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医療機器感染症定期報告感染症別文献一覧表 (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190382_00016.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和5年度第2回 3/7)《厚生労働省》 |
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令和6年3月7日
令和5年度第2回医療機器・
再生医療等製品安全対策部会
資料 3-1ー1
感染症定期報告感染症別文献一覧表(医療機器2023/4/1~2023/9/30)
ID
感染症(PT)
1 インフルエンザ
2 インフルエンザ
3 インフルエンザ
出典
概要
Emerg Infect Dis. 28
(2022)2561-2564
デンマークでのブタ由来インフルエンザAウイルスの重篤な症例。50代男性が、2021年
11月23日の夜に、胸の痛み、左腕に向かって放散する痛み、下痢、倦怠感に続き、め
まいを急性発症し、翌朝まで続いたため、入院した(2021年11月24日)。なお、熱はな
かった。救急車の輸送中及び病院到着時に、患者は繰り返し痙攣し、集中治療室で、
発作とそれに伴う酸素レベルの低下を管理するために機械的換気が行われた。臨床
検査(生化学的、微生物学的、免疫学的アッセイ)、多臓器放射線検査、脳波検査など
の臨床検査では、突然の重篤な症状を説明できる心血管、腎臓、神経、又はその他の
疾患は特定されなかった。しかし、地元の微生物学研究所で採取された気管サンプル
を分析したところ、ブタ由来インフルエンザAウイルスに対して陽性であることが判明し
た。新型コロナウイルスを含むその他の微生物は検出されなかった。患者は抗ウイル
ス剤の投与と様々な支持療法により2日で病状は改善し、まもなく退院した。サンプル
はデンマーク国立インフルエンザセンターでパンデミックH1N1株に対して陽性であるこ
とが確認され、GISAIDにてA/Denmark/36/2021と名付けられたウイルスのコンセンサ
ス配列がアップロードされた。WGSはH1N1サブタイプを確認した。しかしながら、ウイル
スは他のヒト株よりもブタのインフルエンザウイルスにより近い相動性をもっていた。患
者はデンマークの豚肉処理場で働いており、手袋やガウンを含む防護装備であった
が、マスクはしていなかった。患者の職場や近辺でインフルエンザウイルスの感染報告
はなかった。本症例は過去にデンマークで報告された感染とは遺伝的に異なるため、
限定的なものであると示唆された。
Emerg Infect Dis.
29(2023)98-109
ヒトに感染するH3亜型のA型インフルエンザウイルス(IAV)における主要なH3系統を代
表する4つの鳥、1つの馬、3つのブタのIAVについて、ヒトへのリスクを判断するため、
ベルギーで2017~2018年に286人から採取した血清について、これらの動物由来IAV
に対する赤血球凝集阻害抗体及びウイルス中和抗体を調べ、ヒト気道上皮における複
製を検査した。北米のブタ由来の循環型IAVの血清陽性率は51%以上、欧州のブタは
7%~37%、鳥類・馬は12%以下であった。北米のブタのクラスターIAVと欧州のブタの
IAVは効率的に複製され、馬と家禽のIAVは中程度、野鳥のIAVと北米の新しいヒト型ブ
タのIAVは複製されなかった。公衆衛生上のリスクは、ブタのH3 IAVが最も高い可能性
がある。
Viruses. 15(2023)980
インフルエンザウイルスは、ヒトを含む様々な動物に感染する。1918年から2009年にか
けて、4回のパンデミックが発生し、数百万人の死傷者を出した。中間宿主の有無にか
かわらず、動物性インフルエンザウイルスがヒトに頻繁に流出することは、人獣共通感
染症やパンデミックの深刻な脅威となる。今回のSARS-CoV-2パンデミックは、動物性
インフルエンザウイルスがもたらす高いリスクは影を潜め、パンデミックウイルスのリ
ザーバーとしての野生動物の役割を浮き彫りにした。本総説では、ヒトにおける動物性
インフルエンザウイルスの発生状況を整理し、人獣共通感染症ウイルスの混合容器又
は中間宿主となりうる動物性インフルエンザウイルスについて述べる。人獣共通感染
症のリスクが高い動物性インフルエンザウイルス(鳥インフルエンザウイルスやブタイ
ンフルエンザウイルスなど)がある一方で、人獣共通感染症の可能性が低いか無視で
きるものもある(馬、イヌ、コウモリ、牛インフルエンザウイルスなど)。感染経路は、動
物、特に家禽やブタからヒトへ直接、又は「mixing vessel(混合容器)」宿主におけるウ
イルスの再分化を通じて起こる可能性がある。現在までに、鳥類由来のウイルスによ
るヒトへの感染が確認されているのは3000件未満、不顕性感染については7000件未
満である。同様に、ブタインフルエンザウイルスによるヒトへの感染も数百件しか報告さ
れていない。ブタは鳥類型と人型の両方のレセプターを発現しているため、人獣共通感
染症インフルエンザウイルスを生成するための歴史的な混合容器宿主である。しかし
ながら、両方のタイプのレセプターを持ち、混合容器宿主となりうる宿主も数多く存在す
る。動物性インフルエンザウイルスによる次のパンデミックを防ぐために、高い警戒が
必要である。
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令和5年度第2回医療機器・
再生医療等製品安全対策部会
資料 3-1ー1
感染症定期報告感染症別文献一覧表(医療機器2023/4/1~2023/9/30)
ID
感染症(PT)
1 インフルエンザ
2 インフルエンザ
3 インフルエンザ
出典
概要
Emerg Infect Dis. 28
(2022)2561-2564
デンマークでのブタ由来インフルエンザAウイルスの重篤な症例。50代男性が、2021年
11月23日の夜に、胸の痛み、左腕に向かって放散する痛み、下痢、倦怠感に続き、め
まいを急性発症し、翌朝まで続いたため、入院した(2021年11月24日)。なお、熱はな
かった。救急車の輸送中及び病院到着時に、患者は繰り返し痙攣し、集中治療室で、
発作とそれに伴う酸素レベルの低下を管理するために機械的換気が行われた。臨床
検査(生化学的、微生物学的、免疫学的アッセイ)、多臓器放射線検査、脳波検査など
の臨床検査では、突然の重篤な症状を説明できる心血管、腎臓、神経、又はその他の
疾患は特定されなかった。しかし、地元の微生物学研究所で採取された気管サンプル
を分析したところ、ブタ由来インフルエンザAウイルスに対して陽性であることが判明し
た。新型コロナウイルスを含むその他の微生物は検出されなかった。患者は抗ウイル
ス剤の投与と様々な支持療法により2日で病状は改善し、まもなく退院した。サンプル
はデンマーク国立インフルエンザセンターでパンデミックH1N1株に対して陽性であるこ
とが確認され、GISAIDにてA/Denmark/36/2021と名付けられたウイルスのコンセンサ
ス配列がアップロードされた。WGSはH1N1サブタイプを確認した。しかしながら、ウイル
スは他のヒト株よりもブタのインフルエンザウイルスにより近い相動性をもっていた。患
者はデンマークの豚肉処理場で働いており、手袋やガウンを含む防護装備であった
が、マスクはしていなかった。患者の職場や近辺でインフルエンザウイルスの感染報告
はなかった。本症例は過去にデンマークで報告された感染とは遺伝的に異なるため、
限定的なものであると示唆された。
Emerg Infect Dis.
29(2023)98-109
ヒトに感染するH3亜型のA型インフルエンザウイルス(IAV)における主要なH3系統を代
表する4つの鳥、1つの馬、3つのブタのIAVについて、ヒトへのリスクを判断するため、
ベルギーで2017~2018年に286人から採取した血清について、これらの動物由来IAV
に対する赤血球凝集阻害抗体及びウイルス中和抗体を調べ、ヒト気道上皮における複
製を検査した。北米のブタ由来の循環型IAVの血清陽性率は51%以上、欧州のブタは
7%~37%、鳥類・馬は12%以下であった。北米のブタのクラスターIAVと欧州のブタの
IAVは効率的に複製され、馬と家禽のIAVは中程度、野鳥のIAVと北米の新しいヒト型ブ
タのIAVは複製されなかった。公衆衛生上のリスクは、ブタのH3 IAVが最も高い可能性
がある。
Viruses. 15(2023)980
インフルエンザウイルスは、ヒトを含む様々な動物に感染する。1918年から2009年にか
けて、4回のパンデミックが発生し、数百万人の死傷者を出した。中間宿主の有無にか
かわらず、動物性インフルエンザウイルスがヒトに頻繁に流出することは、人獣共通感
染症やパンデミックの深刻な脅威となる。今回のSARS-CoV-2パンデミックは、動物性
インフルエンザウイルスがもたらす高いリスクは影を潜め、パンデミックウイルスのリ
ザーバーとしての野生動物の役割を浮き彫りにした。本総説では、ヒトにおける動物性
インフルエンザウイルスの発生状況を整理し、人獣共通感染症ウイルスの混合容器又
は中間宿主となりうる動物性インフルエンザウイルスについて述べる。人獣共通感染
症のリスクが高い動物性インフルエンザウイルス(鳥インフルエンザウイルスやブタイ
ンフルエンザウイルスなど)がある一方で、人獣共通感染症の可能性が低いか無視で
きるものもある(馬、イヌ、コウモリ、牛インフルエンザウイルスなど)。感染経路は、動
物、特に家禽やブタからヒトへ直接、又は「mixing vessel(混合容器)」宿主におけるウ
イルスの再分化を通じて起こる可能性がある。現在までに、鳥類由来のウイルスによ
るヒトへの感染が確認されているのは3000件未満、不顕性感染については7000件未
満である。同様に、ブタインフルエンザウイルスによるヒトへの感染も数百件しか報告さ
れていない。ブタは鳥類型と人型の両方のレセプターを発現しているため、人獣共通感
染症インフルエンザウイルスを生成するための歴史的な混合容器宿主である。しかし
ながら、両方のタイプのレセプターを持ち、混合容器宿主となりうる宿主も数多く存在す
る。動物性インフルエンザウイルスによる次のパンデミックを防ぐために、高い警戒が
必要である。
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