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参考資料3_かかりつけ医機能に関する事例集(令和4年度かかりつけ医機能の強化・活用にかかる調査・普及事業) (22 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36156.html
出典情報 かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会(第1回 11/15)《厚生労働省》
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医療法人社団久英会

高良台リハビリテーション病院

(ICTによる情報連携)
◼ 福岡県医師会では、ICTを活用した医療情報ネットワークが構築されており、当該ネットワークに参加した医療機関内で診療情報を共有している。
当院では、具体的なケースとして、容体急変や緊急時の受け入れに際し病床確保が必要な場合は、当該ネットワークを用いることで、対象患者情報を迅速に共有・確認するために活
用している。
① とびうめネット:病状が不安定な人についてあらかじめ病名や処方薬を登録しておくことで、入院した急性病院に情報が送られるシステム。主に福岡県内の医療機関が加入してい
る。
② アザレアネット:「くるめ診療情報ネットワーク協議会」に参加した医療施設の間で、情報開示施設における投薬履歴や検査、入院中情報を閲覧することが可能。
(医療介護連携の場)
◼ 院内部門である地域支援部に所属するソーシャルワーカーは、ケアマネージャーや訪問看護師と事例を通して情報交換を行い、意見交換しながら連携している。
◼ 地域介護職との情報共有の場に積極的に参加することで、介護職との患者情報共有を積極的に実施している。(以下、事例。)
① 「自立支援地域ケア会議」 :当院からは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士等といった多職種が参加している。主にケアマネージャーが提示する症例に対して専門

的見地から助言を行う場であるが、虐待関連といった地域課題が懸念される事案が議題になれば、地域包括支援センターに相談するなどし、行政との連携を図ることもしている。
医療機関の ② 「荒木会議」:地域の課題検討を目的とする小地域ネットワークであり、当院の医療スタッフ、ソーシャルワーカー、歯科衛生士、栄養士等が参加している。例えば「健康づくり」が課
取組
題に挙がった際は、地域のコミュニティーセンターで体を動かす「健康づくり教室」を開催するなど、会議で議題に挙がった課題解決に向けた活動に取り組んでいる。
(入退院時の支援)
◼ 久留米市で実施している入退院調整ルールに参加することにより組織的に患者の入退院時にケアマネと連携できる体制を構築している。ソーシャルワーカーやケアマネージャーなどの各専
門職種も定期カンファレンスや家屋調査、各退院指導等を実施している。また、紹介元の医療機関、ケアマネージャー、訪問看護等宛てにサマリー等の情報共有を実施している。
(24時間体制の構築)
◼ 24時間対応の訪問看護ステーションと連携し、看護師の病態生理確認後に主治医が原則対応するシステムを採用している。主治医が初回対応するが、主治医による対応が困難な
場合として、バックアップの医師を曜日毎に決めてサポートすることとしている。
(院内教育)
◼ 在宅部門で力を発揮できるよう、特定看護師の資格を4,5名に取ってもらっている。看護師特定行為の研修施設となり、年間1,2名に対して研修を実施するなど、教育環境の整備を
している。
◼ 学術団体や訪問看護ステーションにも特定看護師を配置することにより多様な技術が習得できるよう配慮している。
医療介護資源が豊富な地域ではあっても、今後の高齢化等を見据え早期から県医師会等を通じて医療介護連携に取り組むこと。
ICTを活用した情報連携基盤の整備、行政や他機関多職種を含めた連携に取り組むこと。
市外からの患者流入や流出に対応するため、周辺医師会とも連携の充実化を図ること。
福岡県医療介護総合確保基金や在宅医療・介護連携センター久留米運営基金を用いて、医療機関や訪問看護、調剤薬局と県・久留米市との円滑な入退院調整に係る連携
ことが望まれ
を進めること(久留米医師会(久留米市)の取り組みであるKICSと、当グループ(久英会)内での取り組みであるKIICSという2つの地域包括ケア)。
る効果的な ◼ 特定看護師の育成のみならず、病棟スタッフに対して、入院受け持ち患者が自宅退院する際に生活期在宅医療の初期介入までを経験させる試みを来期に予定するなど、院内教
取組
育にも力を入れること。
◼ 24時間体制を構築する上で、働き方改革の観点から曜日制を設けて医師の負荷軽減を図っていること。



横展開する ◼







取組を通じ ◼
ての課題 ◼

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個人情報保護に配慮しながら、診療情報等の見える化をより図る必要があること。
入院チームと在宅チームの入院早期からの連携(入院中も途切れずカンファレンスに参加するといった継続的な課題解決の体制)をとること。
意見共有の場を設けても来なくなる人がおり、病院側との方向性や意識のすり合わせが不十分となること。
久留米市の地域ケア会議と、当院の開催している各会議の連携ができておらず、介護現場での問題や課題が医療と十分に結び付けられていないこと。
ICTを活用した医療情報ネットワークの取組みについて、市民、患者の方に対する周知広報が不十分であること。
とびうめネット、アザレアネットを活用する中で見えた、ICTの更なる推進に向けたそれぞれの課題について
① とびうめネットの課題:事前登録のため病状変化の度に手続きが必要であること。また、「書類作成→提出→更新」という手続きが必要となり、タイムリーに更新できず手間がかかる
こと。
② アザレアネットの課題:情報を開示することができる病院になるためには、1200万円程度のイニシャルコストが必要となること。
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