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医療機器感染症定期報告感染症別文献一覧表 (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190382_00016.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和5年度第2回 3/7)《厚生労働省》
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ID

感染症(PT)

出典

概要

Taenia solium はヒトにテニア症を、ヒトとブタに嚢虫症を引き起こす。東南部アフリカ

9 テニア症

PLoS Negl Trop Dis.
17(2023)e0011042

(ESA)では、ヒトのテニア症及び嚢虫症の存在に関する情報は乏しいようである。この
システマティックレビューは、ESAにおけるヒトのT. solium 感染の疫学について、現在入
手できる情報とギャップについて説明することを目的とした。2000年1月1日から2022年
6月20日までに国際データベース[MEDLINE(Ovid)、Embase(Ovid)、Global Health
(Ovid)、Scopus(Elsevier)、African Index Medicus(who Global Index Medicus経由)、
Open Grey]で公開された科学文献をESAについて系統的にレビューした。調査地域に
は、ESA地域を構成する27ヶ国が含まれた。この地域内の27ヶ国中16ヶ国で、テニア
症、嚢虫症、脳嚢虫症(NCC)のいずれかの情報が入手でき、合計113件の報告がレ
ビューされた。嚢虫症及びNCCの症例報告の多くは南アフリカからであり、嚢虫症の報
告はタンザニアが最も多く集約されていた。NCCについては11ヶ国が報告し、7ヶ国が
NCCとてんかんに関するデータを報告した。未確認のヒトのテニア症の症例が9ヶ国で
報告され、2ヶ国(マダガスカルとザンビア)が確認されたテニア症の症例が報告され
た。嚢虫症の血清有病率は、抗原(Ag)ELISAで0.7-40.8%、抗体(Ab)ELISAで13.145.3%の範囲であった。また、脳CT検査におけるNCC示唆病変の割合は調査集団に
より1.0~76%であった(immunoblot検査によるAb血清有病率は1.7~39.3%)。顕微鏡
検査によるヒトテニア症の有病率は0.1~14.7%であった。ケニア、ルワンダ、タンザニ
ア、ザンビアで実施されたCopro Ag-ELISA法による調査では、ケニアで19.7%と最も高
い有病率が報告された。ブタの管理や食肉検査が不十分で、衛生状態が悪い場合、
豚肉を食べない人も豚肉を食べる人と同様に嚢虫症に感染するリスクがあると考えら
れた。また地域におけるヒトのテニア症は、ESA諸国におけるブタ嚢虫症の高い有病率
に起因している。特に農村部では、放し飼いのブタの飼育が簡単で安価であるために
人気があり、一般的に屠殺場や豚肉の検査がなく、衛生設備が整っていないことと相
まって、人々がテニア症や嚢虫症に感染するリスクを高める要因となっている。 ESAに
おけるT. solium の公衆衛生及び経済的影響にもかかわらず、この寄生虫の発生とそ
の結果生じるOne Health疾患群に関する知識にはまだ大きなギャップがあり、テニア症
及び嚢虫症のモニタリングはほぼ実施されていない。

Transboundary and
10 ブドウ球菌感染 Emerging Diseases.
2023(2023)5540019

家畜関連メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(LA-MRSA)クローン複合体398株は、ブタに
広く分布しており、ヒトの医療における新興病原体と考えられている。ブタの生産環境
における病原体の有病率、遺伝的特性、人獣共通感染症の可能性を調査するため、
2019年にハンガリーの40の養豚場から、出席獣医師及びその他のブタの専門家(n =
27)の鼻腔スワブとともにダストサンプルを収集した。MRSA分離株は、全ゲノム配列決
定と感受性試験を行うことでさらに特徴づけを行った。同年、ヒト由来のLA-MRSA臨床
分離株14株の全ゲノム配列も研究に含めた。コアゲノムマルチローカスシーケンスタイ
ピング(cgMLST)解析により,環境由来とヒト由来の近縁分離株のクラスターが発見さ
れ、一対の対立遺伝子距離が24以下であったことから、cgMLSTと一塩基多型解析は
農場環境と人間の最近の感染事象を示唆していた。ヒトの臨床分離株4株は免疫回避
遺伝子群を保有しており、そのうち1株は農場分離株と密接に関連していると考えられ
た。ブタ関連株の半数は8種類以上の抗菌薬に対する感受性が低下しており、ヒト分離
株と同様にcfrを含む8種類の多剤耐性遺伝子を保有していた。この結果は、2008年に
欧州食品安全機関のベースライン調査で報告された2%の有病率と比較して、ハンガ
リーの豚産業におけるLA-MRSAの発生が飛躍的に増加していることを示していた。ま
た、LA-MRSAの抗菌薬耐性は広範囲に及び、ヒト(無症候性保菌者、罹患者)におい
ても発症していることから、LA-MRSAが公衆衛生にもたらすリスクについて見直しが求
められている。

マイコプラズマ感 ProMED-mail

20230201.8708093

Canterbury中部でウシの群れがMycoplasma bovis に感染している件について、
Ashnurtonに近いWakanuiでウシのM. bovis の感染について独立した調査による見解が
提示された。MPI(政府機関)、Dairy NZ and Beef & Lamb New Zealandは当該感染が
明らかになり感染防止策を講じたにもかかわらず、小さな地域における当該感染症の
蔓延が確認された2022年中期以降の実態について調査を指示した。発生の中心は広
大なANZCO Fivestar Foodlotが保有する農場で、19000頭のウシを一時に飼育するこ
とが可能である。2022年5月にはFoodlotではM. bovis に罹患した最後の領域について
報告されていたが、より多くの領域で陽性の報告がなされたため、MPI(政府機関)は
Feedlotの周囲地域及び近隣の農場を管理区域に設定した。これらハイリスク領域にあ
る8つの農場全てで感染が判明。Feedlotの飼育数の減少が報告された。調査は独立し
た疫学博士(John Happold)により実施され、当該疾病が限定された領域でどのように
感染していくか確認された。調査の結果、ヒツジやシカでは感染したミルクの摂取や初
乳、又は農場間の車両や機器の移動での感染拡大は見られなかった。Feedlotにおけ
る感染蔓延の仮説として中等度から強い因果関係が疑われる点として、Wakanui地域
の他の農場からの感染が挙げられた。分子疫学調査の結果、Feedlotから半径1.5km
以内に集中して感染症例を認めており、代替案となるその他の見解は調査結果から確
認されなかった。Happold博士はM. bovis への空気感染についてこれまで発行されてい
る臨床文献内では報告されておらず決定的なものではないが、広大で重度な感染症個
体を有するグループから4-5kmを超えた空気感染に関するエビデンスは報告されてい
る。他に現状況を適切に説明し得るものがないため、空気感染によるM. bovis 拡大が
もっとも考え得る状況であると考察する。マイコプラズマ感染症プログラムを指揮する
Simon Andrew博士は、疾病の根絶は良い成果を示しており、ハイリスク地域とされて
いた管理区域には現在ウシは保有されておらず、2023年3月中旬まで管理区域のト
ラッキングは継続されている。

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