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資料3-9-② 森本先生提出資料 (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第116回 2/8)《厚生労働省》
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1.

要約
長崎大学熱帯医学研究所を中心とする研究チームは、全国の医療機関 (病院および診療所)と協力

し、新型コロナワクチンの有効性を評価する研究を 2021 年 7 月 1 日から行っている。第 8 報では全国
的に新型コロナウイルスのオミクロン株の亜系統である BA.5 が流行した 2022 年 7 月 1 日から 9 月 30
日に、急性呼吸器感染症を疑う症状または新規の肺炎像があり入院を要した 16 歳以上の患者情報を
用い、検査陰性デザインの症例対照研究を用い、国内での同期間の 16 歳以上における新型コロナワ
クチンの入院予防の有効性を評価した。加えて、オミクロン株が流行した 2022 年 1 月 1 日から 9 月 30
日に新型コロナウイルス感染症で入院した 16 歳以上の患者情報を使用し、国内での同期間の入院患
者における新型コロナワクチンの重症化予防の有効性をまとめた。
入院予防の有効性の評価では、16 歳以上の 727 名 (うち検査陽性者 299 名)が解析対象となった。
年齢中央値は 80 歳であり、71.4%に基礎疾患があった。ファイザー社製 (BNT162b2)またはモデルナ社
製 (mRNA-1273)いずれかの新型コロナワクチンの 2 回接種完了 (接種後 14 日以上経過)の入院予防
の有効性は 58.2% (95%信頼区間: 2.7~82.0%)、3 回接種完了の有効性は 72.8% (95%信頼区間: 46.6~
86.2%)、4 回目接種完了の有効性は 84.8% (95%信頼区間: 66.4~93.1%)と推定された。
重症化予防の有効性の評価では、16 歳以上の 789 名 (うち重症者 98 名)が解析対象となった。年
齢中央値は 79 歳であり、67.4%に基礎疾患があった。ファイザー社製 (BNT162b2)またはモデルナ社製
(mRNA-1273)いずれかの新型コロナワクチンの 2 回接種完了の重症化予防の有効性は 16.3% (95%信
頼区間: -70.0~58.8%)、3 回接種完了の有効性は 56.9% (95%信頼区間: 8.7~79.6%)、4 回目接種完了
の有効性は 78.2% (95%信頼区間: 18.2~94.2%)と推定された。
本報告は 2022 年 7 月 1 日から 9 月 30 日の 16 歳以上における新型コロナワクチンの入院予防の
有効性および 2022 年 1 月 1 日から 9 月 30 日の 16 歳以上の入院した新型コロナウイルス感染症患
者において、新型コロナワクチンの重症化予防の有効性を評価したものである。上記期間において、2
回以上の新型コロナワクチン接種の入院予防の有効性および 3 回以上の新型コロナワクチン接種の
入院患者における重症化予防の有効性を確認した。接種回数が増えるにつれて、有効性が上昇してい
るが、接種回数の少ないものは最終接種日からの経過日数が長い傾向にあるため、最終接種日から
の時間経過による有効性の低下を示している可能性がある。
本報告は暫定値であるが公衆衛生学的意義を鑑みつつ報告した。本報告は長期サーベイランス研
究の一部であり、2022 年 1 月 1 日から 9 月 30 日の対象期間内でも未集計の情報も多数あるため、今
後結果が変わる可能性があり、随時アップデートした結果を報告する予定である。

2.

背景
2021 年 7 月 1 日から長崎大学熱帯医学研究所を中心とした研究チームは、全国の医療機関 (病院

および診療所)と協力し、新型コロナワクチンの有効性を経時的に評価するサーベイランス研究
(Vaccine Effectiveness Real-time Surveillance for SARS-CoV-2 (VERSUS) study)を開始した (1)。これ
までに、国内で導入されている新型コロナワクチンに関して発症予防の有効性を評価し、明らかにして
きた (2-8)。本研究チームは、発症予防研究に加えて、2022 年 7 月 1 日から入院予防・重症化予防の
研究を開始した。
第 8 報では、全国的に新型コロナウイルスのオミクロン株の亜系統である BA.5 が流行した 2022 年 7
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