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医療機器感染症定期報告感染症別文献一覧表 (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190382_00016.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和5年度第2回 3/7)《厚生労働省》
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ID

感染症(PT)

23 炭疽

概要

炭疽病の原因菌である病原菌炭疽菌は、主に草食家畜、野生動物及び感染した動物
の死骸又は製品との直接接触に曝露されたヒトに影響を及ぼす芽胞形成細菌である。
現在までのところ、経済的及び公衆衛生の両面から炭疽病の重要性にもかかわらず、
炭疽病の世界的分布の可能性を描写した研究は限られている。本研究では、94カ国に
おける1954年から2021年までのヒト及び動物の確定症例の発生データ(n = 874)をま
とめた。集合生態学的フレームワークを用いて、複数の分析尺度で相対リスクを測定
するために、炭疽の世界的な予測生態学的適合性の更新マップを開発した。さらに、ウ
シ、ヒツジ及びヤギの対象集団に対する炭疽病に関連する疾患伝播リスクを定量化す
る地図を作成した。地球規模での炭疽菌の環境適合性は、ユーラシア、サハラ以南の
アフリカ、米国、東南アジア、オーストラリア、オセアニア全体に集中している。周極ス
Transbound Emerg Dis.
ケールで炭疽菌に適した環境は、北極圏の上方で、ロシア、カナダ、アラスカ、北部ス
69(2022)e2563-e2577
カンジナビアの一部に広がっている。炭疽菌の適合性に影響を及ぼす環境要因には、
疣贅、地表温度、土壌の特性、主要な気象状況及び地形が含まれる。家畜に対する最
大のリスクは、インド亜大陸、オーストラリア、アナトリア、コーカサス地域、中央アジア、
欧州連合、アルゼンチン、ウルグアイ、中国、米国に集中している。本調査では、以前
の調査では炭疽菌の空間的広がりの可能性を有する地域として南半球、サハラ以南
のアフリカ、アジア、及び北半球の周極周辺地域であることを示した結果を更に拡大す
るものとなった。今回の調査により更新された地図は、疾病管理プログラムの指針とな
る関連情報を提供し、政策立案者に情報を提供し、当該環境に適した地域に位置する
動物とヒトにおける炭疽菌罹患の発生率と死亡率を低下させるために世界レベルで認
識を高める結果になると結論づけた。

ProMED-mail
20230316.8708980

炭疽アウトブレイクの状況調査により、村の個人農場で行われた獣医業務に登録され
ていないウシの違法な家庭内屠殺の事実が確認された。ウシの健康状態悪化のため
屠殺が行われた。屠殺前の獣医学、衛生学的検査は実施されなかった。屠体の処理
過程中に手を切ったことでヒトの感染が発生した。感染者である2名は炭疽で入院した
が、病状は中等度である。疫学的調査の結果によると感染の原因は解体したウシ屠体
との接触であった。

ProMED-mail
20230322.8709103

ロシア消費監督庁はチュヴァシ共和国からモスクワに到着した市民に炭疽の疑われる
症例があると報告した。次いで同庁は炭疽がヒトからヒトへ伝染しないこと、及び発病し
た家畜との直接接触で感染する可能性があることを周知した。チュヴァシ共和国で炭
疽の兆候が3例目の住民で発見されたことが知られたが、そのヒトは感染したウシの解
体に関わっていた。それ以前にチュヴァシ共和国で2人が中等度の炭疽の状態で入院
したことが分かった。疫学調査の結果によると、感染の原因はウシ屠体との接触であっ
た。ロシア消費監督庁、チュヴァシ共和国及びウリヤノフスク地方支局によると患者は
屠体処分時に手を切って炭疽に感染した。

ProMED-mail
20230208.8708237

2023年1月30日、テキサス州クック郡においてウシが狂犬病陽性であることが確認され
た。感染した10歳のウシはワクチン未接種で、呼吸異常が見られた。このウシは狂犬
病の結果死亡し、州でさらなる検査を行うこととなった。残りのウシの群れは隔離され、
ワクチンを接種された。当該ウシの処置にあたった人間5人がウシの唾液を浴びて感
染し、治療を受けている。詳しい調査を実施しているところであるが、ウシは狂犬病に
感染したスカンクとの接触により感染したと可能性があることが示された。州当局は、
すべての動物の飼い主にペットや家畜のワクチン接種を行うよう呼びかけている。

異型クロイツフェ ProMED-mail
ルト・ヤコブ病
20230203.8708133

レポート日:2023年2月1日(水)
情報源:ドイツ政府プレスリリース
今週、南オランダでウシの死体(8歳)で牛海綿状脳症(BSE)陽性反応を示した症例が
報告された。Wageningen Bioveterinary Researchで調査が行われ異型BSEタイプであ
ることが特定された。異型BSEは年齢がいったウシに散発的に発症しており、年齢の
いった固体へ発症するBSEタイプであるとされている。4固体で異型BSE発症が確認さ
れた。陽性の固体を保有していた会社は直ちに流通が阻止された。ドイツのFood and
Consumer Product Safety Authority (NVWA)では感染源、接触範囲の調査を実施。
当該固体の子孫(2歳以下)を調査のために屠殺した。脳組織においてBSEテストを行
うため、まず屠殺処分を行う必要がある。NVWAにおける感染源、接触範囲の調査では
当該固体の子孫5体の感染が確認された。そのうち1体は同一農場で生存していた。当
該固体は2歳以下でテストのために屠殺された。残りの4体は2歳以上であり母牛から
の感染の可能性は低く、固体自身で感染に至った可能性が考えられた。そのためそれ
らは公衆衛生上におけるリスク拡大のおそれはないと考えられた。全てのウシは感染
したウシと同一の農場で誕生しており、生誕から12か月以内経過していた。これらの固
体は生後1年目に感染したウシと一緒に飼育され、その期間に同じ汚染された可能性
のある飼料を摂取していた。よって当該固体等も屠殺処分となりテストが行われた。調
査対象となった固体は食物連鎖から除外されるため、食品安全へのリスクはない。大
臣のPiet Adema氏はBSE陽性のウシが発生することは、最後の陽性固体を確認してか
ら長期間が経過しているため我々にとっても非常にショックなことであると述べている。
異型BSEであることが確認され安心している。異型BSEの場合は問題が発見された会
社のみに限定した処置がとられ収束することが殆どであり影響の範囲が想定しやす
い。問題が発生した農場には重大な問題ではある。今回感染が確認された13固体は
子孫の関係または一緒に飼育されていたため、屠殺処分がとられ調査を行った。拡大
防止による流通訂正、感染したウシの隔離、屠殺処分等の対応により今回の感染は収
束に向かっている。食品安全へのリスクはなかった。BSEモニタリングシステムは奏功
しておりうまくいっていると評価している。

24 炭疽菌感染

25 炭疽菌感染

26 狂犬病

27

出典

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