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2021年度(令和3年度)介護老人保健施設の経営状況について (5 ページ)
出典
公開元URL | https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r4/ |
出典情報 | 2021年度(令和3年度)介護老人保健施設の経営状況について(2/1)《福祉医療機構》 |
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2022-009
人件費率、経費率、従事者 1 人当たり事業収益
2021 年度との間で、黒字・赤字別にどのよう
などの各指標をみても、黒字施設と赤字施設に
な動きをしているかを確認した(図表 6)
。
違いがあるのは明白だが、それらは事業収益に
黒字・赤字や年度を問わず、どの入所経路を
関する指標が低いことが発端と考えられる。つ
みても、家庭と医療機関の合計が 9 割以上を占
まり、定員規模に応じた施設運営に必要となる
めており、この 2 つが入所経路の柱であること
事業収益の確保が課題となっている可能性があ
に変化はないようだ。ただし、その内訳をみる
るということだ。
と、赤字施設の家庭からの入所が 31.3%から
38.9%と 7.6 ポイント上昇しているのに対して、
(図表 5)黒字赤字別 2021 年度老健の経営状況
指標名
単位
-
施設数
黒字
赤字
医療機関からの入所は 59.8%から 54.2%と 5.6
差(黒字
-赤字)
979
499
-
ポイント低下している。黒字施設も同様の傾向
だ。
入所
人
102.2
96.9
5.3
通所
人
44.2
43.2
1.0
入所
%
89.3
85.4
3.9
通所
%
63.3
58.5
4.8
要介護度(入所)
-
3.16
3.15
0.01
介護職員処遇改善加
算(I)算定率
%
91.2
86.8
4.4
利用者 1 人 入所
1 日当たり
事業収益 通所
円
14,451
14,303
148
円
10,965
10,963
2
人件費率
%
58.9
67.6
△ 8.7
経費率
%
19.3
22.5
△ 3.2
事業利益率
%
7.1
△ 6.2
13.3
経常利益率
%
7.6
△ 5.9
13.5
6.45
7.01
△ 0.56
7,458
6,844
614
支援機能」の流れ。2 つ目は、「コロナ禍による
4,394
4,626
△ 232
医療機関の利用率の低下」による一時的な落ち
定員数
利用率
利用者 10 人当たり従
人
事者数
従事者 1 人当たり事
千円
業収益
従事者 1 人当たり人
千円
件費
1.4
(図表 6)黒字赤字別 老健の入所経路の推移
2017赤字
(n=267)
2021赤字
(n=499)
31.3
59.8
38.9
2017黒字
(n=1,055)
2021黒字
(n=979)
54.2
31.7
59.0
34.4
0%
家庭
6.0
56.9
4.4
6.3
5.6
50%
医療機関
介護施設
100%
その他
この動きには 3 つの要因が考えられる。1 つ
目は、老健の役割である「在宅復帰・在宅療養
込み。3 つ目は、2018 年度診療報酬改定におけ
る「地域包括ケア病棟入院料の在宅復帰先から
黒字施設・赤字施設別の入所経路
の除外」による影響だ。
黒字・赤字施設とも、家庭からの入所割合が
上昇し、医療機関からの入所割合が低下
例えば、黒字施設において、2 つ目と 3 つ目
の影響はそれほど生じず、医療機関からの入所
それでは、事業収益の確保にあたって、黒字
を維持したまま、1 つ目の影響で家庭からの入
施設と赤字施設との間で、どのような特徴がみ
所が増加すれば、家庭の比率は高まる。逆に、
られるのかをみていきたい。
赤字施設において、2 つ目と 3 つ目の影響を大
まずは、利用率にもっとも影響しているであ
きく受けて医療機関が減少した場合にも、家庭
ろう入所経路について、2018 年度介護報酬改
の比率は相対的に高まる結果となる。それぞれ
定で現在の 6 類型となる前である 2017 年度と
の置かれた状況はまったく異なるが、黒字施設
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人件費率、経費率、従事者 1 人当たり事業収益
2021 年度との間で、黒字・赤字別にどのよう
などの各指標をみても、黒字施設と赤字施設に
な動きをしているかを確認した(図表 6)
。
違いがあるのは明白だが、それらは事業収益に
黒字・赤字や年度を問わず、どの入所経路を
関する指標が低いことが発端と考えられる。つ
みても、家庭と医療機関の合計が 9 割以上を占
まり、定員規模に応じた施設運営に必要となる
めており、この 2 つが入所経路の柱であること
事業収益の確保が課題となっている可能性があ
に変化はないようだ。ただし、その内訳をみる
るということだ。
と、赤字施設の家庭からの入所が 31.3%から
38.9%と 7.6 ポイント上昇しているのに対して、
(図表 5)黒字赤字別 2021 年度老健の経営状況
指標名
単位
-
施設数
黒字
赤字
医療機関からの入所は 59.8%から 54.2%と 5.6
差(黒字
-赤字)
979
499
-
ポイント低下している。黒字施設も同様の傾向
だ。
入所
人
102.2
96.9
5.3
通所
人
44.2
43.2
1.0
入所
%
89.3
85.4
3.9
通所
%
63.3
58.5
4.8
要介護度(入所)
-
3.16
3.15
0.01
介護職員処遇改善加
算(I)算定率
%
91.2
86.8
4.4
利用者 1 人 入所
1 日当たり
事業収益 通所
円
14,451
14,303
148
円
10,965
10,963
2
人件費率
%
58.9
67.6
△ 8.7
経費率
%
19.3
22.5
△ 3.2
事業利益率
%
7.1
△ 6.2
13.3
経常利益率
%
7.6
△ 5.9
13.5
6.45
7.01
△ 0.56
7,458
6,844
614
支援機能」の流れ。2 つ目は、「コロナ禍による
4,394
4,626
△ 232
医療機関の利用率の低下」による一時的な落ち
定員数
利用率
利用者 10 人当たり従
人
事者数
従事者 1 人当たり事
千円
業収益
従事者 1 人当たり人
千円
件費
1.4
(図表 6)黒字赤字別 老健の入所経路の推移
2017赤字
(n=267)
2021赤字
(n=499)
31.3
59.8
38.9
2017黒字
(n=1,055)
2021黒字
(n=979)
54.2
31.7
59.0
34.4
0%
家庭
6.0
56.9
4.4
6.3
5.6
50%
医療機関
介護施設
100%
その他
この動きには 3 つの要因が考えられる。1 つ
目は、老健の役割である「在宅復帰・在宅療養
込み。3 つ目は、2018 年度診療報酬改定におけ
る「地域包括ケア病棟入院料の在宅復帰先から
黒字施設・赤字施設別の入所経路
の除外」による影響だ。
黒字・赤字施設とも、家庭からの入所割合が
上昇し、医療機関からの入所割合が低下
例えば、黒字施設において、2 つ目と 3 つ目
の影響はそれほど生じず、医療機関からの入所
それでは、事業収益の確保にあたって、黒字
を維持したまま、1 つ目の影響で家庭からの入
施設と赤字施設との間で、どのような特徴がみ
所が増加すれば、家庭の比率は高まる。逆に、
られるのかをみていきたい。
赤字施設において、2 つ目と 3 つ目の影響を大
まずは、利用率にもっとも影響しているであ
きく受けて医療機関が減少した場合にも、家庭
ろう入所経路について、2018 年度介護報酬改
の比率は相対的に高まる結果となる。それぞれ
定で現在の 6 類型となる前である 2017 年度と
の置かれた状況はまったく異なるが、黒字施設
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