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2021年度(令和3年度)介護医療院の経営状況について(PDF) (8 ページ)

公開元URL https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r4/
出典情報 2021年度(令和3年度)介護医療院の経営状況について(9/29)《福祉医療機構》
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2022-004

でとさらに幅がある。ただし、73.0%を超えて黒

おわりに

字となっている施設はないことから、人件費率

本稿では、制度創設から間もなく、介護報酬

が高い赤字施設は、まずはこのラインまで抑え

上の移行支援策が途切れた介護医療院の経営状

るよう収益の改善を図るか、あるいは人員配置

況についてみてきた。コロナ禍ということもあ

を見直す必要があるだろう。

り、経営の悪化は必ずしも直近報酬改定による

人員配置を見直すにあたっては、その判断の

ものばかりではないと考えられるものの、移行

要素となる入所利用率も見ていきたい。図表 7

定着支援加算をはじめとした一部の加算が廃止

で示しているとおり、入所利用率が低くても人

された影響はあったものと思料する。一刻も早

件費率を抑えることで黒字となっている施設も

く経営を改善するため、報酬単価が高い加算の

少なくはないことがわかる。ただし、既に人員

算定や利用者の確保が求められる。

配置に余裕がある施設では、入所利用率が低く

介護医療院の施設数は、2022 年 6 月末現在で

なった場合でも、それに合わせて職員の雇用調

727 施設5であり、2022 年 3 月末から 50 施設も

整をすることは現実的ではない。人員配置に余

増加した。ところが、そのうち介護療養型医療

裕があるのであれば、入所利用率の維持・向上

施設からの移行は、29 施設にとどまっている。

を図ることが経営の安定に資すると言えるだろ

コロナ禍において、先が見通せなくなった点や

う。実際、入所利用率が 90.0%超の施設では

移行支援策の減少などが二の足を踏む要因にな

29.0%が赤字であるのに対し、90.0%以下の施

っているものと考えられる。ただし、直近報酬

設では 39.1%が赤字となっており、若干ではあ

改定で介護療養型医療施設の報酬は大幅に下げ

るが入所利用率が低いほうが赤字施設割合が高

られており、廃止も目前であることに留意し、

い。2021 年度の入所利用率の平均は 92.9%であ

早めの移行に取組んでいただければ幸いである。

ることから、まずは平均を目指して利用者確保

最後になるが、長く続くコロナ禍のなか事業

に取組むことも経営改善の方法の1つのだろう。 実績の提出にご協力いただいたことで、今回の
分析を行うことができた。この場を借りて担当
者および関係者に謝意を表する。

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厚生労働省「介護医療院の開設状況等(令和 4 年 6 月末日時点)

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000985022.pdf
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