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別紙3○先進医療Bの総括報告書に関する評価について (9 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00059.html |
出典情報 | 先進医療会議(第123回 8/2)《厚生労働省》 |
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【回答】
ご指摘のとおり、早期終了に伴い、統計解析計画の修正を行い、追加解析として、Futility study と追
加試験を行う場合の必要サンプルサイズの推定を加えました。結果は以下のとおりです。なお、本技術
が主要評価項目では有意とならなかったものの、副次的評価項目を含めて総括すれば、当初の想定以
上に水素吸入療法が心停止後症候群の神経学的予後を改善すると考えられたため、Futility study とサ
ンプルサイズの推定を本報告に包含する必要はないと判断いたしました。
まず、Futility study はベイズ統計を用いて水素群が有効となる確率が対照群より 0.1 以上高い事後
確率を計算しています。水素群の有効率が対照群より 0.1 以上高い事後確率は 0.71 とないました。これ
は、0.05 よりはるかに高く、本技術は futile ではないと判定されました。また、水素群の有効率が対象群
より高い事後確率は 0.92 であり、0.95 より低いため、水素群が対象群より有効率が高いとは判定されま
せんでした。このように、ベイズ統計による解析結果は、従来の統計学的解析結果と矛盾するものでは
ありませんでした。
次に、ベイズ統計に基づいて有意な結果を得るための必要症例数を推定しました。その結果、水素群
と対照群のそれぞれに 72 例、合計 144 例で 70%、水素群と非水素群それぞれに 109 例、合計 218 例
で 80%の確率で統計的に有意の結果を得ると推定されました。なお、当初の計画における必要症例数
の算出では、両群それぞれ 150 症例(脱落等を考慮し 180 症例とした)で有意となることを想定していた
ことを申し添えます。
追加試験の実施については、その実施によって早期に臨床応用可能となるならば実施したいと考えて
おりました。しかし、水素添加酸素吸入を行うに際して、ガスボンベと人工呼吸器配管とを接続する現在
の方法は、十分に効果を期待できる簡便で汎用性の高い技術である反面、1症例につき 47L 型(高さ
151 ㎝、幅 23.2cm)のガスボンベ2本の保管や管理、人工呼吸器との接続等を含めた、ヒューマンエラ
ーを招来しやすい状態でもあります。これを考慮すれば簡便に吸入を実施できる機器開発を同時に行い、
その治験で水素吸入療法の有効性の確立をはかることが最も現実的であり、より早期に本技術が安全
に臨床実装できると考えています。
4.全般
本試験計画時における薬事承認申請までのロードマップ(※)では、本試験後に学会からの要望ある
いは企業治験を予定していましたが、現在の進捗について説明してください。
【回答】
前節の回答のとおり、本技術を活用できる機器開発を行うことを目指した活動、すなわち本技術に活用
できる医療機器の開発を進める企業との連携を模索中です。今回の先進医療における総括報告で本技
術の意義が確立できれば医療機器開発とそれを用いた医師主導治験に向けた準備も進めたいと考えて
います。
本技術の結果は海外国際学会での発表と英文誌での公表を行っているところですが、本邦国内での
発表は行っておりませんので、国内でも関連学会での発表を順次行い、また、前記のとおりの治験の進
行にあわせ、関連学術団体等に対して臨床実装のための要望書作成を依頼したいと考えています。
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ご指摘のとおり、早期終了に伴い、統計解析計画の修正を行い、追加解析として、Futility study と追
加試験を行う場合の必要サンプルサイズの推定を加えました。結果は以下のとおりです。なお、本技術
が主要評価項目では有意とならなかったものの、副次的評価項目を含めて総括すれば、当初の想定以
上に水素吸入療法が心停止後症候群の神経学的予後を改善すると考えられたため、Futility study とサ
ンプルサイズの推定を本報告に包含する必要はないと判断いたしました。
まず、Futility study はベイズ統計を用いて水素群が有効となる確率が対照群より 0.1 以上高い事後
確率を計算しています。水素群の有効率が対照群より 0.1 以上高い事後確率は 0.71 とないました。これ
は、0.05 よりはるかに高く、本技術は futile ではないと判定されました。また、水素群の有効率が対象群
より高い事後確率は 0.92 であり、0.95 より低いため、水素群が対象群より有効率が高いとは判定されま
せんでした。このように、ベイズ統計による解析結果は、従来の統計学的解析結果と矛盾するものでは
ありませんでした。
次に、ベイズ統計に基づいて有意な結果を得るための必要症例数を推定しました。その結果、水素群
と対照群のそれぞれに 72 例、合計 144 例で 70%、水素群と非水素群それぞれに 109 例、合計 218 例
で 80%の確率で統計的に有意の結果を得ると推定されました。なお、当初の計画における必要症例数
の算出では、両群それぞれ 150 症例(脱落等を考慮し 180 症例とした)で有意となることを想定していた
ことを申し添えます。
追加試験の実施については、その実施によって早期に臨床応用可能となるならば実施したいと考えて
おりました。しかし、水素添加酸素吸入を行うに際して、ガスボンベと人工呼吸器配管とを接続する現在
の方法は、十分に効果を期待できる簡便で汎用性の高い技術である反面、1症例につき 47L 型(高さ
151 ㎝、幅 23.2cm)のガスボンベ2本の保管や管理、人工呼吸器との接続等を含めた、ヒューマンエラ
ーを招来しやすい状態でもあります。これを考慮すれば簡便に吸入を実施できる機器開発を同時に行い、
その治験で水素吸入療法の有効性の確立をはかることが最も現実的であり、より早期に本技術が安全
に臨床実装できると考えています。
4.全般
本試験計画時における薬事承認申請までのロードマップ(※)では、本試験後に学会からの要望ある
いは企業治験を予定していましたが、現在の進捗について説明してください。
【回答】
前節の回答のとおり、本技術を活用できる機器開発を行うことを目指した活動、すなわち本技術に活用
できる医療機器の開発を進める企業との連携を模索中です。今回の先進医療における総括報告で本技
術の意義が確立できれば医療機器開発とそれを用いた医師主導治験に向けた準備も進めたいと考えて
います。
本技術の結果は海外国際学会での発表と英文誌での公表を行っているところですが、本邦国内での
発表は行っておりませんので、国内でも関連学会での発表を順次行い、また、前記のとおりの治験の進
行にあわせ、関連学術団体等に対して臨床実装のための要望書作成を依頼したいと考えています。
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