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資料3-10 -② 田中先生提出資料 (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード (第111回 12/21)《厚生労働省》
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③ ASF は流行第7波が始まったⅦ期陽性者で再び増加に転じたが、第7波での ASF の最
高値であったⅧ期陽性者でも 0.39%(同 0.37%-0.40%)に止まっていた。
④ 死亡者の中でコロナ関連死亡割合が最も高かったのはⅢ期診断の死亡者(83.3%)であ
り、その後低下に転じ、第Ⅵ期(53.8%)まで低下傾向を示した。
⑤ BA.1 オミクロン株陽性者群における 40 歳代から 80 歳以上の年齢階級別致命率は、
0.007%、0.06%、0.19%、0.91%、3.78%であった。
⑥ BA.5 オミクロン株陽性者群における 40 歳代から 80 歳以上の年齢階級別致命率は、
0.005%、0.026%、0.053%、0.393%、1.81%であった。40 歳代以外の年齢において、
BA.5 オミクロン株陽性者群は BA.1 オミクロン株陽性者群に比べて有意に致命率が低
値であった。
⑦ 日本の 80 歳以上の BA.1 オミクロン株陽性者の致命率はイングランドの 80 歳以上の
BA.1 オミクロン株陽性者に比べて有意に低かった(3.78% 対 5.12%)。
⑧ 日本の BA.5 オミクロン株陽性者の致命率はイングランドの BA.1 オミクロン株陽性
者に比べて全ての年齢階級で有意に低く、3 割から 5 割に止まった。

4.考察
(1)年齢調整致命率(ASF)の低下
日本のオミクロン株陽性者の診断日でみた ASF の変化を 2022 年 8 月まで見たところ、
第 6 波の感染拡大期であった 2022 年 1 月から 2 月にかけて増加し、2 月にピークとなっ
た。当時は 1 月下旬からの陽性者数の激増により、本調査の対象となった一部の府県で
COVID-19 患者用病床運用率が急増し、2 月下旬まで高い病床運用率となっていた。また 2
月は医療職員やその家族の感染による出勤可能職員が不足し、実際の病床稼働率はさらに
低下するところがあった。このような状況により本来入院治療が必要であった一部の
COVID-19 患者の入院アクセスが抑制を受けたことが、2 月診断陽性者における致命率の
相対的高値の一因であったものと推察される。
ASF はその後減少に転じ、診断日が 5 月 23 日から 6 月 19 日の陽性者において最も低値
となった。その後再上昇に転じたものの、第7波の ASF は第6波に比べて明らかに低値で
あった。ASF がこのような減少を見せた理由として、①65 歳以上に対する 3 回目のワクチ
ン接種が1月中旬から 3 月下旬にかけて全国で急速に実施されたことによる 3 回ワクチン
既接種陽性者の重症化率低下効果、②新規陽性者の減少または COVID-19 の入院医療体制
の拡充による入院医療の需給バランスの改善、③抗ウイルス薬などの治療薬の普及、④オン
ライン診療や往診体制等の自宅療養陽性者に対する医療体制の充実などが考えられる。
ワクチン接種の効果には感染・発症予防効果と重症化予防効果があり、後者の方がワクチ
ン接種後に比較的長期間効果が持続する。ワクチン接種後の発症予防効果を有する接種者
は、発症をきっかけに感染者として特定される確率が低くなるため、接種から 1,2 か月後の
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