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資料4-1 感染症定期報告感染症別文献一覧表 (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31510.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和4年度第4回 3/2)《厚生労働省》
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ID

感染症(PT)

出典

概要

○新型コロナウイルスに感染した発症前の供血者血漿からSARS-CoV-2 RNAは頻繁に検出されるが感染性はな
い。インフルエンザなどの呼吸器系ウイルスは通常ウイルス血症とはならないが、SARS-CoV-2は軽症から重症
のCOVID-19患者の血液中から検出されている。ただし、検出された血中ウイルスの病原性については明確にされ
ていない。供血後にCOVID-19の症状を発症した、またはCOVID-19と診断された旨の情報を供血後情報として報
告した供血者の動向は、一般集団におけるCOVID-19死亡率の上昇に先行または一致していた。COVID-19関連
の供血後情報を報告した供血者2,250名の血漿検体についてSARS-CoV-2 RNAを検査した。RNA血症の検出率
J Clin Invest.
132(17)(2022)e159876 は、2020年後期から2021年初期に供血後情報報告者の9%~15%とピークに達し、国民への広範囲なワクチン接
種開始後は約4%に低下した。RNA血症の供血者は、RNA血症が認められないがウイルスに感染している供血者
と比較して、咳や息切れを訴える割合が1.2~1.4倍、味覚や嗅覚の変化を訴える割合が1.8倍であった。レセプター
遺伝子を導入して作成したウイルス感受性細胞株及びウイルス感受性マウスを用いて評価したところ、RNA血症
供血者の血漿から感染性ウイルスは検出されなかった。以上の結果より、輸血によるSARS-CoV-2感染は極めて
起こりにくいと考えられる。

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SARS-CoV2RNA

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背景:SARS-CoV-2は、ヒトからペット動物を含む他の哺乳類への感染が報告されている。しかし、養殖ミンクを除
いて、これらの感染動物がヒトに感染すること、およびヒトの間でさらに伝播することを示す過去の記録はない。今
回、ペットショップ店員のSARS-CoV-2感染が確認された後、店舗内および店舗に供給している倉庫内の動物につ
いてSARS-CoV-2感染の有無を検査した。
検査方法:ペットショップおよびペットショップに供給している倉庫で、ペット動物のウイルス綿棒および血液を採取
し、それぞれSARS-CoV-2 RT-PCRおよび血清学的検査で検査した。SARS-CoV-2 RT-PCR陽性サンプルは、フ
ルゲノムシークエンス解析により調査した。
所見:ペットショップ(8/16)と倉庫(7/12)で個別に検査したシリアンハムスターの50%以上がRT-PCRまたは血清
検査でSARS-CoV-2感染に陽性であった。ドワーフハムスター(n = 77)、ウサギ(n = 246)、モルモット(n = 66)、チ
SSRNホームページ.
SARS-CoV-2検
http://dx.doi.org/10.21 ンチラ(n = 116)およびマウス(n = 2)のいずれも、RT-PCR検査で陽性と確認されたものはない。今回のヒトおよび
査陽性
39/ssrn.4017393
ハムスターの症例から推定されたSARS-CoV-2ウイルスのゲノムは、いずれもそれ以前に局所的に流行していな
かったとされるデルタ変異型(AY.127)に属するものであることが判明した。これらの配列は非常に類似している
が、異なるものである。ハムスターから得られたウイルスゲノムは、系統的に関連しているが、いくつかの配列の異
質性があり、系統的な年代測定から、これらのハムスターの感染は2021年11月21日頃に起こったことが示唆され
る。ヒトへの感染は2回あり、1回目は家庭内伝播につながったことが記録されている。
解釈:ペットのハムスターは生活の中で自然感染する可能性がある。ウイルスがハムスター内で循環し、ヒトへの
感染につながる可能性がある。遺伝学的、疫学的な結果は、2つの別々のハムスターからヒトへの感染があったこ
と、そしてそのような事象がヒトへの感染につながることを強く示唆するものであった。感染したハムスターの輸入
が最も可能性の高いウイルス感染源であった。

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インフルエンザ

Viruses. 14(2022)423

インフルエンザD型ウイルス(IDV)は2011年に初めて報告され、主に世界中のウシ集団とブタ集団の間で循環する
ことが見出されている。米国での最初の発見以降、メキシコ、カナダ、アジア(中国、日本)、欧州(フランス、アイル
ランド、イタリア、ルクセンブルク、英国)での検出が報告されており、欧州では2012年のフランスが最初の報告であ
る。IDVはウシに軽度から中等度の呼吸器徴候を引き起こし、多数の病原体、環境、免疫状態などの多様な要因と
関連するウシ呼吸器疾患と関係している。IDVの人獣共通感染性は不明だが、モルモットとフェレットで複製可能で
あること、ウシに職業的に曝露する集団や一般集団で特異的抗体が検出されていることから、IDVが人獣共通感
染症であるという可能性が支持される。本研究では2018-2020年にデンマークの100の集約的商業ウシ集団(乳牛
集団83、仔牛集団17)から鼻腔スワブ試料を採取し、ハイスループットリアルタイムPCRでIDVの存在について試験
した。2015年に仔牛集団から採取した気管支肺胞洗浄サンプルも試験した。12集団(乳牛集団1、仔牛集団11)で
IDVが検出された。最小サイクル定量値を有する試料を全ゲノム配列決定のために選択した。2015年に採取した
デンマークのIDV由来のヘマグルチニン-エステラーゼ融合遺伝子配列も本研究に含めた。系統発生解析は、IDV
陽性集団のうち7集団でウイルスがD/OK系統に属し、2015年に採取したIDVとともにHEF系統樹でクラスター化す
ることを示した。他の4集団由来のウイルスはD/660系統に属し、このうち3株は密接にクラスター化したが、4株目
のウイルスはすべての遺伝子セグメントにおいて系統発生的により離れていた。D/660系統は2018年まで欧州で
報告されておらず、2018年3月にフランスからイタリアに輸入されたウシから初めて検出され、その後イタリアでは
D/OK株よりもD/660株の方が多く発見されており遺伝子型シフトが進行中であることを示している。本研究で分析
したサンプル数は限られているが、デンマークでも同様の遺伝子型シフトが起きているようである。本研究では仔
牛集団の1つの所有者が乳牛集団から仔牛を購入し、直接輸送した。この仔牛集団と乳牛集団から検出されたIDV
には高度な遺伝的類似性が認められたため、感染個体の移動を介してウイルス伝播起こったことが示唆される。
本研究は、デンマークの仔牛におけるIDVの特性評価を記述した初めての研究である。

インフルエンザ

CDC FluView.
2022/02/12

カリフォルニア州から新型インフルエンザA(H1N2)亜種ウイルスによるヒト感染症が1件報告された。患者は、18歳
以上の成人であり、入院せずに回復した。患者は、検体採取前にブタと直接接触していた。患者の接触者に呼吸
器疾患が報告されたが、これは呼吸器疾患の活動が活発な時期に発生し、接触者からの検査用検体は採取され
なかった。本症例に関連する継続的なヒトからヒトへの感染は確認されていない。

Front Microbiol.
13(2022)793348

子宮頸癌とヒトパピローマウイルス、肝癌とB型およびC型肝炎ウイルスなどヒトの癌の約20%はウイルス性病原
体と関連している。乳癌組織に存在するいくつかのウイルスマーカーから、ウイルスが乳癌を引き起こす可能性に
ついて長年研究されている。ウシ白血病ウイルス(BLV)はデルタレトロウイルス属のヒトT細胞白血病ウイルスと
同じグループに分類されるウイルスで、世界中に分布しウシの有病率は10-90%、最も高い北米と南米では7090%である。初期のBLV研究ではヒトとBLVとの間のいかなる関係も検出することはできなかったが、現在では、地
域によってBLVがヒトの乳癌のリスク因子となるという研究や、ヒトにおけるBLVバイオマーカー検出など、ヒトにお
けるウイルスの存在に関するエビデンスが増加しており、BLVが人畜共通病原体であるという仮説が強化されてい
る。しかしヒトにおける伝達経路や生物学的機序に関する十分なエビデンスは存在しない。本研究では、実験室の
制御条件下における様々な組織由来のヒト細胞株のBLV感受性について、実験的エビデンスを収集することを目
的とした。BLVに恒常的に感染した胎児ヒツジ腎臓細胞をウイルス貯蔵庫として用い、ヒト細胞株はRaji細胞、HS27細胞、MCF102A細胞、MCF7細胞、CaSki細胞、G361細胞、293T細胞、DLD-I細胞、iSLK細胞を用いた。cell-tocell感染モデルを用いてBLV感染FLK細胞とヒト細胞を共培養し、採取した感染ヒト細胞を3-6か月間培養して感染
の安定性を測定した。BLV検出は液相PCRにより行い、in situ PCRにより可視化した。9つの細胞株のうち7つは3
か月間の培養期間中に最低1回は液相PCRで陽性であり、BLV感染に感受性であることを示した。iSLK細胞と
MCF7細胞では3か月間を通して安定した感染が示され、凍結、解凍後にも長期にわたって陽性を示した。研究結
果はBLV感染に対するヒト細胞の感受性を示すことにより、ヒトにおけるBLV感染の実験的エビデンスを支持し、ウ
シからヒトへの自然伝播の仮説を支持する。

ProMED-mail
20220809.8704953

情報源:The New England Journal of Medicine
中国東部で最近動物との接触歴のある発熱患者を対象にした定点把握(調査)の結果、1名の患者の咽頭ぬぐい
液から異なる系統のLangya henipavirus(LayV)がメタゲノム解析とウイルス分離により同定された。その後の調査
で、中国の山東省と河南省で35名の急性LayV感染が確認され、そのうち26名がLayVのみに感染していた(他の病
原体はない)。これらの26名の患者は、発熱(患者の100%)、疲労(54%)、咳(50%)、食欲不振(50%)、筋肉痛
(46%)、吐き気(38%)、頭痛(35%)、嘔吐(35%)、血小板減少症(35%)、白血球減少症(54%)、肝臓(35%)お
よび腎臓(8%)機能の異常を伴っていた。家畜の血清調査では、ヤギ(2%)およびイヌ(5%)で陽性を認め、また、
25種の野生小動物のうち、LayV RNAはトガリネズミ(27%)で多く検出され、トガリネズミがLayVの自然保菌の可能
性が示唆された。本研究では、新たに同定された動物由来と思われるヘニパウイルスが発熱性疾患と関連してお
り、ヒトの疾患との関連性をより深く確認する調査が必要であると思われる等について記載。(2022年8月10日付
け)

ウイルス感染

ウイルス感染

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