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2021年度（令和3年度）介護老人保健施設の経営状況について (2 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r4/ |
| 出典情報 | 2021年度（令和3年度）介護老人保健施設の経営状況について（2／1）《福祉医療機構》 |
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2022-009
福祉医療機構（以下「機構」という。）では、
まず、入所の利用率は、2.3 ポイント低下し
毎年度、貸付先の 介護老人保健施設 1 （以下
て 88.0％となった。直近 10 年間の推移を確認
「老健」という。）の経営状況について調査を
したところ、右肩下がりが続くなかでコロナ禍
行っている。本稿では、2021 年度（令和 3 年
が重なり、ついに 80％台にまで落ち込んだ状
度）の経営状況について、貸付先から提出され
況だ（図表 2）
。直近 10 年間で定員 1 人当たり
た財務諸表等のデータを用いて分析する。
収益がもっとも高かったコロナ禍前の 2019 年
度と比較すると、1 施設当たり年間約 1,600 万
1
2021 年度（令和 3 年度）の経営状況
円 2 の減収が生じていることになり、経営面に
2021 年度の経営状況（経年比較）
与える影響としては、かなりのインパクトと言
入所利用率は 80％台まで落ち込み、事業利
益率は低下し、赤字施設割合は拡大
えるであろう。それに加えて、併設の通所リハ
1.1
ビリテーション（以下「通所」という。）の利
用率も 2020 年度から 1.6 ポイント低下し、
2021 年度の老健の経営状況について、まず
61.6％となっている。
は収益面からみていく。入所定員 1 人当たり事
業収益（以下「定員 1 人当たり収益」という。）
（図表 2）老健の入所利用率および定員 1 人当
たり収益の推移
は、2020 年度から 66 千円低下し、5,530 千円
100.0
6,000
となった（図表 1）
。これは入所定員数が増えた
ことを加味しても、事業収益が低下したことを
95.0
意味する。その内訳を確認していこう。
95.0
95.0
5,900
94.5
93.8
93.3 93.1
92.6
5,800
92.4
90.3
90.0
5,700
88.0
（図表 1）2020 年度・2021 年度老健の経営状況
指標名
単位
2020
2021
85.0
差(2021
－2020)
5,600
5,500
5,690
5,530
5,400
-
1,525
1,478
－
入所
人
99.8
100.4
0.6
通所
人
44.4
43.8
△ 0.5
入所
％
90.3
88.0
△ 2.3
通所
％
63.3
61.6
△ 1.6
％
88.1
88.4
0.3
人
6.28
6.63
0.35
千円
5,597
5,530
△ 66
本報酬引き上げに加え、2021 年 9 月までの
円
14,033
14,243
210
0.1％単位数の上乗せ、介護職員処遇改善加算
千円
4,583
4,472
△ 111
人件費率
％
60.9
61.7
0.7
経費率
％
19.9
20.3
0.4
事業利益率
％
4.1
2.9
△ 1.2
経常利益率
％
4.8
3.3
△ 1.4
赤字施設割合
％
28.0
33.8
5.8
施設数
定員数
利用率
介護職員処遇改善加
算(I)算定率
利用者 10 人当たり従
事者数
定員 1 人当たり収益
入所単価
従事者 1 人当たり人
件費
80.0
利用率
(％)
5,300
2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 定員1人
収益
(年度)
(千円)
一方、利用者 1 人 1 日当たり事業収益（入所）
（以下「入所単価」という。）は、210 円上昇
し、14,243 円となった。これは、2021 年度介
護報酬改定（以下「今次改定」という。）の基
（Ⅰ）の算定率の上昇などが要因と考えられる。
次に、費用面についてみていく。事業収益対
人件費率（以下「人件費率」という。） は、
2020 年度から 0.7 ポイント上昇し、61.7％とな
った。これは、従事者 1 人当たり人件費は減少
1 併設の短期入所、通所リハビリテーションを含む。以下記載がない場合は同じ
2 2021 入所定員数 100.4 人×（2019 定員 1 人当たり収益 5,690 千円－2021 定員 1 人当たり収益 5,530 千円）＝16,064 千円
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福祉医療機構（以下「機構」という。）では、
まず、入所の利用率は、2.3 ポイント低下し
毎年度、貸付先の 介護老人保健施設 1 （以下
て 88.0％となった。直近 10 年間の推移を確認
「老健」という。）の経営状況について調査を
したところ、右肩下がりが続くなかでコロナ禍
行っている。本稿では、2021 年度（令和 3 年
が重なり、ついに 80％台にまで落ち込んだ状
度）の経営状況について、貸付先から提出され
況だ（図表 2）
。直近 10 年間で定員 1 人当たり
た財務諸表等のデータを用いて分析する。
収益がもっとも高かったコロナ禍前の 2019 年
度と比較すると、1 施設当たり年間約 1,600 万
1
2021 年度（令和 3 年度）の経営状況
円 2 の減収が生じていることになり、経営面に
2021 年度の経営状況（経年比較）
与える影響としては、かなりのインパクトと言
入所利用率は 80％台まで落ち込み、事業利
益率は低下し、赤字施設割合は拡大
えるであろう。それに加えて、併設の通所リハ
1.1
ビリテーション（以下「通所」という。）の利
用率も 2020 年度から 1.6 ポイント低下し、
2021 年度の老健の経営状況について、まず
61.6％となっている。
は収益面からみていく。入所定員 1 人当たり事
業収益（以下「定員 1 人当たり収益」という。）
（図表 2）老健の入所利用率および定員 1 人当
たり収益の推移
は、2020 年度から 66 千円低下し、5,530 千円
100.0
6,000
となった（図表 1）
。これは入所定員数が増えた
ことを加味しても、事業収益が低下したことを
95.0
意味する。その内訳を確認していこう。
95.0
95.0
5,900
94.5
93.8
93.3 93.1
92.6
5,800
92.4
90.3
90.0
5,700
88.0
（図表 1）2020 年度・2021 年度老健の経営状況
指標名
単位
2020
2021
85.0
差(2021
－2020)
5,600
5,500
5,690
5,530
5,400
-
1,525
1,478
－
入所
人
99.8
100.4
0.6
通所
人
44.4
43.8
△ 0.5
入所
％
90.3
88.0
△ 2.3
通所
％
63.3
61.6
△ 1.6
％
88.1
88.4
0.3
人
6.28
6.63
0.35
千円
5,597
5,530
△ 66
本報酬引き上げに加え、2021 年 9 月までの
円
14,033
14,243
210
0.1％単位数の上乗せ、介護職員処遇改善加算
千円
4,583
4,472
△ 111
人件費率
％
60.9
61.7
0.7
経費率
％
19.9
20.3
0.4
事業利益率
％
4.1
2.9
△ 1.2
経常利益率
％
4.8
3.3
△ 1.4
赤字施設割合
％
28.0
33.8
5.8
施設数
定員数
利用率
介護職員処遇改善加
算(I)算定率
利用者 10 人当たり従
事者数
定員 1 人当たり収益
入所単価
従事者 1 人当たり人
件費
80.0
利用率
(％)
5,300
2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 定員1人
収益
(年度)
(千円)
一方、利用者 1 人 1 日当たり事業収益（入所）
（以下「入所単価」という。）は、210 円上昇
し、14,243 円となった。これは、2021 年度介
護報酬改定（以下「今次改定」という。）の基
（Ⅰ）の算定率の上昇などが要因と考えられる。
次に、費用面についてみていく。事業収益対
人件費率（以下「人件費率」という。） は、
2020 年度から 0.7 ポイント上昇し、61.7％とな
った。これは、従事者 1 人当たり人件費は減少
1 併設の短期入所、通所リハビリテーションを含む。以下記載がない場合は同じ
2 2021 入所定員数 100.4 人×（2019 定員 1 人当たり収益 5,690 千円－2021 定員 1 人当たり収益 5,530 千円）＝16,064 千円
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