤の禁忌及び併用禁忌等の見直しを行いましたので,その内容を紹介します。
2.経緯
リオシグアトは主にCYP1A1,CYP2C8,CYP2J2及びCYP3Aにより代謝され,P糖タンパク(以下
「P-gp」という。)及びbreast cancer resistance protein(以下「BCRP」という。
)の基質です。リオシ
グアトと,複数のCYP分子種,P-gp及びBCRPに対する阻害薬であるケトコナゾールとの薬物相互作用
試験において,ケトコナゾール非併用時に対する併用時のリオシグアトの曝露量が増加したことから,
複数のCYP分子種,P-gp及びBCRPを阻害するHIVプロテアーゼ阻害剤との併用においても,ケトコナ
ゾール併用時と同様のリオシグアトの曝露量増加が起こる可能性が考えられたため,禁忌及び併用禁忌
に設定されていました。
今般,リオシグアトの承認取得者より,リオシグアトとHIVプロテアーゼ阻害剤を含む抗HIV薬との
薬物動態学的相互作用を検討した臨床試験(以下「薬物相互作用試験」という。
)及び抗HIV薬のCYP
分子種に対する阻害作用を検討したin vitro試験の結果が提出されました。
上記を踏まえて,禁忌及び併用禁忌等の見直しについて,安全対策調査会において検討を行いました。
3.安全対策調査会での検討内容について
薬物相互作用試験及びin vitro試験等の結果,有害事象症例報告,関連する公表文献,ガイドライン
の記載状況,海外添付文書の記載状況等を調査した結果,以下の点から,リオシグアトとHIVプロテアー
医薬品・医療機器等安全性情報
No.395
-3-
2022年9月
リオシグアトとHIVプロテアーゼ阻害剤の
併用に関する「使用上の注意」の改訂について
1.はじめに
リオシグアトは,
「外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症,
肺動脈性肺高血圧症」を効能・効果として本邦で製造販売承認されており,ヒト免疫不全ウイルス(以
下「HIV」という。
)プロテアーゼ阻害剤(リトナビル,ロピナビル・リトナビル,アタザナビル硫酸塩)
との併用が禁忌とされていました。
今般,令和4年8月30日に開催された令和4年度第10回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安
全対策部会安全対策調査会(以下「安全対策調査会」という。
)における審議を踏まえ,リオシグアト
とHIVプロテアーゼ阻害剤の禁忌及び併用禁忌等の見直しを行いましたので,その内容を紹介します。
2.経緯
リオシグアトは主にCYP1A1,CYP2C8,CYP2J2及びCYP3Aにより代謝され,P糖タンパク(以下
「P-gp」という。)及びbreast cancer resistance protein(以下「BCRP」という。
)の基質です。リオシ
グアトと,複数のCYP分子種,P-gp及びBCRPに対する阻害薬であるケトコナゾールとの薬物相互作用
試験において,ケトコナゾール非併用時に対する併用時のリオシグアトの曝露量が増加したことから,
複数のCYP分子種,P-gp及びBCRPを阻害するHIVプロテアーゼ阻害剤との併用においても,ケトコナ
ゾール併用時と同様のリオシグアトの曝露量増加が起こる可能性が考えられたため,禁忌及び併用禁忌
に設定されていました。
今般,リオシグアトの承認取得者より,リオシグアトとHIVプロテアーゼ阻害剤を含む抗HIV薬との
薬物動態学的相互作用を検討した臨床試験(以下「薬物相互作用試験」という。
)及び抗HIV薬のCYP
分子種に対する阻害作用を検討したin vitro試験の結果が提出されました。
上記を踏まえて,禁忌及び併用禁忌等の見直しについて,安全対策調査会において検討を行いました。
3.安全対策調査会での検討内容について
薬物相互作用試験及びin vitro試験等の結果,有害事象症例報告,関連する公表文献,ガイドライン
の記載状況,海外添付文書の記載状況等を調査した結果,以下の点から,リオシグアトとHIVプロテアー
医薬品・医療機器等安全性情報
No.395
-3-
2022年9月