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別紙3○先進医療Bの総括報告書に関する評価について (2 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00059.html |
出典情報 | 先進医療会議(第123回 8/2)《厚生労働省》 |
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○試験期間:
2016年12月〜2022年5月
医 療 技 術 ○有効性の評価結果
の試験結
果
主要評価項目では90病日のCPCスコアの1、2を有効、3−5を無効と
して解析し、水素群は対象群より有効率が高い傾向が見られたもの
の(オッズ比 1.99: 95%信頼区間 0.78-5.11)、統計的有意差は認
められなかった(P=0.15、カイ二乗検定)。
副次的評価項目として、90病日までの死亡率は水素群が有意に低
かった(P=0.02、カイ二乗検定)。Cox回帰による生存時間分析では
水素群の生存時間が長い傾向が見られたが、有意性はみられなかっ
た。CPCとは異なる神経学的機能の評価としてmRSを用いた場合に
は、スコア順位は水素群が対象群より有意に低く、水素群の神経学
的転帰は良好であった(P=0.01、Mann-Whitney
s test)。また、
後遺障害や症状の訴えのないmRS 0の割合は水素群に有意に多かった
(リスク比: 2.18 [95%信頼区間:1.04 ‒ 4.56]、オッズ比: 3.18
[95%信頼区間:1.12 ‒ 9.06]、P=0.03、NNT=4.0)。90病日後の生存
者のMMSEとGCSについては水素群と対象群の間に有意の差は見られな
かった。
○安全性の評価結果
死亡については副次的評価項目としての「90日後生存率」で水素
群が対照群に比して死亡率が低かったことから、水素吸入による死
亡の増加は観察されなかったと言える(水素群15%、対照群39%)。
また、試験用ガス吸入との因果関係が疑われる死亡は観察されなか
った。その他の有害事象についても、人工呼吸管理を要する病態の
ため肺炎をはじめとした感染症が多く発生し、CRPの上昇が多く報告
されたが、その発生頻度は両群間で有意差を認めず、臨床的にも試
験用ガス吸入との因果関係を考慮すべき事象の報告はなかった。
○結論
主要評価項目に挙げた有効性評価は、統計学的有意差を観察しえな
かったが、副次的評価項目によって、院外心停止後症候群に対する水
素吸入療法は 90 日後の死亡率の改善と神経学的予後の改善に寄与す
ることが強く示唆された。本試験において安全性に関する懸念事項は
観察されなかった。
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2016年12月〜2022年5月
医 療 技 術 ○有効性の評価結果
の試験結
果
主要評価項目では90病日のCPCスコアの1、2を有効、3−5を無効と
して解析し、水素群は対象群より有効率が高い傾向が見られたもの
の(オッズ比 1.99: 95%信頼区間 0.78-5.11)、統計的有意差は認
められなかった(P=0.15、カイ二乗検定)。
副次的評価項目として、90病日までの死亡率は水素群が有意に低
かった(P=0.02、カイ二乗検定)。Cox回帰による生存時間分析では
水素群の生存時間が長い傾向が見られたが、有意性はみられなかっ
た。CPCとは異なる神経学的機能の評価としてmRSを用いた場合に
は、スコア順位は水素群が対象群より有意に低く、水素群の神経学
的転帰は良好であった(P=0.01、Mann-Whitney
s test)。また、
後遺障害や症状の訴えのないmRS 0の割合は水素群に有意に多かった
(リスク比: 2.18 [95%信頼区間:1.04 ‒ 4.56]、オッズ比: 3.18
[95%信頼区間:1.12 ‒ 9.06]、P=0.03、NNT=4.0)。90病日後の生存
者のMMSEとGCSについては水素群と対象群の間に有意の差は見られな
かった。
○安全性の評価結果
死亡については副次的評価項目としての「90日後生存率」で水素
群が対照群に比して死亡率が低かったことから、水素吸入による死
亡の増加は観察されなかったと言える(水素群15%、対照群39%)。
また、試験用ガス吸入との因果関係が疑われる死亡は観察されなか
った。その他の有害事象についても、人工呼吸管理を要する病態の
ため肺炎をはじめとした感染症が多く発生し、CRPの上昇が多く報告
されたが、その発生頻度は両群間で有意差を認めず、臨床的にも試
験用ガス吸入との因果関係を考慮すべき事象の報告はなかった。
○結論
主要評価項目に挙げた有効性評価は、統計学的有意差を観察しえな
かったが、副次的評価項目によって、院外心停止後症候群に対する水
素吸入療法は 90 日後の死亡率の改善と神経学的予後の改善に寄与す
ることが強く示唆された。本試験において安全性に関する懸念事項は
観察されなかった。
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