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別紙3○先進医療Bの総括報告書に関する評価について (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00059.html
出典情報 先進医療会議(第123回 8/2)《厚生労働省》
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先進医療審査の事前照会事項に対する回答

先進医療技術名: 水素ガス吸入療法
2023 年 6 月 22 日
所属・氏名: 慶應義塾大学医学部救急医学 本間康一郎
慶應義塾大学水素ガス治療開発センター 鈴木 昌

※照会に伴い変更が生じた場合は、関係書類も併せて修正して下さい。
1.総括報告書
主要評価項目である CPC で評価した有効(CPC 1 or 2)率及び副次評価項目の生存時間には、い
ずれも心停止から自己心拍再開までの時間の影響が示唆されています(総括報告書 p. 25 及び
p.28)。そのため、第 90 病日の mRS 及び第 90 病日の mRS 0 の割合についても心停止から自己心
拍再開までの時間が影響している可能性が考えられますので、部分集団解析や共変量とした解析結
果を踏まえた考察を説明してください。
【回答】
ご指摘の心停止から自己心拍再開までの時間は表 15 に示す通り、有効群(すなわち神経学的転帰
良好と定義した 90 日後 CPC 1, 2 のグループ)が無効群よりも有意に短くなっています(MannWhitney s U-test: P<0.01)。mRS 0 についても表 13−17 と同様の解析を行った場合、同様に年齢は有
意に若く、心停止から自己心拍再開までの時間も有意に短くなっています(Mann-Whitney s U-test:
P<0.01, P=0.02)。これは心停止の時間が短いほど虚血侵襲が軽度であることを反映すると考えられま
す。その調整は死亡については Cox 比例ハザードモデルで行い、表7に提示しておりました。
ご指摘のとおり、CPC、ならびにmRS についても調整を行うため、Logistic 回帰分析を追加しますと以下
のとおりとなり、有効性の評価(CPC 1, 2)と mRS=0 の場合ともに心停止から自己心拍までの時間が影
響していることが示されます。なお、この解析においても、水素添加酸素の吸入は mRS において有意で
あることがわかりました。

変量名
水素吸入
性 別
年 齢
心停止から
自己心拍再開まで
自己心拍再開から
研究用ガス吸入開始まで
初期調律が Vf/VT

有効性の評価(CPC1,2)
Odds 比
95%信頼区間
P値
2.14
0.67 ‒ 6.87
0.20
2.74
0.54 ‒ 13.91
0.22
0.94
0.89 ‒ 0.99
0.02

Odds 比
4.37
1.48
0.93

mRS 0
95%信頼区間
1.22 ‒ 15.66
0.30 ‒ 7.35
0.88 ‒ 0.98

P値
0.02
0.63
<0.01

0.93

0.89 ‒ 0.98

0.01

0.95

0.90 ‒ 1.00

0.049

0.99

0.98 ‒ 1.01

0.26

1.00

0.99 ‒ 1.01

0.67

1.21

0.33 ‒ 4.40

0.78

0.77

0.19 ‒ 3.06

0.71

また、CPC とmRS を離散変数として、順序回帰分析を行った場合にも同様であり、水素添加酸素吸入
によって mRS では神経学的機能の回復に資するものと考えられました。
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