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薬-2○関係業界からの意見聴取について (8 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212451_00073.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第209回 9/20)《厚生労働省》 |
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原価計算方式の課題に係る意見①(再生医療等製品に特徴的な課題)具体的事例
製造・品質管理に係る課題
市販後の品質管理(ベリフィ
ケーション)費用が認められな
い場合がある
事例
今般、条件及び期限付承認品目だけでなく、正式承認品目であっても、承認書の規格試験に加えて多数のベリ
フィケーションの市販後実施が求められている。
再生医療等製品の品質評価*には、製品を消費する必要がある。概ね少量生産である中で、検査用に余剰に製
造することとなる。「総製造量に対して検査用製造の占める割合」は、医薬品と比較して極めて高い傾向となる。
「2023年8月時点で既承認の再生医療等製品(3社3製品)」について、総製造量に対する検査用製
造の占める割合は、14.8~50%**
解決に向けた意見
承認書に記載される試験検査に加え、
承認時に求められるベリフィケーションに
係る費用についても加算する運用の検
討が必要である。
(参考)抗体医薬は0.2-1万本(1ml/本)に対し200-300本と数%程度)***
平均労務単価で労務費を算
出すると実際費用から大きく乖
離する場合がある
(自家細胞製品)品質のば
らつきによる製造失敗や、患者
の状態悪化等による投与キャ
ンセルが生じた場合、企業がそ
の費用を負担せざるを得ない
平均労務単価×作業時間で労務費を算出する際に、以下の課題が生じる。**
作業者の教育・習熟に係る労務費や、
①培養など手作業の多い再生医療等製品において必要な、作業者の教育・習熟に係る費用は計上できない。 自家製品においては製造の繁閑に対応
するために確保する作業者の待機時間
②自家製品は受注生産のため製造に繁閑が生じやすく、受注に適時対応するには作業者を一定程度確保し に係る労務費について、妥当と判断され
ておく必要があるが、その待機時間に係る費用は計上できない。
る範囲において、その費用を計上する運
用の検討が必要である。
生物由来原材料を使用することから、同一製造条件であっても品質にばらつきが生じることがあり、製造失敗の事 治験時において投与のかなわなかった損
例が生じることがある: 近年、製造失敗の実態も報告されており†、企業側の負担は一定程度存在していることが 失費用について、妥当な範囲で計上可
明らかになっている
能となるよう、運用の検討が必要である。
(例)解析対象408例のうち30例(7.4%)に製造失敗が認められた。製造失敗を生じた30例のうち、
最終的に投与に至った症例は12例(40%)に留まった††
開発困難な重篤な疾患領域に対してアプローチする製品も多く、患者の状態の急変等により、製造開始後に投
与キャンセルが生じる事例もある
*補足:再生医療等製品は、原料細胞が多様な特性を有していること、自家製品では原料品質に大きな個人差があること、等から承認までに最終製品品質の均質性・再現性を恒常的に確保できる製造管理パラメータを確立するこ
とが困難である。承認前の製造実績が少数となることも含め、市販後の製造実績を活用した品質管理戦略が求められている。
**出所:FIRM加盟企業を対象とした定性・定量調査(既存の再生医療等製品をもつ製造販売企業が対象), ***出所:7/5中医協薬価専門部会 FIRM意見陳述資料(アーサー・ディ・リトル分析)
†出所:RETROSPECTIVE MULTICENTRIC COMPARISON OF OUT-OF-SPECIFICATION AND STANDARD-OF-CARE TISAGENLECLEUCEL INFUSION FOR DIFFUSE LARGE B-CELL LYMPHOMA (https://ebmt2023.abstractserver.com/program/#/details/presentations/1404) 等, ††出所:
British Journal of Haematology, 202(2), 256-266. (British Journal of Haematology | Wiley Online Library)
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製造・品質管理に係る課題
市販後の品質管理(ベリフィ
ケーション)費用が認められな
い場合がある
事例
今般、条件及び期限付承認品目だけでなく、正式承認品目であっても、承認書の規格試験に加えて多数のベリ
フィケーションの市販後実施が求められている。
再生医療等製品の品質評価*には、製品を消費する必要がある。概ね少量生産である中で、検査用に余剰に製
造することとなる。「総製造量に対して検査用製造の占める割合」は、医薬品と比較して極めて高い傾向となる。
「2023年8月時点で既承認の再生医療等製品(3社3製品)」について、総製造量に対する検査用製
造の占める割合は、14.8~50%**
解決に向けた意見
承認書に記載される試験検査に加え、
承認時に求められるベリフィケーションに
係る費用についても加算する運用の検
討が必要である。
(参考)抗体医薬は0.2-1万本(1ml/本)に対し200-300本と数%程度)***
平均労務単価で労務費を算
出すると実際費用から大きく乖
離する場合がある
(自家細胞製品)品質のば
らつきによる製造失敗や、患者
の状態悪化等による投与キャ
ンセルが生じた場合、企業がそ
の費用を負担せざるを得ない
平均労務単価×作業時間で労務費を算出する際に、以下の課題が生じる。**
作業者の教育・習熟に係る労務費や、
①培養など手作業の多い再生医療等製品において必要な、作業者の教育・習熟に係る費用は計上できない。 自家製品においては製造の繁閑に対応
するために確保する作業者の待機時間
②自家製品は受注生産のため製造に繁閑が生じやすく、受注に適時対応するには作業者を一定程度確保し に係る労務費について、妥当と判断され
ておく必要があるが、その待機時間に係る費用は計上できない。
る範囲において、その費用を計上する運
用の検討が必要である。
生物由来原材料を使用することから、同一製造条件であっても品質にばらつきが生じることがあり、製造失敗の事 治験時において投与のかなわなかった損
例が生じることがある: 近年、製造失敗の実態も報告されており†、企業側の負担は一定程度存在していることが 失費用について、妥当な範囲で計上可
明らかになっている
能となるよう、運用の検討が必要である。
(例)解析対象408例のうち30例(7.4%)に製造失敗が認められた。製造失敗を生じた30例のうち、
最終的に投与に至った症例は12例(40%)に留まった††
開発困難な重篤な疾患領域に対してアプローチする製品も多く、患者の状態の急変等により、製造開始後に投
与キャンセルが生じる事例もある
*補足:再生医療等製品は、原料細胞が多様な特性を有していること、自家製品では原料品質に大きな個人差があること、等から承認までに最終製品品質の均質性・再現性を恒常的に確保できる製造管理パラメータを確立するこ
とが困難である。承認前の製造実績が少数となることも含め、市販後の製造実績を活用した品質管理戦略が求められている。
**出所:FIRM加盟企業を対象とした定性・定量調査(既存の再生医療等製品をもつ製造販売企業が対象), ***出所:7/5中医協薬価専門部会 FIRM意見陳述資料(アーサー・ディ・リトル分析)
†出所:RETROSPECTIVE MULTICENTRIC COMPARISON OF OUT-OF-SPECIFICATION AND STANDARD-OF-CARE TISAGENLECLEUCEL INFUSION FOR DIFFUSE LARGE B-CELL LYMPHOMA (https://ebmt2023.abstractserver.com/program/#/details/presentations/1404) 等, ††出所:
British Journal of Haematology, 202(2), 256-266. (British Journal of Haematology | Wiley Online Library)
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