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資料 1 - 1 前回の議論を受けて修正した個票(新規の疾病追加について研究班から 情報提供のあった疾病) (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31825.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第51回 3/22)《厚生労働省》
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TRPV4 異常症
○ 概要
1. 概要
カルシウムイオン透過性チャンネルである TRPV4 (transient receptor potential cation
channel, subfamily V, member 4)の遺伝子異常によって発症する症候群で、①変容性骨異形
成症 Metatropic dysplasia、②脊椎骨端骨幹端異形成症 Maroteaux 型(偽性 Morquio 症候群
2 型)Spondyloepimetaphyseal dysplasia, Maroteaux type (pseudo-Morquio syndrome type 2)、
③脊椎骨幹端異形成症 Kozlowski 型 Spondylometaphyseal dysplasia, Kozlowski type、④短
体幹症 Brachyolmia, autosomal dominant type、⑤短指を伴う家族性指関節症 Familial digital
arthropathy with brachydactyly 等が含まれる。いずれの疾患においても扁平椎、関節の腫大
および拘縮、低身長などを共通の表現型とする。重症度は様々であるが、四肢および脊柱の
変形、早発性の変形性関節症や変形性脊椎症に対する整形外科的な対応を要することが多
い。
2. 原因
TRPV4 の機能獲得型変異により内軟骨性骨化が障害されることにより発症すると考えら
れているが、発症メカニズムの詳細は明らかではない。また、遺伝子変異と表現型との関連
に関しても不明な点が多い。
3. 症状
変容性骨異形成症は出生時には四肢短縮型低身長を呈するが、成長とともに脊柱変形が
増悪して体幹短縮型低身長に変容する。尾骨部に認める尻尾のような皮膚のヒダは臨床的
特徴である。胸郭は狭く、呼吸障害のため致死性となる重症例もある。四肢の大関節は著明
に腫大して可動域制限をきたす。脊柱変形は進行性で治療に抵抗する。環軸椎不安定性に
よる脊髄症を生じることがある。X 線所見としては、ダンベル状の長管骨、鉾槍状の腸骨、著
しい扁平椎などが特徴である。脊椎骨端骨幹端異形成症 Maroteaux 型(偽性 Morquio 症候
群 2 型)は低身長、手指・足趾の短縮、扁平椎などを呈するが、脊柱変形は軽度なことが多
い。手指では早発性の変形性関節症を生じる。脊椎骨幹端異形成症 Kozlowski 型は体幹短
縮型低身長を呈し、樽状の胸郭、脊柱変形、関節拘縮、下肢変形などを特徴とする。X 線所
見としては扁平椎が著明で、椎体の前後径および左右径は増大し、正面像で椎体辺縁が椎
弓根より著しく外方に存在する(open staircase appearance)。短体幹症も体幹短縮型低身長
を呈するが、扁平椎の程度は強いが四肢の短縮は軽度なことが特徴である。短指を伴う家
族性指関節症では脊柱や四肢に明らかな病変を認めず、手指の変形性関節症が進行する。

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