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資料2-2 MID-NET・NDB の行政利活用の調査実施状況について (10 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31510.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和4年度第4回 3/2)《厚生労働省》 |
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腎機能障害患者におけるビスホスホネート製剤と低 Ca 血症との関連
本調査で用いた血清 Ca 値については、96.4%が ALB による補正値で、正常群に対
する低 Ca 血症の調整ハザード比の点推定値は、軽度群、中等度群、高度群におい
て、それぞれ 1.85、2.30、22.74 であり、腎機能障害の程度が重いほど点推定値は
高く、高度群では、顕著かつ統計的に有意な上昇が認められた(表 1)。
表 1.骨粗鬆症の診断があるビスホスホネート製剤の新規処方患者における腎機能区分と低
Ca 血症発現の関連
腎機能
区分
患者数
(人)
総追跡期間
(人年)
低 Ca 血症
発現数
(人)
ハザード比*
(95%信頼区間)
調整ハザード比*†
(95%信頼区間)
正常
2,601
755.01
< 10‡
1 (reference)
1 (reference)
軽度
7,613
2826.23
27
1.44 (0.59 3.49)
1.85 (0.75 4.57)
中等度
3,919
1374.43
16
1.69 (0.66 4.31)
2.30 (0.86 6.21)
高度
418
99.57
16 18.60 (7.27 - 47.54)
22.74 (8.37 - 61.78)
*
Cox 比例ハザードモデルにより推定。
†
調整因子:t0 時点での性別と年齢(65 歳未満、65 歳以上 75 歳未満、75 歳以上)
、ベースライン
における各合併症(副甲状腺機能低下症、ビタミン D 欠乏症、マグネシウム異常)の有無および
各併用薬(エルカトニン、ステロイド、カルシウム製剤、ビタミン D 製剤、ソラフェニブトシル
酸塩、レンバチニブメシル酸塩、バンデタニブ、エンビオマイシン硫酸塩、リン酸二水素ナトリ
ウム一水和物・無水リン酸水素二ナトリウム)の有無
‡
MID-NET®の公表基準に基づき 10 未満の患者数が特定できないようマスクしている。
成分別のサブグループ解析では、処方患者が最も多かったアレンドロン酸ナトリ
ウム水和物(n=7,972)における各群の調整ハザード比(95%信頼区間)は、軽度群
1.66(0.55-5.00)、中等度群 2.31(0.70-7.69)、高度群 16.03(4.68-54.96)であり、
全体の結果と同様な傾向が認められた。また、ミノドロン酸水和物(n=2,332)及
びリセドロン酸ナトリウム水和物(n=4,011)においても同様な傾向が認められた。
その他の 3 成分(いずれも n<120*)では、対象患者数が少なく、多くの群で低 Ca
血症の発現が認められず、調整ハザード比を算出できなかった。
年齢区分別のサブグループ解析では、65 歳未満(n=4,954)における各群の調整ハ
ザード比(95%信頼区間)は、軽度群 2.56(0.73-8.93)、中等度群 3.87(0.92-16.27)、
高度群 52.76(12.80-217.38)であり、全体の結果と同様な傾向が認められた。また、
65 歳以上 75 歳未満(n=4,286)においては、低 Ca 血症の発現数が少なかったため
慎重に解釈する必要があるが、各群の調整ハザード比(95%信頼区間)は、軽度群
0.28(0.06-1.43)、中等度群 0.42(0.07-2.53)、高度群 2.84(0.28-28.45)であり、
腎機能障害の程度が重いほど調整ハザード比の点推定値が上昇する傾向は同様で
あった。75 歳以上(n=5,311)では、正常群の患者数が少なく、正常群に低 Ca 血症
の発現が認められなかったため調整ハザード比を算出できなかったものの、低 Ca
血症の発現率(95%信頼区間)(人/人年)†は、軽度群 0.014(0.005-0.023)、中等
度群 0.013(0.004-0.022)、高度群 0.131(0.045-0.217)であり、高度群において低
Ca 血症の発現が増加する傾向は同様であった。
感度解析としての低 Ca 血症(ベースライン Ca 値から 20%以上の低下)の検討で
は、ベースライン Ca 値が特定された患者のみを対象集団(n=10,111)としており、
正常群に対する低 Ca 血症の調整ハザード比(95%信頼区間)は、軽度群 0.67(0.163
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腎機能障害患者におけるビスホスホネート製剤と低 Ca 血症との関連
本調査で用いた血清 Ca 値については、96.4%が ALB による補正値で、正常群に対
する低 Ca 血症の調整ハザード比の点推定値は、軽度群、中等度群、高度群におい
て、それぞれ 1.85、2.30、22.74 であり、腎機能障害の程度が重いほど点推定値は
高く、高度群では、顕著かつ統計的に有意な上昇が認められた(表 1)。
表 1.骨粗鬆症の診断があるビスホスホネート製剤の新規処方患者における腎機能区分と低
Ca 血症発現の関連
腎機能
区分
患者数
(人)
総追跡期間
(人年)
低 Ca 血症
発現数
(人)
ハザード比*
(95%信頼区間)
調整ハザード比*†
(95%信頼区間)
正常
2,601
755.01
< 10‡
1 (reference)
1 (reference)
軽度
7,613
2826.23
27
1.44 (0.59 3.49)
1.85 (0.75 4.57)
中等度
3,919
1374.43
16
1.69 (0.66 4.31)
2.30 (0.86 6.21)
高度
418
99.57
16 18.60 (7.27 - 47.54)
22.74 (8.37 - 61.78)
*
Cox 比例ハザードモデルにより推定。
†
調整因子:t0 時点での性別と年齢(65 歳未満、65 歳以上 75 歳未満、75 歳以上)
、ベースライン
における各合併症(副甲状腺機能低下症、ビタミン D 欠乏症、マグネシウム異常)の有無および
各併用薬(エルカトニン、ステロイド、カルシウム製剤、ビタミン D 製剤、ソラフェニブトシル
酸塩、レンバチニブメシル酸塩、バンデタニブ、エンビオマイシン硫酸塩、リン酸二水素ナトリ
ウム一水和物・無水リン酸水素二ナトリウム)の有無
‡
MID-NET®の公表基準に基づき 10 未満の患者数が特定できないようマスクしている。
成分別のサブグループ解析では、処方患者が最も多かったアレンドロン酸ナトリ
ウム水和物(n=7,972)における各群の調整ハザード比(95%信頼区間)は、軽度群
1.66(0.55-5.00)、中等度群 2.31(0.70-7.69)、高度群 16.03(4.68-54.96)であり、
全体の結果と同様な傾向が認められた。また、ミノドロン酸水和物(n=2,332)及
びリセドロン酸ナトリウム水和物(n=4,011)においても同様な傾向が認められた。
その他の 3 成分(いずれも n<120*)では、対象患者数が少なく、多くの群で低 Ca
血症の発現が認められず、調整ハザード比を算出できなかった。
年齢区分別のサブグループ解析では、65 歳未満(n=4,954)における各群の調整ハ
ザード比(95%信頼区間)は、軽度群 2.56(0.73-8.93)、中等度群 3.87(0.92-16.27)、
高度群 52.76(12.80-217.38)であり、全体の結果と同様な傾向が認められた。また、
65 歳以上 75 歳未満(n=4,286)においては、低 Ca 血症の発現数が少なかったため
慎重に解釈する必要があるが、各群の調整ハザード比(95%信頼区間)は、軽度群
0.28(0.06-1.43)、中等度群 0.42(0.07-2.53)、高度群 2.84(0.28-28.45)であり、
腎機能障害の程度が重いほど調整ハザード比の点推定値が上昇する傾向は同様で
あった。75 歳以上(n=5,311)では、正常群の患者数が少なく、正常群に低 Ca 血症
の発現が認められなかったため調整ハザード比を算出できなかったものの、低 Ca
血症の発現率(95%信頼区間)(人/人年)†は、軽度群 0.014(0.005-0.023)、中等
度群 0.013(0.004-0.022)、高度群 0.131(0.045-0.217)であり、高度群において低
Ca 血症の発現が増加する傾向は同様であった。
感度解析としての低 Ca 血症(ベースライン Ca 値から 20%以上の低下)の検討で
は、ベースライン Ca 値が特定された患者のみを対象集団(n=10,111)としており、
正常群に対する低 Ca 血症の調整ハザード比(95%信頼区間)は、軽度群 0.67(0.163
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