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2021年度(令和3年度)介護老人保健施設の経営状況について (7 ページ)
出典
公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r4/ |
出典情報 | 2021年度(令和3年度)介護老人保健施設の経営状況について(2/1)《福祉医療機構》 |
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2022-009
算定率が低いという特徴がみられた。今次改定
は 27.5%と 11.4 ポイント低下した。一方、超
により、サービスの質の向上や職員のキャリア
強化型は 15.6%から 26.3%と 10.7 ポイント上
アップを一層推進する観点から、資格・勤続年
昇している。そして、加算型は低下傾向、在宅
数要件 7 が見直され、新たにⅠの区分が新設さ
強化型は上昇傾向がみられるが、それほど大き
れた。当然のことながらⅠの加算のほうが事業
な動きではなかった。
収益には寄与するが、他方、一定の資格・勤続
施設類型を移行するためには、在宅復帰・在
年数要件を満たしているということは、上述の
宅療養支援等指標の基準などを満たす必要があ
従事者 1 人当たり人件費の多寡に影響する。そ
るため、基本型から超強化型のようなジャンプ
のため、赤字施設のほうがⅠを算定している割
アップは想定しづらい。基本型と超強化型の間
合が高いという結果になったようだ。
に位置する施設類型では、下位からの移行と上
このほか、今次改定で新設された安全対策体
位への移行の両方が生じるため、大きな動きが
制加算、科学的介護推進体制加算、栄養マネジ
なかったと考えられる。
メント強化加算及び自立支援促進加算をみると、
いずれにせよ、老健に求められる役割が在宅
わずかではあるが、黒字施設のほうが算定率が
支援・在宅復帰機能である以上は、今後もこの
高いことが確認できた。
移行の流れは継続し、数年後には超強化型がも
老健が事業収益を確保するための手段の一つ
が、加算の算定である。施設によって運営方針
っとも多い施設類型になることが予想される。
(図表 8)老健の施設類型の推移
や人員確保の状況が異なるため、どの加算を算
(年度)
定するかは個々の経営判断となるが、算定率の
2018
(n=1,337)
高い加算にはそれなりの理由があるはずだ。算
2019
(n=1,348)
定要件を満たすハードルと事業収益への寄与度
や提供サービスの質の向上を比較考量し、算定
の可能性を再検討してみてはいかがだろうか。
2
38.9
35.2
2020
(n=1,525)
30.3
2021
(n=1,478)
27.5
0%
施設類型の推移
20%
基本型
超強化型
2018 年度以降、上位の施設類型への移行が
進み、超強化型は全体の 26.3%を占める
31.7
8.0 15.6
32.9
31.9
30.9
40%
加算型
その他型
8.7
10.0
24.1
11.8
60%
18.6
26.3
80%
100%
在宅強化型
療養型
なお、「令和 3 年介護サービス施設・事業所
老健がより多くの事業収益を得るためには、
調査」によると、令和 3 年 10 月 1 日時点の老
利用率の上昇、加算の算定のほか、上位の施設
健の施設数は 4,279 施設となっている。それに
類型への移行による基本報酬の引き上げも有効
対して、機構の 2021 年度の貸付先データは
な手段である。そこで、2018 年度介護報酬改
1,478 施設である。およそ 3 分の 1 の傾向を表
定で 6 類型に再編されてから、直近 2021 年度
すものである点にはご留意ねがいたいが、国が
までの施設類型の推移を確認した(図表 8)
。
まとめた施設類型の推移 8 においても、おおむ
基本型は、2018 年度の 38.9%から 2021 年度
ね同様の結果であったことから、ある程度直近
7 加算Ⅰ(22 単位/日)
:
「介護福祉士 80%以上」
「勤続 10 年以上の介護福祉士 35%以上」のいずれかに該当すること
加算Ⅱ(18 単位/日):
「介護福祉士 60%以上」
8 厚生労働省「第 183 回社会保障審議会介護給付費分科会」
(資料 2「介護老人保健施設の基本サービス費類型の推移」)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000672494.pdf
Copyright ⓒ 2023Welfare And Medical Service Agency (WAM). All rights reserved.
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算定率が低いという特徴がみられた。今次改定
は 27.5%と 11.4 ポイント低下した。一方、超
により、サービスの質の向上や職員のキャリア
強化型は 15.6%から 26.3%と 10.7 ポイント上
アップを一層推進する観点から、資格・勤続年
昇している。そして、加算型は低下傾向、在宅
数要件 7 が見直され、新たにⅠの区分が新設さ
強化型は上昇傾向がみられるが、それほど大き
れた。当然のことながらⅠの加算のほうが事業
な動きではなかった。
収益には寄与するが、他方、一定の資格・勤続
施設類型を移行するためには、在宅復帰・在
年数要件を満たしているということは、上述の
宅療養支援等指標の基準などを満たす必要があ
従事者 1 人当たり人件費の多寡に影響する。そ
るため、基本型から超強化型のようなジャンプ
のため、赤字施設のほうがⅠを算定している割
アップは想定しづらい。基本型と超強化型の間
合が高いという結果になったようだ。
に位置する施設類型では、下位からの移行と上
このほか、今次改定で新設された安全対策体
位への移行の両方が生じるため、大きな動きが
制加算、科学的介護推進体制加算、栄養マネジ
なかったと考えられる。
メント強化加算及び自立支援促進加算をみると、
いずれにせよ、老健に求められる役割が在宅
わずかではあるが、黒字施設のほうが算定率が
支援・在宅復帰機能である以上は、今後もこの
高いことが確認できた。
移行の流れは継続し、数年後には超強化型がも
老健が事業収益を確保するための手段の一つ
が、加算の算定である。施設によって運営方針
っとも多い施設類型になることが予想される。
(図表 8)老健の施設類型の推移
や人員確保の状況が異なるため、どの加算を算
(年度)
定するかは個々の経営判断となるが、算定率の
2018
(n=1,337)
高い加算にはそれなりの理由があるはずだ。算
2019
(n=1,348)
定要件を満たすハードルと事業収益への寄与度
や提供サービスの質の向上を比較考量し、算定
の可能性を再検討してみてはいかがだろうか。
2
38.9
35.2
2020
(n=1,525)
30.3
2021
(n=1,478)
27.5
0%
施設類型の推移
20%
基本型
超強化型
2018 年度以降、上位の施設類型への移行が
進み、超強化型は全体の 26.3%を占める
31.7
8.0 15.6
32.9
31.9
30.9
40%
加算型
その他型
8.7
10.0
24.1
11.8
60%
18.6
26.3
80%
100%
在宅強化型
療養型
なお、「令和 3 年介護サービス施設・事業所
老健がより多くの事業収益を得るためには、
調査」によると、令和 3 年 10 月 1 日時点の老
利用率の上昇、加算の算定のほか、上位の施設
健の施設数は 4,279 施設となっている。それに
類型への移行による基本報酬の引き上げも有効
対して、機構の 2021 年度の貸付先データは
な手段である。そこで、2018 年度介護報酬改
1,478 施設である。およそ 3 分の 1 の傾向を表
定で 6 類型に再編されてから、直近 2021 年度
すものである点にはご留意ねがいたいが、国が
までの施設類型の推移を確認した(図表 8)
。
まとめた施設類型の推移 8 においても、おおむ
基本型は、2018 年度の 38.9%から 2021 年度
ね同様の結果であったことから、ある程度直近
7 加算Ⅰ(22 単位/日)
:
「介護福祉士 80%以上」
「勤続 10 年以上の介護福祉士 35%以上」のいずれかに該当すること
加算Ⅱ(18 単位/日):
「介護福祉士 60%以上」
8 厚生労働省「第 183 回社会保障審議会介護給付費分科会」
(資料 2「介護老人保健施設の基本サービス費類型の推移」)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000672494.pdf
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