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参考資料3_今後のがん研究のあり方について(報告書) (8 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34414.html |
出典情報 | 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第13回 7/27)《厚生労働省》 |
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2.現在の課題
がんの年齢調整死亡率は低下傾向にある。各々の臓器別に見ると、膵がん、
直腸がん、女性では肺がんや卵巣がんでは横ばいとなっているものの、多くの
がんで死亡率は減少に転じている。しかし、罹患率は粗罹患率、年齢調整罹患
率ともに、その度合いは鈍ってきているものの増加傾向が続いており、激減へ
の傾向は認められない。このことから、研究を含めたがん対策は全体として効
果を上げてきたものの、
「第3次対がん10か年総合戦略」で掲げた「がんの罹
患率と死亡率の激減」というテーマが達成されたとは言い難い。
これからのがん研究は、
「基本計画」の全体目標とそれを踏まえた「Ⅱ,目標
とするがん医療と社会の姿(今後のあるべき方向性)」を達成するため、以下の
課題を解決する必要がある。
がん医療の開発につながる研究についての課題としては、
・がんの本態解明に関しては、殆どのがんに関して、その転移・再発例は未だ
根治に至ることが少ないことから、がんの多様性・可塑性の解明が不十分で
あり、その制御法が確立していないことが示唆されること。また、高齢者の
がんについては、若年者とは生物学的特性が異なることが指摘されているが、
その本態が十分に解明されているとはいえないこと。
・ドラッグ・ラグは、企業が米国と日本の審査機関に申請する時期の差で示さ
れる開発ラグと申請から承認までの期間の差である審査ラグからなり、未承
認薬※1の審査ラグについては平成18年度の14ヶ月から平成22年度には
2ヶ月に短縮されているものの、開発ラグは同年度で14ヶ月から12ヶ月
と短縮幅が小さいこと。適応外薬※2の審査ラグ・開発ラグについて、その現
状が把握ができていないこと。
※1:未承認薬とは、海外では有効性が証明され、承認・販売されているにもかかわ
らず、日本では承認・販売されていない薬剤のこと
※2:適応外薬とは、日本で承認・販売されているが、適応症が異なり、日本では一
部の適応症に使用できない薬剤のこと
・創薬開発においては、主に応用研究や非臨床試験までの創薬研究に対して切
れ目のない実用化支援が不足していることが指摘されており、基礎研究から
臨床研究への間にいわゆる「死の谷」が存在するため、日本発のがん治療薬
に関する創薬研究の成果が実用化された事例が未だ少ないこと
・医療技術開発においては、デバイス・ラグを解消することが求められている
他、治療効果を保ちつつ患者の負担を軽減した低侵襲な医療技術の更なる開
発のための医工連携をはじめとする学問横断的な取組が未だ十分ではないこ
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がんの年齢調整死亡率は低下傾向にある。各々の臓器別に見ると、膵がん、
直腸がん、女性では肺がんや卵巣がんでは横ばいとなっているものの、多くの
がんで死亡率は減少に転じている。しかし、罹患率は粗罹患率、年齢調整罹患
率ともに、その度合いは鈍ってきているものの増加傾向が続いており、激減へ
の傾向は認められない。このことから、研究を含めたがん対策は全体として効
果を上げてきたものの、
「第3次対がん10か年総合戦略」で掲げた「がんの罹
患率と死亡率の激減」というテーマが達成されたとは言い難い。
これからのがん研究は、
「基本計画」の全体目標とそれを踏まえた「Ⅱ,目標
とするがん医療と社会の姿(今後のあるべき方向性)」を達成するため、以下の
課題を解決する必要がある。
がん医療の開発につながる研究についての課題としては、
・がんの本態解明に関しては、殆どのがんに関して、その転移・再発例は未だ
根治に至ることが少ないことから、がんの多様性・可塑性の解明が不十分で
あり、その制御法が確立していないことが示唆されること。また、高齢者の
がんについては、若年者とは生物学的特性が異なることが指摘されているが、
その本態が十分に解明されているとはいえないこと。
・ドラッグ・ラグは、企業が米国と日本の審査機関に申請する時期の差で示さ
れる開発ラグと申請から承認までの期間の差である審査ラグからなり、未承
認薬※1の審査ラグについては平成18年度の14ヶ月から平成22年度には
2ヶ月に短縮されているものの、開発ラグは同年度で14ヶ月から12ヶ月
と短縮幅が小さいこと。適応外薬※2の審査ラグ・開発ラグについて、その現
状が把握ができていないこと。
※1:未承認薬とは、海外では有効性が証明され、承認・販売されているにもかかわ
らず、日本では承認・販売されていない薬剤のこと
※2:適応外薬とは、日本で承認・販売されているが、適応症が異なり、日本では一
部の適応症に使用できない薬剤のこと
・創薬開発においては、主に応用研究や非臨床試験までの創薬研究に対して切
れ目のない実用化支援が不足していることが指摘されており、基礎研究から
臨床研究への間にいわゆる「死の谷」が存在するため、日本発のがん治療薬
に関する創薬研究の成果が実用化された事例が未だ少ないこと
・医療技術開発においては、デバイス・ラグを解消することが求められている
他、治療効果を保ちつつ患者の負担を軽減した低侵襲な医療技術の更なる開
発のための医工連携をはじめとする学問横断的な取組が未だ十分ではないこ
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