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資料3-10 -② 田中先生提出資料 (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード (第111回 12/21)《厚生労働省》
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命率を過大評価した可能性が考えられる。またその程度は、陽性者数が多かった 2 月(Ⅱ
期)と 7、8 月(Ⅷ、Ⅸ期)により強く表れたかもしれない。
第2に、80 歳以上の新規感染者の多くは、高齢者施設の入所者であり、80 歳以上の高齢
者施設入所者は、同年代の自宅に居住する者に比べて ADL が低く、また基礎疾患を有する
者の割合が高いと考えられる。このため 80 歳以上の新規感染者は経過中に誤嚥性肺炎を起
こしやすく、また重症化した時に延命措置を希望しない者の割合が高いと考えられる。この
ため、計算された 80 歳以上の致命率は、一般の 80 歳以上の者がオミクロン株に感染した
場合に想定される致命率よりも、高めに算出されたものと推察される。しかしこの選択バイ
アスは、あったとしても今回集計した9つの診断期間に同様に働くことが予想されること
から、今回観察した致命率の継時変化への影響は限定的だと推測される。
第 3 に、BA.1 群も BA.5 群も、対象者を個人単位で sublineage を同定した結果を用いて
はいないので、両群とも別の変異株や sublineage が混入している可能性がある。しかし、
両群ともそれぞれの sublineage が 95%以上となる時期の対象者を選択しているので、別の
変異株や sublineage が混入していることによる情報バイアスは、
軽微であると考えられる。
第 4 に死因については不明の者の割合が全死亡者の 27.8%と高いこと、また死亡原因が
COVID-19 感染に起因するか否かを死亡届け出の情報から正確に判別することには限界が
ある点である。しかし、死因判定の情報源と判定方法は観察期間中で同じであることから、
その不正確さが本研究の観察期間内で大きく異なることは考えにくい。
(4)最後に
日本の BA.5 オミクロン株陽性者の致命率はイングランドの BA.1 オミクロン株陽性者に
比べて全ての年齢階級で有意に低く、3 割から 5 割に止まった。COVID-19 陽性者の致命
率の高さ(低さ)はこの疾患の政策判断に決定的に重要であることから、今後も諸外国のデ
ータとも比較しながら、政策の在るべき姿、方向性を冷静に検討する必要がある。

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