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資料3-12-② 森本先生提出資料 (17 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード (第111回 12/21)《厚生労働省》
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動する見込みである。また、新型コロナワクチンの入院予防・重症化予防に対する有効性、LongCOVID に対する有効性は本研究では評価ができないため、新型コロナワクチンの新型コロナウイルス
感染症全体および社会における影響に対する評価は、今後多方面からの研究が必要である。
6.

制限
本報告にはいくつかの制限がある。1 つ目は、対象患者が 2022 年 7 月 1 日から 10 月 31 日の全国

15 か所の医療機関に限られており、現時点ではサンプルサイズが極めて限定的である。2 つ目は、現
在日本では医療機関において受診者のワクチン接種歴を正確な記録として確認できるシステムは整備
されていないため、接種歴は主に患者 (または患者家族)に対する問診で得られた記録を基にしており、
思い出しバイアスの影響を否定できない。正確なワクチン接種日が不明な患者については、「接種日」
の推計方法を複数定めた感度分析を行ったが、調整オッズ比の変動は小さく、一定の妥当性は担保さ
れていると考える。3 つ目は、新型コロナウイルス検査には限界があり、症例・対照の誤分類は否定で
きない。4 つ目は、本研究において陽性例の新型コロナウイルスゲノム解析を行っていないため、各ウイ
ルス株に対する正確なワクチンの有効性を算出することは現時点では不可能である。5 つ目は、現在新
型コロナワクチン未接種者が少なく、サンプルサイズが限られてしまうため、結果の解釈には注意が必
要である。
本報告は 2022 年 12 月 9 日での暫定結果であり速報値であるが、公衆衛生学的に意義があると判
断して報告した。今後も研究を継続し経時的な評価を行うなかで、公衆衛生学的な意義を鑑みつつ結
果について共有する予定である。
7.

注釈

1) 発熱 (37.5℃以上)、咳、倦怠感、呼吸困難、筋肉痛、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、頭痛、下痢、味覚障害、
嗅覚障害 (20, 21)
2) 同一患者の扱いは以下の定義を使用した。
・陽性結果が出る前または陽性結果が出た後 3 週間以内に採取した陰性検査は、偽陰性の可能性が
あるため除外する。
・同じ発症日に対して行われた陰性の検査は除外する。
・前回の陰性判定から 7 日以内に実施された陰性の検査は除外する。
・各人については、無作為に選んだ 3 回までの検査を含める。
・90 日以内に複数回陽性になった場合は初めての陽性のみを組み込む。
3) 慢性心疾患、慢性呼吸器疾患、肥満 (BMI≧30)、悪性腫瘍 (固形癌または血液腫瘍)、糖尿病、慢
性腎不全、透析、肝硬変、免疫抑制薬の使用、妊娠
8.

研究チーム

長崎大学熱帯医学研究所 呼吸器ワクチン疫学分野:前田 遥、森本浩之輔
大分大学 医学部 微生物学講座:齊藤信夫
横浜市立大学 医学部 公衆衛生学・東京大学大学院 薬学系研究科 医薬政策学:五十嵐中

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