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資料3-10 -② 田中先生提出資料 (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード (第111回 12/21)《厚生労働省》
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[結果]年齢調整致命率が最も高かったのは、第6波で全国の新規陽性者数が最も多かった
Ⅱ期(0.85%、95%信頼区間:0.81%-0.89%)の陽性者であり、その後Ⅵ期(0.23%:同 0.18%0.28%)まで顕著な低下を示した。年齢調整致命率は第7波の初期を含むⅦ期の陽性者から
増加に転じたが、第7波(Ⅶ~Ⅸ期)での最高値となったⅧ期陽性者でも 0.39%(同 0.37%0.40%)に止まり、第7波では第6波のⅠ期からⅣ期の陽性者の年齢調整致命率に比べて有
意に低値であった。BA.5 オミクロンが dominant であった時期の陽性者の 40 歳代から 80
歳以上での年齢階級別致命率は、この順に 0.005%、0.03%、0.05%、0.39%、1.81%と、50
歳以上の年齢階級で BA.1 オミクロンのそれに比べて有意に低値を示した。コロナ関連によ
る死亡者の割合が最も高かったのは COVID-19 の診断期間がⅢ期の死亡者(83.3%)であり、
その後低下に転じ、第Ⅵ期診断の死亡者(53.8%)まで低下傾向を示した。
[考察]日本の COVID-19 の 40 歳以上の致命率は、第6波から第7波にかけて大きく低
下した。その理由の1つとして、1 月中旬から 3 月下旬にかけて全国で実施された 65 歳以
上対象の 3 回目のワクチン接種による重症化予防対策の普及が考えられた。BA.5 オミクロ
ン株が dominant となった時期の陽性者の致命率は、2021 年 11 月 29 日~22 年 1 月 9 日に
イングランドで診断された BA.1 オミクロン陽性者の 28 日致命率に比べて、どの年齢階級
で見ても 3 割から 5 割程度に止まっていた。今後も致命率のモニタリングを継続し、諸外
国のデータとも比較しながら、この感染症に対するわが国のあるべき姿を検討する必要が
ある。

1. はじめに
当事業班は昨年度、2021 年 8,9 月に診断されたデルタ株陽性者と 2022 年1月に診断さ
れたオミクロン株陽性者の 30 日致命率を比較し、オミクロン陽性者はデルタ株陽性者に比
べて致命率が低く、50 歳代から 80 歳代では有意に低値になることを報告した。しかし
COVID-19 陽性者の致命率は、変異株の種類といったウイルス側の要因や陽性者の罹患時
年齢以外に、医療アクセスの状況、陽性者のワクチン接種率、ワクチン接種からの経過時間、
COID-19 治療薬の普及などの継時変化要因によって影響を受けることが予想される。そし
て COVID-19 陽性者の致命率の高さ(低さ)はこの疾患の政策判断に決定的に重要である。
そこで、わが国でオミクロン株が dominant となった 2022 年 1 月以後の COVID-19 陽性
者の 28 日致命率をモニタリングする。
2.方法
全国保健所長会 ML を通じて、致命率を推計する企画に参加を呼びかけた。8 県(群馬、
茨城、長野、滋賀、徳島、佐賀、長崎、宮崎)
、4 中核市(枚方市、東大阪市、吹田市、寝屋
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